夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『オーバーボード』

2020年05月23日 | 映画(あ行)
『オーバーボード』(原題:Overboard)
監督:ロブ・グリーンバーグ
出演:エウヘニオ・デルベス,アンナ・ファリス,エヴァ・ロンゴリア,メル・ロドリゲス,
   ハンナ・ノードバーグ,アリヴィア・アリン・リンド,ジョン・ハナー他
 
関西の劇場の休業は解除されましたが、
公開延期になっている作品が多すぎて上映スケジュールが組めないのか、
緊急事態宣言発令前に私が観た作品ばっかり。
もう1回観たいほど好きな作品がそうそうあるわけじゃなし、
しばらくは劇場通いと自宅で鑑賞の併用になりそうです。
 
2018年のアメリカ作品。
日本では未公開、DVD化もされていませんが、
Amazonプライムビデオで配信されています。タダで〜す。
 
ゴールディ・ホーンカート・ラッセルが共演した『潮風のいたずら』(1987)の
「リイマジネーション版」なのですって。なんすか、それ(笑)。
リブート版とかリイマジネーション版とか。リメイク版でよろしいやん。
なお、『潮風のいたずら』とは恥ずかしくなるような邦題ですが、
そちらも原題は本作と同じく“Overboard”でした。
 
ケイトは3人の娘を育てるシングルマザー
看護師の資格取得を目指して勉強しながら、仕事を掛け持ち。
友人夫婦の経営する飲食店の配達員と、派遣の清掃員
 
ある日、清掃を担当することになったのは超豪華なヨット。
所有者は世界で第3位の金持ち企業の長男レオナルド。
毎日何人もの女性を連れ込んではドンチャン騒ぎしているらしく、
その後片付けをするために呼ばれたのだ。
 
レオナルドの横柄で嫌みな態度にキレたケイトが言い返すと、
怒ったレオナルドは、ケイトを掃除用具もろともヨットから突き落とす。
給料をもらえなかったばかりか、掃除用具の弁償もしなければならない。
おまけに、まだ幼い下の娘ふたりの子守を頼むつもりだった母親は、
70歳を過ぎて舞台女優デビューするとはりきって出て行ってしまい、
もうケイトはどうしてよいかわからない。
 
そんな折、ふと目にしたニュース。
あのレオナルドがどういうわけか記憶喪失で入院しているという。
心当たりのある人は連絡をほしいという内容。
 
なんとしてでも先日の給料はもらわねば気が済まない。
そこでケイトの親友テレサが思いついた案は、
レオナルドの妻のふりをして病院に引き取りに行き、
ケイトが勉強に集中できるように彼を働かせるというもので……。
 
ウィキペディアを見て大笑いしてしまったのですが、
本作は批評家に酷評されているそうです。
「必ずしも名作とは言えない映画をリメイクしている。
オリジナルの低い水準にすら達しないリメイクを観客に提供した」と、
『潮風のいたずら』からして酷いことを言われていてワラける。
 
でもこれはとても楽しい作品です。
 
エウヘニオ・デルベス演じるレオナルドは、最初は本当にイケすかない奴。
アンナ・ファリス演じるケイトが病院へ引き取りに行ったあとも、
すべての記憶は失っていても、金持ちの習慣は体に染みついている。
なんとなく自分が貧乏だったわけはないと思っているんですね。
 
ケイトの家に連れて行かれて、「僕は貧乏だったのか」と愕然。
愕然とするのはどうかと思うほど、可愛いおうちですけどね(笑)。
仕事なんてしたこともないのに、いきなり肉体労働。
現場の男たちから「なんだ、その女みたいな(美しい)手は」と笑われる。
まったく使い物にならなかったけれど、次第に働くのも楽しくなります。
 
ケイトから料理もするように言われても、自分で鍋を火にかけたことすらない。
それでも、もともと良いものを食べているから、
一旦料理の仕方を覚えると、ケイトより美味しいものを作るようになる。
ケイトが使っていた市販のトマトソースが不味すぎるからと、
スパイスを加えて変身させ、子どもたちがその美味しさにびっくり。
 
外での仕事と家事は任せられても、子どものことだけは任せられない。
だって本当は夫でもなんでもない、他人だから。
そう思っていたケイトですが、子どもたちも懐くんですねぇ。
 
ちょっぴり泣いて、大いに笑いました。
スーパーハッピーエンド。
 
批評家の言うことなど気にせずに観てほしい。
きっと明るい気持ちになれます。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『フローズン・グラウンド』 | トップ | 『湿地』 »

映画(あ行)」カテゴリの最新記事