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『宇宙人のあいつ』

2023年05月27日 | 映画(あ行)
『宇宙人のあいつ』
監督:飯塚健
出演:中村倫也,伊藤沙莉,日村勇紀,柄本時生,関めぐみ,千野珠琴,細田善彦,平田貴之,山中聡他
声の出演:井上和香,設楽統,山里亮太他
 
前述の『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』を観たあと、45分空いたのでスタバへ。
アイスコーヒーを飲んでからふたたび4階に戻ってイオンシネマ茨木へ。
 
監督は井上和香の旦那様、飯塚健。と思ったら、奥さんきっちり声優で出てますやん。
この監督は脚本も自分でお書きになっていることが多い。
昨年観た『野球部に花束を』(2022)は私のどストライクでめちゃめちゃ面白かった。
自分の脚本ではなくて監督に徹した『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』(2020)などよりも、
『FUNNY BUNNY』(2021)のような小品ながら遊び心もある作品のほうが私は好きかも。
 
真田家は4人きょうだい。
長男・夢二(日村勇紀)、次男・日出男(中村倫也)、長女・想乃(伊藤沙莉)、三男・詩文(柄本時生)。
亡くなった両親から継いだ人気焼肉店を切り盛りする夢二を日出男が手伝い、
想乃と詩文はそれぞれ別に仕事をしているが、4人仲良くごはんを食べるのが日課。
 
そんなある日、日出男から重大発表があると言う。
実は日出男は23年前に土星からやってきた宇宙人で、夢二ももともとそのことを知っている。
地球の23年が土星の1年に当たり、日出男にとってはたった1年の留学のようなもので、
想乃と詩文が生まれながらに日出男ときょうだいだという記憶は作られたもの。
あと1カ月でその期間が終わり、土星に帰らなければならないのだと言い……。
 
と、まぁ簡単に言うとそれだけのことになりますが、この1カ月にいろんなことがある。
日出男自身に何かがあるわけではなく、家族のみんなに。
 
モテない想乃は男運もなくて、ろくでなしのひとでなしとつきあっています。
その相手との子どもを身ごもったというのに、それを言えない。
彼女の同僚でシングルマザーの中野あかり(関めぐみ)の娘・ゆめ(千野珠琴)がやけに勘のいい子で、
想乃が妊娠していることを言い当てたばかりか、その苦しみまで理解しているかのよう。
 
詩文は勤務先のガソリンスタンドに中学時代の同級生・宍戸博文(細田善彦)が訪れて大変なことに。
ブラックカードを持って高級車に乗っている彼は詩文より遙かにイケメンだけど、
当時詩文が彼に付けたあだ名のせいで暗黒時代を送ったことを根に持っています。
ガソスタに大量のゴミを持ち込んだり、焼肉店に貸切予約を入れてドタキャンしたり。
 
家族として地球で素晴らしい時間を過ごしてきた日出男は、なんとか力になりたいと思う。
けれど日出男ひとりでどうにかするわけではなく、ちゃんと「真田サミット」を開いて、
きょうだいで討議するのがいいところ。
 
正直言って、序盤はスベリ気味だと思いました。
でも、焼肉店の常連で夢二の親友役の山中聡がよかったりなんかもして、
徐々に本作のペースに乗せられて行きます。
 
『月の満ち欠け』(2022)を思わせるようなエンディングではありますが、こっちのほうが断然いいな。

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