『大名倒産』
監督:前田哲
出演:神木隆之介,杉咲花,松山ケンイチ,小日向文世,小手伸也,桜田通,
宮崎あおい,キムラ緑子,梶原善,勝村政信,石橋蓮司,高田延彦,藤間爽子,
カトウシンスケ,秋谷郁甫,ヒコロヒー,近藤良平,浅野忠信,佐藤浩市他
109シネマズ箕面にて。
浅田次郎の原作は、単行本をずいぶん前に姐さんから頂戴して積読のまま。
大好きな浅田次郎なのだからとっとと読めばいいのですが、上下巻だと怯んでしまって。(^^;
しかし本作を観たら、やっぱり先に読んでおけばよかったと思いました。
どんなアレンジをしているのでしょう、前田哲監督は。
越後の丹生山藩は塩引き鮭で有名。
作兵衛の塩引き鮭が日本一美味しいと信じ、自分も父親のようになるつもり。
ところがある日、作兵衛と小四郎は実の親子ではなく、
小四郎の本当の父親は丹生山藩の藩主・松平和泉守(佐藤浩市)であると知らされる。
松平はその昔、小四郎の母親・なつ(宮崎あおい)を見初めて子をもうけたが、
すでに3人の息子がいた松平はなつを作兵衛に嫁がせ、間垣夫婦の子として小四郎は育てられたのだと。
松平の長男は馬から落ちて死亡、次男の新次郎(松山ケンイチ)はうつけ、
三男の喜三郎(桜田通)は病弱で、跡継ぎにはできぬ。そこでふと松平が思い出したのは、小四郎のこと。
何が何だかわからぬまま作兵衛のもとから追いやられ、いきなり丹生山藩の十三代目藩主となった小四郎。
しかし実は丹生山藩は借金まみれで、どうすればよいものかと悩む小四郎に、
隠居して趣味に生きる一狐斎を名乗りはじめた先代・和泉守は、「大名倒産」をすれば大丈夫だと言う。
納得が行かないまま、先代つまり実父の言うとおりにしようと考える。
が、先代の言うとおりにすれば、確かに金持ちは金持ちのままでいられるだろう。
すべての民を助けたい小四郎は、幼なじみで商売上手のさよ(杉咲花)、
コメディ色しかない時代劇。
原作がこのとおりだったとは想像できず、かなり改変されているのでしょうね。
浅田次郎なら、ツッコミどころがある話を書くはずもないと思うから。
先に原作を読んでおけばよかったと書きましたが、
もしかするとその場合はこんなに楽しめなかったかもしれません。
そもそも前田監督の非コメディ作品は鼻について苦手なんです。
特に『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(2018)は申し訳ないけど大嫌いでした。
だから、これぐらいコメディに振り切れているほうが私は好きです。
これだけヒット作ばかり撮っていれば、人脈も相当あるのでしょう。
キャストは錚々たる顔ぶれですし、結構笑えます。
馬から落ちて死ぬ和泉守の長男役には顔が見えるか見えないほどのカメオ出演で柄本時生。
深く考えずに笑いたい人にはオススメです。しんみりともできますし。
ただ、うつけの次男はあんなに鼻たれんでええと思う。見た目が汚すぎる。(^^;