『ホリック xxxHOLiC』
監督:蜷川実花
出演:神木隆之介,柴咲コウ,松村北斗,玉城ティナ,趣里,DAOKO,モトーラ世理奈,
西野七瀬,大原櫻子,てんちむ,橋本愛,磯村勇斗,吉岡里帆他
GW中も暦通りに出勤だから、仕事帰りにイオンシネマ茨木にて。
CLAMPの大ヒットコミックを蜷川実花監督が実写映画化。
蜷川監督作品が琴線に触れた記憶はないので、本作もどうせそうだろうとナメていました。
ハードルが下がっていたせいかもしれませんが、今までの蜷川作品でいちばん好きかも。
高校生の四月一日君尋(わたぬききみひろ)(神木隆之介)は特殊な眼を持っている。
人の心の闇に憑く“アヤカシ”が黒い影となって蠢めくのが見えるのだ。
そのせいで誰とも親しくならず、周囲を遠ざけて生きてきた。
こんな眼は要らない。死にたい理由はないが、生きたい理由はもっとない。
そんなふうに考えていたある日、彼は不思議な「ミセ」に迷い込む。
妖しく美しい女主人の壱原侑子(柴咲コウ)が言うには、ここはどんな願いも叶える店。
その代わり、対価としてそれに見合ったものを差し出さねばならないと。
アヤカシなど見えなくなって普通の生活を送りたいと願う四月一日に、
その願いを叶えたいならばいちばん大切なものを差し出すように侑子から言われるが、
今の四月一日には自分にとっていちばん大切なものが何なのかがわからない。
侑子のもとでしばらく家政夫として働くことになった四月一日は、
初めてできた友だち。誰かと過ごす時間が楽しく大切なものだと知る。
今までの蜷川作品で笑えるシーンはなかったと思うのですが、本作では何度か笑いました。
魔女なのに大酒食らって酔いつぶれる侑子とか。
おつかいを頼まれた四月一日が何を買わされるのかと思ったら酒で。
一升瓶抱えた四月一日が「どれだけ酒好きなんだよ」とぼやくところはふいた。
柴崎コウは綺麗だし、侑子の店に住む少女役のDAOKOとモトーラ世理奈が謎すぎて愉快。
店を訪れて金魚を食べる西野七瀬が猫娘であるということや、
鑑賞後に知りました。彼女たちも妖怪だという説明はなかった気がする。わからんがな。
もう誰も傷つけたくないと考える四月一日が女郎蜘蛛にその願いを託したとき、
四月一日はタイムループに陥ります。
平穏で、何も嫌なことが起こらない四月一日の誕生日がループする。
一方で、四月一日以外の人には確実に翌日が訪れ、傷つけられている。
自分がいなくなれば誰も傷つかないと思うのは浅はか。
あなたがいなくなることで悲しむ人がいる。完全にひとりで生きている人などいないのだから。
茶番だぜと思うシーンがないこともないけれど、そういうシーンも笑ってしまって、
私はこれ、わりと好きでした。きらびやかな映像も相変わらずです。