夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

2017年7月に読んだ本まとめ

2017年08月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
“読書メーター”を始めて2カ月経過しました。とても楽しいです。
私をお気に入りに登録(=フォロー)してくださった方々、ありがとうございます。
ものすごく嬉しいのに、フォロー返ししなくてすみません。
深キョンの「インスタフォローゼロの理由」に同意。
誰をフォローして誰をフォローしないとか、私には決められません。
だったら全員フォローし返したらええやんってことなのでしょうけれど、むむっ。

2017年7月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:5757ページ
ナイス数:663ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly

■殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)
1979年〜1996年に北関東で発生した5件の幼女誘拐事件。うち4件は遺体となって発見され、1件は行方不明のまま。県境の東西で起きたものだから、連続事件とはみなされず、栃木の3件の犯人として45歳のときに逮捕された菅家さん。死刑判決を受け、17年間の刑務所生活ののち釈放に。著者は決して冤罪から救いたいのではなく、誰かが冤罪になることにより、真犯人が野放しになることが許せないのだと言います。人はひとりでは何もできないと思いがち。世の中を動かすためにたったひとりでも動きだす。ジャーナリズムのあり方を見ました。
読了日:07月31日 著者:清水 潔
https://bookmeter.com/books/10988446

■君の膵臓をたべたい (双葉文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】原作にはなかった12年後の現在、出身校で国語を教える志賀(小栗旬)が、まるでかつての自分を見るような本好きの生徒に過去を話して聞かせる構成。姓は冒頭でわかるけど、名はやはり最後まで出てきません。より泣かせる方向ながら、「がんばってるアピール」が強くないから、私はまんまと泣かされました。同監督の前作『君と100回目の恋』は個人的にイマイチ、いやイマサンでしたが、泣かせ方が上手くなったような。僕役の北村匠海がとても良い。君がくれる日常が宝物。人と心をかよわせて生きる。
読了日:07月30日 著者:住野 よる
https://bookmeter.com/books/11673960

■君の膵臓をたべたい (双葉文庫)
友達ゼロの僕。人気者の同級生・桜良の余命を偶然知る。なぜか僕は、彼女が死ぬまで仲良くする相手として選ばれた模様。ら抜き頻出だし、間を示すのが三点リーダ×4だったり、慟哭が「あ」の連打で表現されたり、いろいろと引っかかるけれども、偶然でも運命でもなく選択のゆえだというくだりは好き。最後に明かされる僕の名前。この名前の意味を考えるとき、「涙するはずのタイトル」より私はよほどグッときました。明日死んでもいいように毎日を生きたい。ところで、伊坂幸太郎と樋口有介の諸作品の主人公とこの僕とが会話したら、結構楽しそう。
読了日:07月28日 著者:住野 よる
https://bookmeter.com/books/11673960

■文庫版 書楼弔堂 破暁 (集英社文庫)
約530頁。普通なら「厚っ!」とぼやきたくなるところ、京極さんならば「わりと薄いやん」と思ってしまう不思議(笑)。明治20年代半ば、古書店“弔堂”の近くにたまたま越してきた男の目を通して語られる、弔堂の主人と客とのやりとり。客として登場するのは歴史上の有名人。主人が「この人のための1冊」を選び取る。原田マハの『暗幕のゲルニカ』のごとく、史実を基にこんな物語を編み出すとは。静謐さの中にもユーモアがあってしばしばニヤリ。日本語の良さを目一杯感じられます。世の中に無駄なものなし。無駄にするかどうかはその人次第。
読了日:07月24日 著者:京極 夏彦
https://bookmeter.com/books/11251491

そこのみにて光輝く (河出文庫)
映画版を観たのが3年前。直後に購入したままだった原作を手に取ると、映画の情景が鮮明に呼び起こされます。北海道の海辺の町のパチンコ屋で出会った達夫と拓児。百円ライターを渡しただけなのに、拓児は達夫になついてバラック小屋に招く。拓児の姉・千夏に惹かれる達夫。達夫に綾野剛をあてたのはともかく、原作を読む限りでは年齢的に拓児に合わない菅田将暉と、千夏のイメージとは思えない池脇千鶴をあてたのがハマった素晴らしい映画でした。著者の早逝がつくづく悲しい。北の冬の話は辛いけど、夏の話でもやっぱり辛く切ない。きらきら光る。
読了日:07月22日 著者:佐藤 泰志
https://bookmeter.com/books/3026216

■督促OL 奮闘日記 ちょっとためになるお金の話 (文春文庫 え 14-2)
クレカの支払いを延滞している客に督促するコールセンターに勤める著者。『修行日記』の評判がよかったから続編の色気も出ちゃった感は否めず、新鮮味には欠けます。ただし業界裏話の4コマ漫画はとても面白い。また、支払いを延滞しそうな人を見分けるコツ、借金を肩代わりしたがるのは何故か、貢ぎ合う同士は珍しく浪費癖あり同士は多いなど、思わずうなずきたくなる話も多々。字は人を表す。字の上手下手ではなく、丁寧に書こうとしているかどうかというのはあると思う。「優しさを作るのはお金」。お金がなくても心に余裕を持ちたいものだなぁ。
読了日:07月21日 著者:榎本 まみ
https://bookmeter.com/books/9840106

■その鏡は嘘をつく (講談社文庫)
読後はさめざめと泣きたくなることも多い著者。本作もそれを想定して読み始めました。エリート医師が別宅で首を吊って死亡。その別宅が鏡張りだったことから変態的な性的嗜好の持ち主かと思われたが、ある検事が他殺と断言。一方、別の暴行失踪事件を調べる刑事。やがて双方が結びつく。検事と刑事の勘が良すぎるけれど、非常に面白くて頁が進む。しかしオチにう〜む。少なくとも『刑事のまなざし』を読んでからでなければさらに感動度は下がりそう。タイトルもしっくり来ず、帯の「泣かずにはいられない」もこのオチに呆然のほうの涙だったりして。
読了日:07月20日 著者:薬丸 岳
https://bookmeter.com/books/10547349

■オン・ザ・ライン (小学館文庫)
暑くてたまらん今日この頃、清々しい表紙に惹かれて初めての作家を。国内外でしょっちゅう児童文学賞を受賞している人らしく、これも2012年の青少年読書感想文コンクール指定図書。本を読むのが大好きなのに、文系男子と思われるのが恥ずかしくて、高校入学と同時に誘われるままに硬式テニス部に入部したカン。2部構成で、1部はその高校生活、2部は訳あって田舎の祖父宅で過ごす夏休みが主。テニスのシーンは言うほどは出てこないけれど、テニスの魅力は伝わってくる。青少年に推奨したくなる安心の1冊。球も心も、拾って拾って拾いまくれ。
読了日:07月18日 著者:朽木 祥
https://bookmeter.com/books/9764040

■暗幕のゲルニカ
もともとアマノジャクな私は、売れっ子になる前から好きだった作家は別として、周囲が絶賛する作家は少し冷めた目で見てしまうところがあります。この著者にしても、確かにどれも面白いけれど、主人公が熱弁をふるいすぎるところでちょっと冷め、私の五つ星にはならないというのか。本作も若干そんな部分がありましたが、ピカソの『ゲルニカ』を基にこんなフィクションを書いちゃうのはやはり凄い。スペイン内戦期から大戦終焉までと、9.11テロ発生以降の2年間を、別の女性を主人公にして。ゲルニカを必ず見たくなります。アートは武器に勝る。
読了日:07月17日 著者:原田 マハ
https://bookmeter.com/books/10621016

■ナオミとカナコ (幻冬舎文庫)
池井戸潤は『アキラとあきら』、奥田英朗は『ナオミとカナコ』てか。前者の720頁には及ばないものの、後者も550頁超で持ち歩くには十分厚い。しかしそんな不満も無用、出先で80頁ほど読んだ後、家で頁をめくる指が止まらず読了。唯一の親友同士、直美と加奈子。加奈子の夫がとんでもないDV亭主だと知り、いっそ殺そうと。殺しに至る話もまぁスリリングだけど、直美が勤務する百貨店外商部の話に私は目からウロコ。池袋チャイナタウンを統べる朱美、最初はなんじゃこのオバハンと思ったけれど、頼りになります。ほしいのは、絆と逞しい人。
読了日:07月16日 著者:奥田 英朗
https://bookmeter.com/books/11677143

■校閲ガール ア・ラ・モード (角川文庫)
前作の主人公・河野悦子が本作では完全に脇役にまわり、たま〜に出てくるだけの人。しかしそのキャラはやはり強烈で、オシャカワ悦子をいくらでも見たくなる。本作の5話+番外編の主人公となっているのは、悦子の同期や先輩や上司。寝そうになった話もあるけれど、それは単に私がお酒を飲みながら読んでいたせいなのかも。悦子がまくしたてるファッションの薀蓄は勢いありすぎで楽しい。校閲部の良さが伝わってくる続編でした。「かたくなる」を人によって変えればという話と、女はなぜ別れた男に友達申請するのかというところ、笑ってしもたがな。
読了日:07月14日 著者:宮木 あや子
https://bookmeter.com/books/12010008

■だいじな本のみつけ方 (光文社文庫)
書店勤務の経歴を持つ著者の本がらみの話、大好きです。成風堂書店シリーズのような大人の話も楽しければ、本作のような子どもの話も和めます。本をこよなく愛する中学生・野々香、その天敵だけど同じぐらい本を愛している秀臣、野々香と秀臣が大ファンの作家を叔父に持つ浩一の奮闘とささやかなミステリー。彼女たちが町の書店に持ち込む企画は盛り上がること間違いなし。大人向け子ども向けと、大人が決めてしまいがち。子どもだった頃の気持ちをなぜ忘れてしまうのか。本の味わい方はいろいろ。世の中の本屋さん、どこもなくなりませんように。
読了日:07月12日 著者:大崎 梢
https://bookmeter.com/books/11735597

■ガソリン生活 (朝日文庫)
邪悪な意志を持つ車の話といえばスティーヴン・キングの『クリスティーン』。伊坂幸太郎の手にかかれば、どんな車もこんなに良い子。語り手は車。デミオの目線で終始語られる本作は、車内での人間の会話と車から見えるものだけで進みます。デミオの持ち主である望月一家随一のキレ者の次男のオモロイこと。話中に登場する映画『ミニミニ大作戦』や、タイトルは出てこないけど『激突!』を観ていればより楽しい。自分の車の運転をめっちゃ反省しました。普通自動車のナンバーには「あ行」は存在せぇへんねんでと一応ツッコミを入れておきます(笑)。
読了日:07月11日 著者:伊坂幸太郎
https://bookmeter.com/books/10625966

■結婚 (角川文庫)
ディーンフジオカ主演で映画公開中。観るかどうか迷って先に原作を。目次に並ぶ10名の女性の名前と職業と地名に、すべて結婚詐欺に遭った女性視点で描かれているのかと思えば、視点はさまざま。詐欺師本人やその妻まで登場。被害者は揃って騙されたことを認めたくない。逃げられたと思えずに執拗に探したり、逆になかったことにしようとしたり。「男と不動産は似ている」。直感で最善の物件を選んだつもりでも、失敗するときには失敗する。いや、これって男に限らないでしょう。悪いのは女か男か。ちなみに、騙されるのはオバハンばかり。(^^;
読了日:07月08日 著者:井上 荒野
https://bookmeter.com/books/10129716

■出雲のあやかしホテルに就職します (双葉文庫)
250頁足らずという薄さに惹かれて購入したら意外に楽し。就活撃沈の見初(みそめ)は「見えてしまう」女子。東京での事務職にこだわっていたのに、島根の「出る」という噂のホテルから求人にやってきた冬緒の術中にハマり、そのホテルにやむなく就職。普通に人間の客もいるけれど、妖怪や神様も客もいるホテルのドタバタ劇。“妖怪アパート”、“最後の晩ごはん”、“BAR追分”シリーズのファンなら気に入るかも。人間と妖怪のロマンティックな第4話にはちょっと泣いてちょっと笑った。口下手の料理長が○。出雲名物「相撲足腰」、制覇希望!
読了日:07月04日 著者:硝子町 玻璃
https://bookmeter.com/books/11223894

植物図鑑 (幻冬舎文庫)
「雑草」にかくも詳しい男性とその料理を使った恋愛ものなんて、よく思いついたものだなぁと驚き。映画鑑賞後ほぼ1年経ってようやく読みました。映画は原作に忠実で、主演の岩田剛典と高畑充希を思い浮かべずには読めません。ところどころ読んでいると照れてしまう(笑)。そう、確かに「待たなくていい」と「待たないでくれ」は違う。巻末のスピンオフの「もったいないことするね。せっかく会えるのに」という言葉が心に沁みます。こんなイケメンは落ちてないし、カワイイ子が拾ってくれることも現実にはあり得ないけど(^^;、胸キュンキュン。
読了日:07月02日 著者:有川 浩
https://bookmeter.com/books/6279347

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