夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈ま行〉

2019年12月30日 | 映画(ま行)
《ま》
『マダムのおかしな晩餐会』(原題:Madame)
2016年のフランス作品。
アメリカからパリの豪邸に移り住んだ夫婦ボブとアン。
セレブな友人たちを招いてホームパーティーを開くはずが、
ボブが前妻との息子スティーヴンを勝手に呼んだものだから、
出席者の数が当初の予定12名から13名に。
不吉な数字を嫌うアンは、急遽スペイン人のメイド、マリアを客に仕立て上げる。
喋りすぎるな、笑いすぎるな、食べすぎるなと言われたマリアだったが、
隣席に座った英国紳士デイヴィッドはすっかりマリアの虜になり……。
邦題から終始晩餐会のブラックコメディを予想していたら、むしろ晩餐会後の話。
主人公のはずのトニ・コレットを完全に喰ったのがマリア役のロッシ・デ・パルマ。
今年DVDで観た作品の中でいちばんだったかも。劇場で観たかった。
人は皆、ハッピーエンドが好き。
 
《み》
『未来を乗り換えた男』(原題:Transit)
2018年のドイツ/フランス作品。
原作は1942年に執筆された『トランジット』。
著者のアンナ・ゼーガースはナチスドイツの迫害から逃れてメキシコに亡命した作家。
祖国ドイツを追われた青年ゲオルクはパリへ。
しかしパリにもドイツ軍が近づき、なんとか港町マルセイユにたどり着く。
パリのホテルで自殺した作家ヴァイデルのトランクを預かっていたゲオルクは、
遺品の中にあった書類を利用して彼になりすまし、船でメキシコへ亡命する計画を立てる。
そんな折、懸命に夫を探す美しい女性マリーと出会い、心奪われる。
しかし、彼女の夫こそ亡くなったヴァイデルだと知り……。
言い方を変えれば男を乗り換えた女の話(笑)。
捨てるのと捨てられるのはどちらが良いか。
捨てるほうは空しいだけ、捨てられるほうはそれをネタにして歌も作れる。
 
《む》
『無双の鉄拳』(英題:Unstoppable)
2018年の韓国作品。
騙されやすいドンチョルは、儲け話に乗って金を失ったこと多数。
美しく優しく厳しい妻ジスのため、借金を返しながら真面目に働いていたのに、
キングクラブ(=タラバガニ)に出資する話にまたしても乗せられてしまう。
それを知ったジスは怒って先に帰るが、何者かに誘拐される。
犯人は美人を狙っては誘拐して海外の顧客に売り飛ばす犯罪組織。
かつては裏社会で「雄牛」と呼ばれるほどの荒くれ者ながら、
ジスと出会ってから拳を封印していたドンチョルの鉄拳が復活。
当てにならない警察に頼るのはやめて、自らアジトに乗り込むのだが……。
名前を聞くだけでニヤッとしてしまうマ・ドンソク
巨漢で腕っぷしが良くて善人、そんなイメージは本作でも同じ。
ドンチョルと行動を共にする相棒役のパク・ジファン
探偵役のキム・ミンジェがすっとぼけていて笑えます。
やっぱりマ・ドンソク出演作は楽しい。強くて安心。
 
《め》
『めんたいぴりり』
2018年の日本作品。
2013年にテレビ西日本開局55周年を記念して制作された同名TVドラマの劇場版。
江口カン監督、博多華丸、富田靖子というキャスト共にTVドラマ版と同じ。
昭和30年代の福岡、中洲の小さな食料品店“ふくのや”。
社長の海野俊之(博多華丸)は明太子づくりに汗を流しているが、
根っからの善人で、困った人を見ると放っておけずにすぐに家に連れてくる。
おかげで家はいつも貧乏、妻の千代子(富田靖子)は困り顔。
それでも家族や従業員が暮らす海野家は笑顔でいっぱい。
明太子の味を盗もうとする者にも優しい俊之には泣けてくる。
「かけた恩は水に流せ。受けた恩は石に刻め」。刻石流水、私も胸に刻みます。
 
《も》
『目撃者』(英題:The Witness)
2018年の韓国作品。“未体験ゾーンの映画たち 2019”にて上映。
新居としてマンションを購入した祝いの飲み会を同僚たちに開いてもらい、
深夜にご機嫌で帰宅した会社員サンフン。
エレベーターで一緒になった女性が「悲鳴が聞こえませんでしたか」と言うが、
酔っぱらっているサンフンにはそんなものは聞こえない。
4階の部屋に入ってベランダからふと外を見ると、
帽子をかぶった男が若い女性をハンマーで殴打している。
通報しようとしたとき、見上げた犯人と目が合ってしまう。
翌朝、女性の遺体を囲んで住民は騒然、刑事の聞き込み捜査が始まるが、
大規模マンションの真下で起きた事件にもかかわらず、目撃者はひとりも出て来ず……。
目撃したのに言えない。殺人鬼に部屋も顔も知られているから。
同じマンションの所有者たちは値下げを嫌がり、警察に協力しない体制で一致団結。
最後はサンフンが犯人と直接対決して終わるものの、
一家で引っ越すことに決めたサンフンが、ふと事件現場で「助けてください」と叫んでみます。
どの部屋も点灯することなく、叫び声を無視。これが現実なのかと思うと怖い。

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