夜な夜なシネマ

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『透明人間』

2020年07月18日 | 映画(た行)
『透明人間』(原題:The Invisible Man)
監督:リー・ワネル
出演:エリザベス・モス,オルディス・ホッジ,ストーム・リード,ハリエット・ダイアー,
   マイケル・ドーマン,オリヴァー・ジャクソン=コーエン他
 
こんな感じでホラー作品を観るときは、たいていはお酒飲んでから観るのですけれど、
この日は仕事帰りに車でTOHOシネマズ伊丹に寄り、飲酒するわけにもいかず。
ものすごくシラフです。あ~、怖かった。でもめっちゃ面白かった。
 
監督は“ソウ”シリーズの脚本家リー・ワネル
『透明人間』(1933)のリブート作品なのだそうです。
 
オープニングロールからおどろおどろしげで楽しい。
断崖絶壁の上に建つ洒落た豪邸。
大雨の夜、波しぶきで描かれるタイトルクレジット。いいねぇ。
 
まだ若手ながら光学研究の第一人者で、天才科学者の呼び声高いエイドリアン。
その恋人セシリアは、度を越したエイドリアンの束縛から逃れるため、
ある晩、彼の寝入った隙に妹のエミリーに迎えを頼み、豪邸から脱出する。
 
どこまでも追いかけてきそうなエイドリアンを恐れながら、
知人で警察官のジェームズ父娘の家に身を寄せるセシリアだったが、
2週間後、エイドリアンが亡くなったとの報せを受ける。
 
エイドリアンの兄で弁護士のトムによれば、エイドリアンは手首を切って自殺。
5億円にのぼる財産をセシリアに遺したとのこと。
世話になっているジェームズの娘シドニーの学費を工面できるとセシリアは喜ぶ。
 
しかしその一方で、エイドリアンが自殺などするわけがないと訝るセシリア。
彼の気配をそばに感じ、危険にもさらされた彼女は、
今は誰も住んでいないはずのエイドリアンの豪邸を訪れ、
彼が透明人間になる研究を成功させたことに気づくのだが……。
 
自殺したはずのDVモラハラ男が生きていて、
透明人間になって自分に復讐しようとしていると言われたって、
誰も信じてくれるわけもなく。
その誰も信じてくれない間がめちゃめちゃ怖い。
セシリアは明らかにアタマおかしい人と思われ、
また、周囲からそう思われるようにエイドリアンが仕掛けます。
 
セシリアの目の前にいる人が殴られたり、
殴られるだけならまだしも、いきなり首を掻き切られて死んでしまう。
その場にはセシリアしかいないんだから、
彼女は精神異常の殺人犯と思われ、精神病棟送りに。
 
彼女の言うことをみんなが信じるようになってからはちょっぴり安心。
でも透明人間を退治することはできなくてまたまた恐怖。
 
1933年のオリジナル版は未見なので、比べてどうだかはわかりません。
でも古くささは微塵もなく、スタイリッシュ。非常に面白いホラーです。
 
セシリア役のエリザベス・モス、凄い。
透明人間相手の演技って、大変だったでしょう。
ひとりで暴れなあかんし(笑)。
 
数年前までの私のように、ホラー苦手だと思っている人もチャレンジしてみませんか。

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