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さくらの日々是好日

余命半年から生還♪今年21年目の【金つなぎ勝ち抜きRoad】を走り続ける、多重がん患者の病老の日々や患者会活動をご紹介!

♪ 槙の木に、生前の夫が慈しんで着生させた風蘭が、見事な花と甘い香りを撒き散らす

2025年07月14日 23時16分33秒 | さくら的非日常の日々
7月15日(月)  晴のち雨
この家に住んで50年ほどになる。

サラリーマンの夫と二人で建てた70坪の土地に、延べ45坪の二階建て。過酷なローンを返済するのに25年かかった。
庭は、夫の実家の庭を模して、前栽、築山、奥庭と出入りの水野造園さんと寺島造園さんが作りあげてくださった。

直径1,5㍍もの庵治石の大岩を、石材用の切断機で豪快に二分割し、客間と応接間の沓脱石に据え、ほかにも、大小の大岩を「夫婦岩やぁ」と私たち夫婦より水野造園の社長が喜んでおられた。対価として、年2回のボーナスから毎回20万円ずつを造園屋さんの口座に振り込み、造っていただいた石と植栽の庭は、夫の心を慰め惜しいとは思わなかった。
              
夫の実家から樹齢70年と聞いた築山の槇の木や松の木が移植され、夫はそれらの木に風蘭を巻き付け、毎年7月に馥郁の香りを楽しんだ。
「母さん、香りを聞いてごらん」と楽しそうに言った若い頃の夫が、花の姿と香りに、まざまざと甦る。
若いころ詩を書いていたせいか、言葉を大切にするひとで、たとえば、「雪が降る」とは言わず、「風花が舞うてきたよ」とか「雪花が散ってきた」などと言い、花の香も、香道の聞香(もんこう)に倣って、香りを聞くというのであった。

笑顔良しの朗らかな人で、優雅な人でもあった。
夫が逝って30年、とても懐かしく、風蘭の香る夕暮れ時には無性に会いたくなる。

富貴ヶ丘3期にお住いの野田氏が来られて、風蘭の香りを聞いてくださった。
訳もなく嬉しく心楽しく、午後のひと時を過ごした。

                                             

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