夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『凪待ち』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の14本目@伊丹)

2019年07月10日 | 映画(な行)
『凪待ち』
監督:白石和彌
出演:香取慎吾,垣松祐里,西田尚美,吉澤健,音尾琢真,リリー・フランキー他
 
『きみと、波にのれたら』を観たあと、私にしては珍しく40分の空き。
前日お酒をしこたま飲んだせいで、朝は食欲がなくて牛乳とコーヒーを飲んだだけ。
そろそろお腹も空いてきて、『きみと、波にのれたら』を観たからオムライスが食べたい。
しかしイオンモール伊丹の飲食店はどこもかしこも行列ができている。
オムライスもパスタもお好み焼きもあきらめて、スタバのキッシュで手を打ちました。
 
さて、お腹が鳴らなくなったところで本作へ。
たぶん今いちばん気になっているのが白石和彌監督です。
『麻雀放浪記2020』も観に行きたかったのに、
ピエール瀧がドラッグで捕まったために、わりと密やかな上映でした。。
ほとんど宣伝できないまま終映した印象。
本作は誰も捕まった人が出ていないから安心。(^^;
 
金を持てば全部競輪につぎ込んでしまう木野本郁男(香取慎吾)。
つきあい始めて6年、一緒に暮らし始めて5年になる昆野亜弓(西田尚美)は、
自分のへそくりからこっそり郁男が金を抜いていることを知りながらも
そこそこに怒るだけで、ギャンブル依存症の郁男と別れようとしない。
 
郁男と亜弓、亜弓の娘・美波(恒松祐里)は川崎で暮らしていたが、
石巻に住む亜弓の父親・勝美(吉澤健)が末期癌であることがわかり、
ギャンブルを止めることを前提に3人で実家に戻ると決める。
 
二度とギャンブルには手を出さないつもりで亜弓の実家に身を寄せた郁男だったが、
新しい職場の社員に連れられて行った先はノミ屋。
亜弓に隠れてまたしてもギャンブルを始めた郁男は……。
 
暗いです。ヘヴィーです。その主役が元SMAPだなんて。
 
美波は母親には反抗的な態度ばかり取るのに、郁男には気を許している。
わが子ではないから、郁男が無責任でいられるようにも見えますが、
がんじがらめの母親よりも寛容な郁男になつくのは当然。
しかし母親を困らせてやろうと考えた美波がちょっと夜遊びに走ったせいで、
探しに出た郁男と亜弓は大喧嘩。結果、取り返しのつかないことが起こります。
 
リリー・フランキー演じるやたら面倒見のいいオッサン・小野寺が、
実は犯人なのではないかと最初からぷんぷんにおうから、
彼と郁男のいくら感動的な場面にも感動できないのは玉に瑕(!?)。
 
暴力団の組長に麿赤兒、亜弓の元夫に音尾琢真、この辺り、皆いい。
そのなかでも亜弓の父親役の吉澤健が素晴らしい。泣かされます。
こういうのを見ると、血って何なのかと思う。
血よりも濃い他人の絆だって築くことができる。
 
暗いけど、光がある。だから好き。

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