『ツユクサ』
監督:平山秀幸
出演:小林聡美,平岩紙,斎藤汰鷹,江口のりこ,桃月庵白酒,水間ロン,
鈴木聖奈,瀧川鯉昇,渋川清彦,泉谷しげる,ベンガル,松重豊他
テアトル梅田にて、『ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえり お母さん』の後に。
原作があるのかと思ったら、『ふしぎな岬の物語』(2014)の脚本家・安倍照雄のオリジナル。
監督は『閉鎖病棟 それぞれの朝』(2019)の平山秀幸。
静岡県の海辺の田舎町にひとりで暮らす五十嵐芙美(小林聡美)。
浴用ボディタオルの製造工場に勤めている。
芙美は10歳の少年・航平(斎藤汰鷹)の「親友」。
最近恋人ができたのか、ニコニコそわそわしている。
相手が誰なのかを芙美と直子に話してくれる様子はまだない。
ある日、芙美が行きつけのバーに食事に寄ったところ、
客としてやってきたのがジョギング中に見かける男性・篠田吾郎(松重豊)で……。
オープニングは航平のナレーションから。
落下した隕石は芙美が運転する車を直撃、車は横転するも芙美は無事。
そして芙美は何が起きたのかまるでわかりません。
隕石が落ちてきて何かが変わるわけじゃないので、どうでもいいっちゃどうでもいいこと。
ただ、隕石が誰かに当たる確率は1億分の1のだそうで、
当たれば幸運かと思いきや不幸が訪れるという話もある。
今は何でもネットで調べられるから、思わず調べてしまいそうですが、
こういうことに惑わされずに生きたいなぁ。
明るく元気に見える人にだって、生きてりゃいろんな過去があり、いろんな思いがある。
10歳という少年も、片想いの相手がいたり、優しい継父に素直になれなかったり、
その継父にも実は想像しえなかった悲しい過去がある。
芙美は断酒会にかよっていて、酒に溺れた理由を茶化して話してはみるけれど、
彼女が酒に頼らざるをえなかった理由がほかにあります。
断酒会のメンバーのひとりが、「泣きたいことも酒を飲めば笑えるから」と言いますが、
そんな酒を飲んでいたら、さめたときに死にたくなることでしょう。
断酒しても以前と変わらず行けるバーっていいですね。しかも店主は泉谷しげる。(^O^)
そのバーで出してくれるナポリタンほか、お料理も美味しそうな映画です。
じんわり良かった。