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『リンカーン/秘密の書』

2012年11月05日 | 映画(ら行)
『リンカーン/秘密の書』(原題:Abraham Lincoln: Vampire Hunter)
監督:ティムール・ベクマンベトフ
出演:ベンジャミン・ウォーカー,ドミニク・クーパー,アンソニー・マッキー,
   メアリー・エリザベス・ウィンステッド,ルーファス・シーウェル他

封切り日に3D字幕版を観ました。
吹替版という選択肢がない劇場ばかりなのはどうしてだろうと思ったら、
子ども向けのミステリーアドベンチャーを想像させる邦題に反して、
原題の“Abraham Lincoln: Vampire Hunter”のまんま、
PG12指定の首ちょん切れまくり、血みどろ作品でした。(^0^;

リンカーン大統領がヴァンパイアハンターだったって、
その無茶苦茶な設定からしてワラけるでしょ。
南北戦争の南軍がヴァンパイア軍団。んなこと言うてええんかいな。(^O^;

……って、これをアメリカ人がやると侮辱だと言われたでしょうけれども、
ティム・バートンはプロデューサーに名を連ねるのみで、
監督を任されたのは旧ソ連、カザフスタン出身のティムール・ベクマンベトフ。
歴史的にややこしい国の人が撮ると、悪ふざけにも思えなくて、
こんなヒーローの存在を望んでいたのかなという気もします。

貧しい開拓農民の家庭に生まれたエイブラハム・リンカーン。
農場主のジャック・バーツに盾突いたせいで、エイブラハムの父親は目を付けられる。
ある夜、リンカーン家に忍び込んだジャックが母親に触れると、
エイブラハムの目前で母親は激しく苦しみながら息を引き取る。

ジャックが何かしでかしたにちがいない。
やがて父親も亡くし、ひとり成長したエイブラハムは、
家族の敵を討つべく、ジャックを殺す機会を窺う。

ようやくその機会を得て、ジャックの脳天に銃弾をぶち込むが、
なんたることか、ジャックは死なない。
返り討ちに遭いそうになったところを、酒場で見かけたヘンリーに救われる。

ヘンリーによれば、ジャックはヴァンパイア。
ジャックなどまだ小粒なほうで、奴らを仕切るアダムという強者がいるらしい。
銃使いの不得手なエイブラハムは、ヘンリーのもと、
斧を武器にヴァンパイア退治のための猛特訓にいそしむ。

商店に住み込みで働きつつ法律の勉強も始めたエイブラハム。
夜間はヘンリーの指示でヴァンパイアを狩りに出かけるのだが……。

なかなか素敵なキャストです。
ヘンリーには『デビルズ・ダブル ある影武者の物語』(2011)のドミニク・クーパー。
エイブラハムと共に戦う幼なじみに『セレブの種』(2004)の絶倫男、アンソニー・マッキー。
アダムには彫りの深い顔がそれだけで不気味なルーファス・シーウェル。

わざわざ3Dにしなくてもいいやんという作品も多いなか、本作は見応えあり。
特に疾走する何千頭もの馬の間を縫うエイブラハムとジャックの格闘シーンは、
これだけでも3Dを観た価値があると思えました。
ただ、主演のベンジャミン・ウォーカーがタイプじゃないのです。(^^;
そこがイマイチのめり込めなかった理由。
老けメイクにも必ず冷めてしまう私、でも、リンカーンの妻メアリー役のメイクだけは、
最近見た老けメイクのなかではかなり自然でした。

奴隷解放の父と呼ばれるリンカーン。
彼が率いる北部の州と、奴隷制度廃止に反対する南部の州が戦ったのが南北戦争でした。
南軍はヴァンパイアと手を組んで負けたなんて、
こんなスゴイ企画はやっぱりアメリカ人監督ならばムリだったでしょう。
ま、どっちがどうだとは言わずに、あくまでアクション娯楽大作として。

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