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『リスペクト』

2021年11月14日 | 映画(ら行)
『リスペクト』(原題:Repect)
監督:リーズル・トミー
出演:ジェニファー・ハドソン,フォレスト・ウィテカー,マーロン・ウェイアンズ,オードラ・マクドナルド,
   タイタス・バージェス,マーク・マロン,ヘイリー・キルゴア,セイコン・セングロー,ヘザー・ヘッドリー他
 
109シネマズ箕面にて。
 
“クイーン・オブ・ソウル”と呼ばれる女性シンガー、アレサ・フランクリンの伝記映画。
彼女の曲は学生時代によく聴いたのに、こんな生涯だったとは知らなかった。
 
テネシー州メンフィスに生まれ、ミシガン州デトロイトで育ったアレサ。
父親は有名な教会の牧師。優れたゴスペルシンガーの母親とは別居中。
アレサ姉妹は厳しい父親のもと、祖母の世話で暮らしている。
 
父親は自宅に人が集まるたびにアレサに歌わせたがり、
幼い頃から彼女は天才少女として注目される。
大好きだった母親が急逝した折にはしばらく口を利けなくなったものの歌い続け、
やがて父親の熱心な売り込みにより、レコードデビューを飾る。
 
何でもいいからとにかくヒットさせたい父親。
そこに疑問を持たず、言われるがままの選曲で歌っていたアレサだが、
あるとき、“ブルースの女王”と謳われていたダイナ・ワシントンから、
いったい何を歌いたいのかと問われる。答えられないアレサ。
 
その後も鳴かず飛ばずの日が続き、出会ったのはテッド・ホワイト。
悪い噂ばかりのテッドとの交際に父親は断固として反対するが、
アレサはテッドと結婚、彼がマネージャーを務めることになり……。
 
何が驚いたって、アレサがまだ生理が始まったかどうかぐらいの少女の頃、
自宅にやってきた客のうちのひとりからレイプされて妊娠したということ。
こんな事実があったとは知らなかったので、愕然としました。
彼女は何も悪くないのに、レイプされたのは自分のせいだと責め続けた様子。
娘を支配下に置いておきたかったのであろう父親の態度も残酷です。
 
勘当も覚悟して一緒になったテッドは、最初こそよかったけれど、とんだDV亭主
自身を制御することができなくて、アレサを殴る。
とっとと別れればいいのに、詫びられると元サヤに戻ってしまうんですね。
 
大変な人生を送ったアレサ。
酒に溺れたりもして、見ているのが辛いところもありましたが、
黒人バンドと組むと聞かされていたのに、行ってみれば白人バンド。
しかしバンドの面々は人種差別主義者などではありません。
良い音楽を作れるならば、人種なんてまったく関係ないと思っている。
アレサと彼らが奏でる音楽はサイコー。
 
『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』と併せて観るのがお薦めです。

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