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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

2021年2月に読んだ本まとめ

2021年03月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2021年2月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3407ページ
ナイス数:748ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly

■ロックンロール・ストリップ (小学館文庫)
わぁ、映画化されてるやん、原作おもしろかったから観に行こっ!とはりきって出かけたのに、ん?なんか知ってる話とちゃう。よくよく考えたら『ビデオショップ・カリフォルニア』と間違えていて、これはまだ積読の山の中にありました。しょうもな!と思いながらついつい読んでしまう木下半太。なんだかんだで私はこの人の作品が大好きなんやと思う。こんな人生を送ってきた人の話がつまらんわけがない。映画版の上映館は少ないですけれども、この本をオモロイと思った人は確実に楽しめます。観てほしい。ますます半太を好きになるんじゃないかと。
読了日:02月01日 著者:木下 半太
https://bookmeter.com/books/12978388

■私の頭が正常であったなら (角川文庫)
グロい描写も多いのに下品じゃない。品があって魅入られる。乙一の作品を読むと一貫して感じること。いつのまにか憑いた幽霊、首がないのに生き続ける鶏。最初から気味の悪い話の連続なのに、心を捉えられます。そして最後の最後にグッと来る一文が待ち受けている話もいくつか。そのたびに乙一すげぇと思うのでした。「私の頭が正常であったなら」に続くのは「良かったのに」だと思いませんか。残念ながら「不幸なこと」に続くのですけれど、でもやっぱり正常でよかった。幼くして亡くなった命に想いを馳せる。人はこんなふうに生きてゆくんだなぁ。
読了日:02月03日 著者:山白 朝子
https://bookmeter.com/books/17181088

■おもかげ (講談社文庫)
主人公は地下鉄で倒れて危篤状態にある男性ですが、私の心に痛烈に響いたのは、意識のない彼を見舞う友人の言葉。「旧友との一夜を作れないほど忙しかったはずはない」。本当に忙しい人は忙しいとは言わないと私は思っています。本当に忙しい人って、言わなくても見ていればわかるものだから。忙しい忙しいと言って回る人ほど、電話1本メール1通を面倒くさがり、そんなにヒマじゃないと言う。その知人友人身内がこの世からいなくなってしまう前に、もう一度言葉を交わさなくても、会わなくても悔いはないか。そんなことを改めて考えた1冊でした。
読了日:02月08日 著者:浅田 次郎
https://bookmeter.com/books/16732276

■藁にもすがる獣たち (講談社文庫)
劇場で韓国映画のポスターが貼られているのが気になり、近づいてよく見たら、えっ、これ原作は日本の小説なの!?と驚く。曽根さん、知ってる知ってる、『鼻』は読んだ。こんなのも書く人なんだとものすごく気になって即注文。最近読んだ本の中ではいちばん「ひそかにヤラレタ感」が強いです(笑)。ぐるっと回ってそういうことでしたか。しかしホント、金は天下の回りもの。そしてそう上手くは回ってきてくれない。いちばんクズの脇役、DV男が殺されてスッキリしたけど、その後がえげつない。来週公開の映画が楽しみです。結構グロくなりそうな。
読了日:02月13日 著者:曽根 圭介
https://bookmeter.com/books/6995919

■猫がいなけりゃ息もできない (集英社文庫)
今から自分が書こうとしていることをわりと最近そっくりそのまま書いた気がすると思ったら、角田光代さんの『平凡』を読んだときのことでした。十数年飼っていた猫が亡くなったときを思い出します。「あと1週間の命です」と病院で言われた帰り道、ケージを抱えて母とわんわん泣きました。もうどこにも力が残っていないはずだった死ぬ前日、よろよろと見納めのように庭をぐるり一周していたわが家の猫。翌朝、どうやってたどり着いたのか、両親の枕元で息を引き取っていて、今度は家族で号泣。猫が人になつかないなんて絶対ウソ。やっぱり猫が好き。
読了日:02月15日 著者:村山 由佳
https://bookmeter.com/books/17248524

■ぜんしゅの跫 (角川ホラー文庫)
おそらく比嘉姉妹シリーズ未読でもそこそこ以上に楽しめそうな短編5つ。いつの時代も少なからず存在する恐怖の都市伝説。実在はしないとわかっているから、怖がりつつも笑えるけれど、本作のようにどれも存在したらそりゃもう怖い。4編目なんて、凄く怖いけど最後はハッピーエンド、だと思ったら最後の最後にゾワ〜っ。もうやめて!と苦笑い。比嘉姉妹と野崎が出ずっぱりの表題作だけは、おぞましいものを見せられながらも姉妹の描写に和んでホッ。この話で〆てくれた澤村さんに感謝します。シリーズ未読の人はここから遡るのも楽しいかもですね。
読了日:02月18日 著者:澤村伊智
https://bookmeter.com/books/17244817

■弁当屋さんのおもてなし しあわせ宅配篇 (角川文庫)
シリーズもののようだけど、なんとなく1冊ずつ独立している雰囲気だったので、表紙のおむすびに惹かれて最新刊を読んでみることに。ごはんに癒される話というのは良いものですね。訳あって会社を辞めた女性が勤め始めたお弁当屋さん。どんなに嫌みな客に当たろうとも、客の要望に添おうとする姿勢を見習いたい。舞台となるお弁当屋さんがいつも同じでヒロインが変わるというわけでもないのでしょうか。こりゃシリーズ最初から読んでみなければ。あ、卵焼きを作るときの描写だけは「うっ」と声が出ました。だって私は関西人。砂糖は入れないもんで。
読了日:02月21日 著者:喜多 みどり
https://bookmeter.com/books/16231669

■ネスト・ハンター 憑依作家 雨宮縁 (祥伝社文庫)
2作目までずいぶん待たされたから、憑依作家の性別すら覚えてないんですけど。と思ったら、男か女かすらわからんのが雨宮先生でしたね(笑)。しかも1作目の発刊からまだ1年も経っていないことに気づき、自分の記憶力のなさに凹む。無理心中を装った殺人事件の真相解明に挑む編集者の真壁と雨宮先生。憑依中の様子は、勝手に西尾維新の著作のイラスト風を想像している私です。グロいけど、雨宮先生と秘書の庵堂に振り回されっぱなしの真壁、癒しの天然カメラマン蒲田が可笑しくて楽しい。読み終わってから表紙をマジマジと見つめたら、超不気味。
読了日:02月23日 著者:内藤了
https://bookmeter.com/books/17514798

■藁にもすがる獣たち (講談社文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】ネタバレせずに映画にできるものだろうかと訝っていましたがお見事。その瞬間が到来するまで、時系列通りでないとはわかりません。DVを受ける女と彼女を雇う女社長役はルックス的に女優が逆のほうがよかったかも。好みの問題ですかね。大金なんて手に入れないほうが幸せだと思わせておいてこのオチ。でもあなたはそれを貰っても許される人だと思う。とても面白い映画版。グジュグジュは出てこないからご安心ください。でも原作を読んだ人はナイフを手にしたあの人を見て確実に想像してしまうでしょう。
読了日:02月23日 著者:曽根 圭介
https://bookmeter.com/books/6995919

■前略、旅の途中です。 (双葉文庫)
建設現場の近くを通るとき、そこで働く人を見かけると、なぜかそれだけで泣きそうになることがあります。本作はその理由を教えてくれたような気がします。三羽さんのデビュー作であり、私が彼にハマったきっかけでもある『太陽がイッパイいっぱい』と同じような現場から始まり、前章までの登場人物がカメオ的に出演する連作短編集。気になっていた人のその後がちらりと見え隠れ。皆に薦めたくなるほどのインパクトはないけれど、心に焼きつけたい台詞がいっぱいある。「ちゃんと間違って、ちゃんと狂って、ちゃんと失敗しろ、馬鹿野郎」。その通り。
読了日:02月25日 著者:三羽 省吾
https://bookmeter.com/books/15015123

■逃亡刑事 (PHP文芸文庫)
アマゾネスの異名を取る身長180cmの女なんて、私の頭には『ワンダーウーマン』のガル・ガドットしか思い浮かびません。でもワンダーウーマンはちゃんとお化粧しているしなぁ。冴子は化粧っ気もなければ女を感じさせるところまったくなし。でも美人なんですと。児童養護施設から脱走する途中に偶然殺人現場を目撃してしまった少年を守る彼女がいかつすぎる。まだそれほど好きな刑事とはいえないけれど、たぶんそのうち魅入られる。あいりん地区の結束力も頼もしい。ここにまたひとり、いずれ中山作品の主役を張りそうな少年が生まれましたねぇ。
読了日:02月28日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/15591048

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