
8月9日(日) 晴
夕方、長男一家が来てお盆まつりの準備をしてくれた。
毎年必ず、長男が六時名号の掛け軸に架け替え、風鎮も併せて替えてくれる。
娘(嫁)と長孫がお仏壇を綺麗にし、半年供え続けたお線香の燃えかすも改め、お盆の間ご先祖さまが居心地よく居てくださるように、と。
最後に、亡き恭子姉さまが夫の初盆会に贈ってくださり、「特別の品を取り寄せたから、毎年、飾ってね」と言い残された岐阜・次七作の盆灯籠に灯をともし、家ウチの準備が終わる。
それから玄関に出て、義大祖父が手作りなされた釣り灯籠にろうそくの火を入れて、迎え火とする。 夫が存命のころは、ナスの馬にキビ殻の足をつけた飾り物も作っていたけれど、「今日はナスがとてもお高くて…」
情けない理由で取りやめたにも関わらず、「この釣り灯籠は、あなたのひいひいお爺ちゃんの手づくりなのよ」と言い、「ばぁばが【余命半年】のころ、あなたのじぃじの初盆に、パパさんが『ぼくんチは、こういう儀式を大切にして最後に滅びていく家族になろうね。 母さん、死んだら終いやよ』って励ましてくれたの」と、孫に伝えている。
こんなことを言えるのも、お盆だから。 亡きご先祖さまに深甚の感謝を籠めて、ありがとうございます。
三孫は、ボランティア活動で学生さんたちのキャンプのお世話に出かけている。
年末を含め、母娘が楽しそうにみ仏のお給仕をする姿は、さくらの一番好きな風景。 ありがたいなぁ!
友人から、婿ドノが和歌山沖で釣ってこられたという、とれっとれの鯛の冊をいただいた。 お造りにして、「やっぱり、違うね」、「おいしいね」
夕ご飯は、焼き肉♪ 別腹に、おいしく収まりました。
写真をみて頷きながらさくらさんのご家族には代々・・そしてお孫さんたちにも人の心を大切に思う気持ちが脈々と流れているのだなあ・・と感じました。
お盆を迎え、掛け軸、風鎮、お線香、盆灯籠、釣り灯籠、など今はなかなか見かけない光景かもしれません。
ご先祖様に早くきていただき、ゆっくりと帰っていただく・・というキュウリの馬やナスの牛などの懐かしい話を蚊取り線香の香りの中で聞く小さい子供たちの姿も浮かんでくるようです。
余命半年のころ、夫を4日の患いで見送り、生きた心地もしない日々に、長男が示してくれた「儀式(家庭文化)を大切に、生きようね」の言葉のおかげで、七日、七日の送りを、ただそれだけを考えて生き、おかげで病を忘れ、生き延びたのでした。
その取り組みが習い性となり、我が家は今に至るも佛まつりを大切にしています。
「それしか無い、家族」と言っても良いかもしれません。