夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ツユクサ』

2022年05月08日 | 映画(た行)
『ツユクサ』
監督:平山秀幸
出演:小林聡美,平岩紙,斎藤汰鷹,江口のりこ,桃月庵白酒,水間ロン,
   鈴木聖奈,瀧川鯉昇,渋川清彦,泉谷しげる,ベンガル,松重豊他
 
 
原作があるのかと思ったら、『ふしぎな岬の物語』(2014)の脚本家・安倍照雄のオリジナル。
 
静岡県の海辺の田舎町にひとりで暮らす五十嵐芙美(小林聡美)。
浴用ボディタオルの製造工場に勤めている。
 
芙美は10歳の少年・航平(斎藤汰鷹)の「親友」。
航平は芙美の同僚・櫛本直子(平岩紙)の息子で、将来天文学者になるのが夢。
直子とその夫・貞夫(渋川清彦)は再婚だから、航平にとって貞夫は継父
 
芙美のもうひとりの同僚・菊地妙子(江口のりこ)は夫を亡くしたシングルマザー
最近恋人ができたのか、ニコニコそわそわしている。
相手が誰なのかを芙美と直子に話してくれる様子はまだない。
 
ある日、芙美が行きつけのバーに食事に寄ったところ、
客としてやってきたのがジョギング中に見かける男性・篠田吾郎(松重豊)で……。
 
オープニングは航平のナレーションから。
望遠鏡で夜空を観察していた航平が隕石らしきものが落下するのを見ます。
落下した隕石は芙美が運転する車を直撃、車は横転するも芙美は無事。
そして芙美は何が起きたのかまるでわかりません。
 
隕石が落ちてきて何かが変わるわけじゃないので、どうでもいいっちゃどうでもいいこと。
ただ、隕石が誰かに当たる確率は1億分の1のだそうで、
当たれば幸運かと思いきや不幸が訪れるという話もある。
今は何でもネットで調べられるから、思わず調べてしまいそうですが、
こういうことに惑わされずに生きたいなぁ。
 
明るく元気に見える人にだって、生きてりゃいろんな過去があり、いろんな思いがある。
10歳という少年も、片想いの相手がいたり、優しい継父に素直になれなかったり、
その継父にも実は想像しえなかった悲しい過去がある。
 
芙美は断酒会にかよっていて、酒に溺れた理由を茶化して話してはみるけれど、
彼女が酒に頼らざるをえなかった理由がほかにあります。
断酒会のメンバーのひとりが、「泣きたいことも酒を飲めば笑えるから」と言いますが、
そんな酒を飲んでいたら、さめたときに死にたくなることでしょう。
 
断酒しても以前と変わらず行けるバーっていいですね。しかも店主は泉谷しげる。(^O^)
そのバーで出してくれるナポリタンほか、お料理も美味しそうな映画です。
 
じんわり良かった。

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