夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『シェイプ・オブ・ウォーター』

2018年03月09日 | 映画(さ行)
『シェイプ・オブ・ウォーター』(原題:The Shape of Water)
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス,マイケル・シャノン,リチャード・ジェンキンス,
   オクタヴィア・スペンサー,ダグ・ジョーンズ他

TOHOシネマズなんばで3本ハシゴの2本目。

昔からスペイン語圏やポルトガル語圏の作品に強く惹かれます。
だから、メキシコ出身のギレルモ・デル・トロ監督も大好き。
R15+指定なのはなんでかなと思ったら、うん、確かにR指定は必要(笑)。

米ソ冷戦下にある1962年のアメリカ。
耳はきこえるが口はきけないイライザは、映画館の上階でひとり暮らし。
隣室の住人でゲイの熟年男性ジャイルズと良い友人づきあい。
政府の極秘研究機関に清掃員として勤め、
同僚で面倒見のいいゼルダがなにかと気にかけてくれる。

ある日、研究所にアマゾンの奥地で捕まえられた不思議な生きものが搬入される。
その生きものは、現地では原住民から神と崇められていたらしい。
イライザは「彼」に心を奪われ、こっそりと会いに行くように。
獰猛だとされる「彼」のほうもイライザには心を開いている様子。

「彼」の研究を進める博士ホフステトラーは、イライザと「彼」の密会シーンを目撃。
「彼」が高等な知能を持つ生きもので、人の言葉や感情を理解し得ると確信。
研究を主導する軍人ストリックランドに「彼」の保護を進言するが、
冷血なストリックランドはそれを無視して生体解剖を上司に提案。

生体解剖の日が迫り、イライザは「彼」を逃がすことを決断。
ジャイルズに協力を求めるのだが……。

冒頭からイライザ役のサリー・ホーキンスが脱ぐ脱ぐ。
“パディントン”のブラウン家のお母さんなのに(笑)。
口はきけなくても普通の女性、食欲も性欲もある。
最初のシーンからすでにR15+だな、こりゃ。
子ども連れで観に行って、「あれ何してるの?」なんて聞かれたら困るやろ。(^^;

ストリックランド役のマイケル・シャノンは大抵が変人や悪人。
あまりに嫌な役が多いため、『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』(2015)を観たときは、
こいつ絶対裏切るはずだと思っていたのに、最後まで善人で拍子抜けしたりも。
とても面白い役者さんです。お尻は見たくなかったけれど。(^^;

ジャイルズ役のリチャード・ジェンキンスが作品に温もりを与えています。
飼い猫を食われようとも本能だから仕方がないと責めず、
自分が何歳に見えるかにがっかりしたり増毛に喜んだりする姿などが可笑しい。
ゼルダ役のオクタヴィア・スペンサーも体型そのまま(笑)、
いつも大きな愛情が感じさせてくれる人。

グロと紙一重の美しいダークファンタジー。英語作品でも切なさは健在。
この余韻がいいなぁ。やっぱり好きです、この監督。

余談ですが、エンドロールで謝辞をおくられていた面々も面白かった。
アレハンドロ・G・イニャリトゥとか、コーエン兄弟とか、
アルフォンソ・キュアロンとか、ジョー・ライトとか。

今週発表された第90回アカデミー賞で作品賞監督賞を両方獲得しちゃいましたね。
観客動員数にその影響は出るのかな。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『15時17分、パリ行き』 | トップ | 『ブラックパンサー』 »

映画(さ行)」カテゴリの最新記事