夜な夜なシネマ

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今年観た映画50音順〈な行〉

2021年12月29日 | 映画(な行)
《な》
『悩める失恋の処方箋』(原題:Resort to Love)
2021年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
クラブの歌手エリカは、婚約者ジェイソンに逃げられたうえに、
プロデビューする話まで立ち消えて傷心の日々を送っている。
そんなエリカを心配する親友アンバーがSNSで見つけてきたのは、
モーリシャスのリゾートホテルのレストランで歌う仕事。
気乗りせずに現地に向かったところ、イケメンのケイレブと知り合う。
ところが、ケイレブはなんとジェイソンの兄で、弟の結婚式がここであると言う。
ジェイソンと新しい婚約者ビバリーと鉢合わせしてしまうが、
何も知らないビバリーとその妹ジャネルは、エリカのことをジェイソンのただの友人だと信じている。
お互いにまだ未練があるというのに、エリカはふたりの結婚式で歌うことになって……。
エリカ役は本業が歌手のクリスティーナ・ミリアン。
たいして期待もせずに観はじめましたが、結構楽しかった。
ちなみにエリカとジェイソンは元サヤには戻りません。
軟弱なジェイソンよりケイレブのほうが断然いいでしょ(笑)。
モーリシャスは美しい。こんなところで一日中ごろごろできたらいいなぁ。
 
《に》
『ニルマル・プルジャ 不可能を可能にした登山家』(原題:14 Peaks: Nothing Is Impossible)
2021年のネパール作品。Netflixにて配信。
原題に“14 Peaks”とあるように、世界に8,000メートル級の山は14しかないそうです。
しかしその14座すべてを制覇した登山家はとても少ない。
初めて全制覇したのはイタリアの登山家ラインホルト・メスナーで、
1970年から1986年に16年間かけてこの偉業を達成しました。
常識的に考えれば、準備期間等も考慮すると1座のために2カ月は要るらしい。
メスナー以降の最短制覇記録は8年。
ところが2019年、ネパールの登山家ニルマル・ニムス・プルジャは、
7カ月で14座の制覇に挑戦すると宣言、それをやってのけたのですから凄い。
不可能だよと周囲から言われた彼が名づけたプロジェクト名は“Team Possible”。
時には二日酔いの状態で山に登るプルジャのことは無謀にも映りますが、
「無理だと思っていることのうち本当に無理なのは45%くらい」というプルジャの言葉は力強い。
そっか、無理じゃないほうが無理を超えているものなのかと、根拠はなくても思えました。
実際には7カ月かからず、6カ月と6日。この間に病床の母を見舞いにも行っています。
一時危篤と言われたお母さんは持ち直し、息子に「成功しまくれ」と声をかけていました。
ネパールでは末の息子が親の面倒を見るのが習わしだそうで、
それを守らずに登山家になったプルジャだから、お母さんのこの言葉は心に沁みたはず。
こんな凄いことをやってのけたのに、それほど話題にならなかったのはネパール人だから。
欧米の人間が成し遂げていたならばこの10倍は話題になっただろうとプルジャは話しています。
 
《ぬ》
『盗まれたカラヴァッジョ』(原題:Una Storia Senza Nome)
2018年のイタリア/フランス作品。
人気脚本家アレッサンドロはいつからか書けなくなり、
彼の秘書ヴァレリアがゴーストライターを務めている。
彼女が書いた脚本は次々とヒットを飛ばすが、このところネタ切れ。
アレッサンドロから早く書いてくれと急かされて困っていると、
未解決のカラヴァッジョの名画盗難事件について、
誰も知らない話を教えてやろうとラックと名乗る怪しげな男から言われ……。
監督は『ローマに消えた男』(2013)のロベルト・アンドー。
カラヴァッジョの“キリスト降誕”盗難は1969年に実際に起きた事件です。
面白そうだと思ったけれど、絵の行方そのものよりも、
絵が盗まれたことであたふたする国家の偉いさんの様子などが描かれていて、
もっと盗難の真相に迫る想像を聞きたかった私としては期待外れ。
 
《ね》
『NETFLIX 世界征服の野望』(原題:Netflix VS The World)
2019年のアメリカ作品。
1997年にレンタルDVDの会社として設立されたNetflix。
それが今や世界を牽引する配信会社に。
創業メンバーなどの関係者に取材し、成功の秘密を解き明かすドキュメンタリー。
アメリカに初めてレンタルビデオ店が開店したのは1977年とのこと。
レンタルビデオ、レンタルDVD、ネット配信の歴史がわかって面白い。
Netscape Navigatorなんて、ほぼ忘れかけていた名前が出てきて、
そうそう、最初はそうだったねぇと懐かしさを覚えます。
本作を配信ではなくTSUTATA DISCASでDVDレンタルして観ているのがなんだか可笑しい。
 
《の》
『ノンストップ』(英題:Okay Madam)
2020年の韓国作品。
揚げパン屋を営むミヨン(オム・ジョンファ)とその夫でパソコン修理工のソクファン(パク・ソンウン)。
ソクファンが2等の洗濯機を狙って買い続けていた栄養ドリンクで、1等のハワイ旅行に当選。
いくら航空券がタダでもそれ以上にお金がかかるから行かないというミヨンだったが、
一人娘のナリに泣かれ、家族3人でハワイへ行くことに決める。
ところがその飛行機には北朝鮮のテロリストが乗り合わせていた。
金を要求するものではなく、乗客の中に誰かを探しているらしく……。
実はミヨンは北朝鮮の元諜報員で、脱北して整形手術を受け、一般人として生活していました。
そして実は実はソクファンは韓国の国家情報院の元職員で、
ミヨンを監視すべく彼女に近づいたのに、本当に恋をして退職していました。
諜報員時代、モクレンと名乗っていたミヨンの顔はイ・ソンビン
それが整形したらオム・ジョンファの顔になるというのですから、可笑しい。
イ・ソンビンは冒頭の出演だけで終わりかと思いきや、
モクレンに瓜二つの人気アクション女優アン・セラという乗客として登場。華麗です。
テコンドーを習いたいのにバレエを習わされ、
バレエの衣装を着ていると同級生男子から「力士」とからかわれて憤るナリや、
エージェントになってみたい男性客室乗務員ヒョンミンなど、皆おもしろい。
ドタバタのアクションコメディ。めっちゃ楽しかった。

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