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2023年10月に読んだ本まとめ

2023年11月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2023年10月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1954ページ
ナイス数:495ナイス

■ルポ西成~七十八日間ドヤ街生活~
今春から毎月1回必ず動物園前に出かける機会があり、あの辺りに関心が向いています。とはいうものの、それは今に始まったことではなく、これまでもさまざまな映画を観ています。特に印象に残っているのは、本作同様に取材のために西成に移り住んだ映画監督による『解放区』でした。ノンフィクションのようなフィクションで、でもモキュメンタリーとは少し違う不思議な作品でしたが、これが西成なのだと放心した記憶があります。本作を読むとそのときのことを思い出す。今は外国人観光客でにぎわう新世界だけど、新世界国際劇場には絶対入れません。
読了日:10月01日 著者:國友 公司

■ほねがらみ (幻冬舎文庫 ろ 1-1)
先日『近畿地方のある場所について』を読んだばかりです。ホラーは苦手なのにどうしてこんな本ばかり手に取ってしまうのか(笑)。私は『近畿地方の~』のほうが怖かったですが、こちらのほうが断然好み。そもそも「はじめに」で挙げられた作家みんな好き。特に三津田信三に惹かれているとのことだから、私にとってハズレになるはずもなく。その昔、映画『シャイニング』を観て以来、確信していることがあります。視覚的に最も怖いのは同じ文字あるいは文章の羅列。そして澤村伊智の著作のタイトルにもあるような、異様な響きを持つ意味不明の言葉。
読了日:10月05日 著者:芦花公園

■ロックンロール・トーキョー (小学館文庫 き 14-2)
いつ読んでもそんなに文章が上手いと思えない。でもさっさか読めちゃうし、なんか楽しいのよねぇ、しかも不覚にも泣いてしまうこともあるし。そう思っていました。わかりやすさを狙っていたのだということ、バランスを大事にしているのだということを知り、ますます半太ファンになってしまった。実際の映画や俳優を思い浮かべながら、彼の人生そのまんまの物語を読むのは最高。『リトル・ミス・サンシャイン』など、タイトルが挙がる映画も私のツボ。ようやく自分で監督することが叶った『ロックンロール・ストリップ』、めっちゃ好きだよ半太さん。
読了日:10月10日 著者:木下 半太

■三日間の幸福 (メディアワークス文庫)
金に困って自分の寿命を売ることにした主人公。そもそも寿命はそんなに長くないことがわかって、それでも30年売れば何億円かせめて何千万円にはなるかと思っていたのに、30万円って。そりゃ凹む。余命が1年を切るころに自暴自棄になる人が多いという話に、私のが癌で余命宣告されたときのことを思い、自暴自棄どころか達観していたよと改めて思う。「阪神勝ったねとか、大谷打ったねとか、そんなことを喜びながら過ごして行けたらいい」と言っていたこと。あと3日、元気じゃないと幸せに過ごすことは難しいけれど、そんなふうに過ごせたら。
読了日:10月15日 著者:三秋 縋

■紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
凄惨な現場に転がる指3本。そして肝心の死体はない。どういうことだよと想像力をかき立てられるなか、毎度赤堀先生に振り回される岩楯刑事の姿が気の毒ながら面白い。今回の相棒ワニさんにはいつも赤堀先生への敬意が感じられるから好き。しかしイケメンではなさそうなのは残念(笑)。新たに設けられた捜査分析支援センターの面々も個性豊か。ムカデに咬まれたことはあるけれど、やけど虫は知りません。絶対にお目にかかりたくない。赤堀先生の過去が少し見えてきて、次巻への期待が高まります。ただの虫好きじゃないんだとしみじみ思ったこの巻。
読了日:10月20日 著者:川瀬 七緒

■迷塚 警視庁異能処理班ミカヅチ (講談社タイガ)
よろず建物因縁帳藤堂比奈子けっぺーちゃんと、次々シリーズにハマってはロスに陥るというパターンを繰り返してきました。隙間をしのいだフロイトもまぁまぁだったけど、イマイチだと思った微生物研究室は1冊で飛び、同様に最初はイマイチに思えた憑依作家は今はそれなり。そして現時点で大本命となり得るのは鳴瀬清花かこのミカヅチシリーズ。掴みの女性描写は夏に震えて読みたかったほどでしたが、以降は事件そのものよりも各者の背景が綴られて、三婆ズの出会いにも驚かされました。よろず建物の小林教授の登場が嬉しすぎる。もっと絡んで。
読了日:10月28日 著者:内藤 了

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