夜な夜なシネマ

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『湿地』

2020年05月24日 | 映画(さ行)
『湿地』(原題:Myrin)
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:イングヴァール・E・シーグルソン,オーグスタ・エヴァ・アーレンドスドーティル,
   ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン,アトゥリ・ラフン・シーグルスソン他
 
劇場の営業が再開されて嬉し涙ではあるのですが、
まだあるんです、劇場休業中に書き溜めた「Amazonプライムビデオで観られる映画」
せっかく書いたのにもったいないからUPしてしまおう。
 
2006年のアイスランド/デンマーク/ドイツ作品。
アイスランド出身のバルタザール・コルマウクル監督、やけに気になる人です。
アイスランド映画といえば変な映画という私のイメージを変えた人。
2006年にこんな作品を撮っていたのですねぇ。
初監督作だけあって、洗練された感じはありませんが、
このどんより暗くて重たい感じが私はやはり好みです。
 
先にひとこと言っておきたい。アイスランド人のこの名前の長さって何!?
ハリウッドへ進出する場合はみんな芸名を考えてくださいね。
絶対おぼえられんから。(^^;
 
原作は2013年の『このミス』で海外編のランキング第4位だったそうな。
映画化はそれより前だったわけで、日本未公開も当然。
2015年1月に“トーキョーノーザンライツフェスティバル 2015”にて上映されたとのこと。
 
ある日、身寄りのない独身男ホルベルクが殴殺されているのが見つかる。
刑事のエーレンデュルは、引き出しの裏側に隠し貼り付けられていた写真に注目。
それはウイドルという女性の名前が刻まれた墓碑の写真だった。
 
ウイドルの母親は故人のコルブルンという女性だが、
エーレンデュルはコルブルンの姉エリンが生存することを突き止め、訪ねる。
ところがエリンはホルベルクの名を聞くと激怒、警察を毛嫌いしている様子。
なぜそこまで警察を信用しないのかは地元警察の刑事ルーナルに聞けと言う。
 
すでに退職していたルーナルに事情を聴きに行ったエーレンデュル。
かつてホルベルクがコルブルンを強姦、しかしルーナルは事件にはせず、
逆にコルブルンを売春婦だと言いふらして貶めようとしたらしい。
 
ウイドルの父親こそがホルベルクではないのか。
そう考えたエーレンデュルは、ウイドルの墓を掘り起こして調べようとするが、
埋められていたウイドルの遺体には脳が欠けていて……。
 
とても悲しい物語です。
この殺人事件と並行して描かれるのは、幼い娘コーラを亡くした研究者オルンのこと。
神経線維腫症という難病で死んでしまったコーラ。
この病は遺伝性で、保因していても発症しないことが多々あるそうです。
保因していることを知らずに性行為をした結果、妊娠したらどうなるのか。
 
エーレンデュルが捜査する殺人事件と、
オルンの娘が亡くなった事件がどう結びつくのか。深い深い悲しみと無念。
 
話も時系列もプツプツと飛ぶので、わかりにくいことこのうえない。
この辺りがまだ監督若かったんだなぁと思わずにはいられません。
でも、将来面白い作品を撮りそうだと感じられることは確か。
 
もうひとつ、それはアイスランド人の名前に馴染みのないこちらの問題ですが、
登場人物の名前がややこしすぎる。主人公がエーレンデュル。
娘の名前はエヴァだからいいとして(奥さんかと思うほど見た目老けすぎ)、
同僚の名前はシグルデュルとエリンボルク。
悪党の名前がエットリデって、「エ」で始まる名前多すぎ。
おぼえられへんっちゅうねん。なんでこうして書けるかって?
そりゃ全部メモしたからに決まってる。劇場で観ていたらこうは行きませんでしたね(笑)。
 
めちゃくちゃ暗いから、人にはお薦めしません。
でもアイスランドのこの感じ、私はハマる。

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