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mimi-fuku通信

このブログを通して読み手の皆様のmimiにfukuが届けられることを願っています。

寒波襲来:温度と高度と雪の関係 ~大雪を読む(予測する)。

2009-12-18 23:27:20 | 自然・気象・災害


 寒波襲来:温度と高度と雪の関係:大雪を読む

 なんてすごいタイトルを付けたけど“狼が来たぞ~”?
 雪について色々と調べてみたのですがしっくりする答えがなく、
 ちょっとだけ私が平素実践している経験談でも…。

 私の住む石川県南部の平野部の話。
 週間予報で雪マークが出ると予報温度を確認します。
 最高気温が4℃以下になると雪が降り出すこと多く、
 最高気温が2℃以下になると確実に雪
になります。
 水が氷になる温度は0℃とされていますが、
 気温が低い天高くから落ちてくる雪は地表温度とは関係がなく、
 6℃でも地上にたどり着く時に雪になっている可能性もあります
 それは雪雲の高さと風の関係だと考えています。

 強い風が吹くと足早に空から雪が地表にたどり着くこととと、
 風が地表温度を冷却することに原因があるのでしょうか?
 ただし、
 5℃を超えての積雪は確実に解けていきますので、
 積雪がかさんで大雪になる心配はありません
 私が注視する危険温度は2℃。、
 最高気温が2℃を下回ると最低気温はマイナス2~3℃となり、
 雪も解けにくくなり積雪が重なり大雪になる可能性が高くなります。

 そのため週間予報を読み最高気温がプラス2℃を割り込み、
 最低気温がマイナスを示していれば確実に雪模様となるため、
 雲の流れ込み(レーダーで確認)によって、
 平野部でも30cmを超える積雪の可能性が増してきます。
 ~ただし最高気温が高くても一気に入ってくる寒気には注意が必要。
   急激な寒気の流入=雷&暴風となり思わぬ積雪を記録します。
   私の地方では冬季の雷を雪雷(ゆきがみなり)と呼び恐れられています。

 最近の北陸地方の平野部では真冬日になるようなことは少ないのですが、
 ~1985年(昭和60年)頃から明らかに温暖化の影響が見えます。
 12月15日~2月初旬の期間で最高気温が0℃を下回るような日になれば、
 平野部でも50cmを超える積雪があり寒波が居座ればドカ雪に悩まされます。
 ~平野部での大雪は風が治まりシンシンと音もなく降ることが多いようです。

 次に山沿いや山間部

 温度と高度の関係は凡そ600mに4℃下がるとされています。
 ~3:2(=1000m⇔6.6℃低下)と覚えておくと高地に出かける際に便利です。
 
平野部で4℃との天気予報が出ていれば石川県ではスキー場がある、
 500~1200m地帯は、1℃~マイナス4℃となり確実に雪になります。
 ~さらに風で運ばれた低い雪雲は山間部で遮られ同じ所に積雪。
 
 天気予報を見ていて、
 「北陸の多い所で明日の朝までに80cmを超える積雪」と、
 アナウンスされた場合は山間部を指しています。
 
 高速道路1000円割引が実施されている今年の冬休み。
 太平洋側から日本海側にお出かけの際は、
 最高温度が8℃。
 最低温度が4℃。
 を超えてない場合は、
 県境の峠道等で積雪の可能性もあります。
 また、
 高速道路でも冬季専用タイヤを着用していない場合、
 走行できない場合(orチェーン着用)もあり注意が必要です。

 積雪がない場合でも、
 風が吹きさらしになる川に架かった橋の上では、
 思わぬ凍結もあり冬季運転はスリップ事故が多発します。
 
~昼間降った雨が夜~明け方にかけて冷え込んでの凍結。

 と思いのままに文字にしてみましたが、
 狼少年にならずにすんだでしょうか?

 しっかりと調べたわけではないので、
 誤りがあればご指摘していただければ幸いです。
 またあくまでも、
 1つ観測地点(石川県南部海側)での個人的な感想なので、
 当てはまらない地域もあると存じます。
 ご了承ください。

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【群馬県館林市での竜巻被害】:2009年7月27日。

2009-07-27 23:11:11 | 自然・気象・災害

                           *画像は気象庁のHPから転載。

 2009年7月27日
 日本において竜巻の驚異が現実(日常化)
 
のものとなったことを多くの人々が確信しました。
 おそらく、
 防災関連の行政マンや気象関係者は衝撃を受けていると感じます。
 おりしも昨年(2008年)の7月27日
 福井県敦賀市の金ケ崎緑地公園のイベント会場でテントが突風で飛ばされ、
 1名の方が死亡し、9名の方が重軽傷を負いました。

 このブログではその時の出来事を記事にしています
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/10bc8c4b698deb79022987c4af5957b4

 大阪の“うみさん”から敦賀近辺での体験談を詳しく紹介されたコメントを頂き、
 異常現象の予兆(急激な変化)を知ることができます(コメント欄を参照)
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/86ac508be5275d02b3db1f09f603bca8

 同じく敦賀で発生したと見られるガスフロントの経験談のブログ記事として、
 
http://okiraku.air-nifty.com/neo/2008/07/post_4f6e.html
 を紹介します。
 
~ガスフロントとみるかダウンバーストと判断するかは微妙。

 気象庁は2009年7月19~26日に、
 中国地方や九州北部に大きな被害をもたらした豪雨災害を
 7月27日:「平成21年7月中国・九州北部豪雨」と命名。
 その当日に群馬県館林市で起きた竜巻と見られる異常気象現象。
 平日の昼に市街地の中心部で起きた竜巻と見られる突風は、
 日本の中心部で起きました。

 竜巻は積乱雲から地上方向に伸びる渦状の雲。
 竜巻の直径や高さの大きさにより差は出ますが、
 風速30m~100mを超える暴風を一瞬の内に齎します。
 (台風の暴風域は平均:風速25m)
 
 ダウンバーストが吹き降ろす風なら、
 竜巻(トルネード)は巻き上げる風。

 竜巻は日本でも近年幾つかの大きな被害を出しています。
 しかし、
 1ヶ月の内に違う場所(市街地)で2度の竜巻被害、
 
が起きることは初めてのことで国内での竜巻の発生が、
 日常化することを連想させます。
 ~7月19日に岡山県美作市で発生した突風(竜巻)。
   住宅2棟が全壊、71棟が一部損壊。
   風速は毎秒50~69メートルと推定される。

 昨晩の記事の中で突風の可能性を示唆しましたが、
 北からの寒気と湿潤で温暖な南風によるダウンバーストをイメージ。
 なぜ竜巻が起きたのかは分かりません。
 
で積乱雲の状況を雨量計測で調べてみると、
 
~被害が仕事中のため雨雲レーダーを記録できませんでした。

 *栃木市平井町
 北緯36.37度 東経139.70度

 16時:1.0
 15時:0.0
 14時:0.0
 13時:0.0

 *栃木県足利市上渋垂町
 北緯36.30度 東経139.47度

 17時: 1.0
 16時: 5.5
 15時:40.5
 14時: 0.0

 *群馬県館林市美園町
 北緯36.23度 東経139.53度

 16時: 0.5
 15時: 0.5
 14時: 0.0
 13時: 0.0

 <風速>
 15時:西北西 4m
 14時:南南東 5m
 13時:   南 4m

 *熊谷市桜町
 北緯36.15度 東経139.38度

 16時: 0.5
 15時:26.0
 14時:11.0

 *久喜市六万部
 北緯36.09度 東経139.63度

 17時:1.5
 16時:0.0
 15時:0.0 
 14時:0.0

 ~以上:日本気象協会/tenki.jp/データ転載


 このデータから気が付くことは、
 館林市の西南(熊谷市)~西北(足利市)に掛けて、
 2時~3時に非常に強い雨雲が通過。
 館林市の西南~西北に積乱雲が通過したことを物語っています。
 逆に東南の久喜市~東北の栃木市では雨量観測がありません。
 
~東経の数字に注目してください。

 熊谷市や館林市は日本でも有数な高温地域。
 2007年8月16日には、
 ・40.9度:埼玉県熊谷市
 ・40.3度:群馬県館林市
 を記録。
 
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/a581ba3001951d9224dce58b112f7e6b

 昨日までの現場の気象状態(高温と乾燥)にも関心を払うべきでしょう。
 
 気象庁は竜巻注意情報を出して注意を呼びかけていました。
 
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/tatsumaki.html

 積乱雲の発達と雷や突風の関係。
 この問題の原因調査と予測は始まった所です。
 日々精度は高くなると思いますが、
 積乱雲の発達=大きな気象変化。

 竜巻の性質上、
 情報伝達のスピードには限界があります。
 体感した人達が感じた気象の変化を調査し、
 気象の異常(予兆)を認知伝達することが肝要だと感じます。 

 <追記:7月28日>

 自分なりに竜巻について調べて見ました。
 竜巻の発生する所に雷鳴あり。
 竜巻は雷雲から発生します。
 基本的に上昇気流による激しい雷雨をともないます。
 雷雲は<かなとこ形>と呼ばれる形状から中央部に膨らみを持つことで、
 メソサイクロンと呼ばれる回転した上昇気流が急速に発達。
 メソサイクロン(回転運動を伴う低気圧)が地表に接触すると竜巻になります。

 竜巻の強さの分類として藤田スケールがあります。
 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kaze.html
 
 F0:17 ~32m/s
        :テレビアンテナなどの弱い構造物が倒れる。
        :小枝が折れ、根の浅い木が傾くことがある。
        :非住家が壊れるかもしれない。 

 F1:33 ~49m/s
          : 屋根瓦が飛び、ガラス窓が割れる。
          :ビニールハウスの被害甚大。
          :根の弱い木は倒れ、強い木の幹が折れたりする。
          :走っている自動車が横風を受けると、道から吹き落とされる。 

 F2:50 ~69m/s
                     : 住家の屋根がはぎとられ弱い非住家は倒壊する。
          :大木が倒れたりねじ切られる。
          :自動車が道から吹き飛ばされ、
          :汽車が脱線することがある。 

 F3:70 ~92m/s
            :壁が押し倒され住家が倒壊する。
          :非住家はバラバラになって飛散し鉄骨づくりでもつぶれる。
          :汽車は転覆し自動車が持ち上げられて飛ばされる。
          :森林の大木でも大半は折れるか倒れるか引き抜かれる。
  
 
F4:93 ~116m/s
           : 住家がバラバラになってあたりに飛散する。
          :弱い非住家は跡形なく吹き飛ばされてしまう。
          :鉄骨づくりでもペシャンコ。
          :列車が吹き飛ばされ自動車は何十メートルも空中飛行する。
          :1 トン以上もある物体が降ってきて危険この上もない。
 
 
F5:117 ~142m/s
           :住家は跡形もなく吹き飛ばされる。
           :立木の皮がはぎとられてしまったりする。
           :自動車、列車などが持ち上げられて飛行し、遠くまで飛ばされる。
           :数トンもある物体がどこからともなく降ってくる。 
 

 前兆現象として指摘されることは、 
 ・真っ黒な雲が出現し空が暗くなる。
 ・遠くから雷鳴が近づいてくる。
 ・肌で感じるような気温の低下が起きる。
 ・基本的に猛烈な雨や時には雹(ひょう)をともなう。
 ・急激な気圧変化により耳に痛み(個人差がある)。
 ・竜巻本体の音は凄まじく数キロ離れていても聞こえる。
 
 個人的な意見としては雷鳴と空の色に注意。
 変化を感じたら安全な室内に逃げ込むことです。
 積乱雲からの豪雨、ダウンバースト、、ガス・フロント、竜巻は、
 短時間で終了することが多いので気が付いたら安全確保。
 周知されることが肝要です。


 
~以下、Web記事転載。

 *群馬県館林市を中心に突風が発生し、
 少なくとも21人が重軽傷を負ったほか、
 乗用車20台と民家など約160棟が破損した。
 被害者や目撃者の話から竜巻が発生したとみられ、
 前橋地方気象台は現地に調査班を派遣した。

 *県危機管理室や県警のまとめでは館林市大街道1丁目のスーパー、
 「ベルク館林大街道店」で窓ガラスが割れガラスの破片などで、
 乳幼児を含む買い物客の男女14人がけがをした。
 近くの「ハローワーク館林」でも窓ガラスが割れ職員ら3人がけが。
 屋外で作業中の男性らが風で飛ばされた屋根にぶつかるなどしてけがをした。

 *同市内の民家166棟で屋根や壁などの一部が壊れたほか、
 スーパー駐車場の車20台が横転するなどした。
 電柱が傾いて電線が切れるなどして約3千世帯が一時停電した。
 架線故障で東武伊勢崎線の羽生―太田間などが運休した。

 *気象庁は同日午後2時20分ごろ、
 竜巻発生の恐れが高まったことを知らせる「竜巻注意情報」を、
 栃木、群馬、埼玉の3県に発令。
 午後3時20分までの約1時間の間、
 竜巻への警戒を呼びかけていた。

 *前橋地方気象台によると館林市での最大瞬間風速は、
 午後2時10分ごろに毎秒16.1メートルを記録した。
 だがあくまでもアメダス上の観測値で館林市の場合、
 車が横転したり住宅の屋根が飛んだりした被害状況から、
 少なくとも毎秒30~40メートルの風が、
 10秒間は吹いた計算になるという。
  (2009年7月27日:朝日新聞/記事転載)

 *気象庁によると群馬県館林市で突風が発生した27日午後は、
 西日本から東北に延びる梅雨前線に南から湿った空気が流れ込み、
 大気の状態が不安定になっていた。
 突風発生時は積乱雲が発達しながら関東平野を通過中だった。
 (2009年7月27日:読売新聞/記事転載)

 *前橋地方気象台は猛烈な突風が吹いた27日午後2~3時に、
 竜巻発生時にみられる急激な気温の低下があったことを発表。
 地域気象観測システムの館林観測所のデータによると、
 午後2時の気温は31.5℃→午後3時には25.1℃まで低下した。
 (2009年7月28日:毎日新聞)


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【中国・九州北部での豪雨災害と原因】:2009年7月26日。

2009-07-26 21:50:00 | 自然・気象・災害

 
 一昨日の、
 2009年7月24日(金)に福岡県等で大きな被害を出した豪雨に続き、
 2009年7月26日(日)も九州北部で集中豪雨による被害が出ました。
 天気図を見ても前線は九州北部で
再び停滞。
 24日との違いは西南西から東北東へ雨雲が流れたために、
 長崎県、佐賀県でも大雨が降り続きました。
 
 九州の南東海上には数日前から渦を巻いた雨雲があり、
 低気圧の発生もまた梅雨前線の活動に影響を与えたようです。
 また報道によると24日の豪雨災害は、
 南西海上からの湿った空気による湿舌が大きな原因だったとされます。
 今後気になるのは日本列島に次々と西から雨雲を運ぶ中国大陸の状況。
 情報は未確認ですが、
 アジア各地でも大きな気象変化が出ているような気がします。

 7月21日山口県防府市での豪雨災害の記事でも触れましたが、
 エルニーニョの影響を否定できません。
 *長崎県で過去例のない大水害が起きた昭和57年(1982年)7月23日。
 1時間に187㍉の降水量は国内で最高の降雨量を記録。
 降り始めからの24時間の雨量は500㍉を超えています。
 実はこの年もエルニーニョの年でした。
   ~今年フィリピン沖での強い台風の発生が少ないのも、
   エルニーニョ現象の影響が示唆されます。
  ~さらに2007年の記録的な暑さはラニーニャが原因とされます。


 また日本の南海上(太平洋)での海面温度が平年よりも高く、
 北海上(日本海)での海面温度が低いこと(温度差)も、
 原因のひとつかも知れないと考えます。
 さらに寒気が入り込みやすい状態も3月頃から顕著で、
 石川県(日本海側)
での暑さ寒さの寒暖差が激しいと感じます。
 
 海面温度が高くなると海水の蒸発量が高まります。
 南海上で低気圧が発生すると湿った空気が次々と北に流れ込み、
 日本列島に位置する前線を刺激します。
 また、
 雨雲とは蒸発した水が空で塊となり冷却されることによって密度が高くなれば、
 重さに耐え切れず地上に降りそそぎます。
 夏に大雨が多いのは気温が高くなることで水の循環が激しくなるからで、
 梅雨末期の大雨もまた、
 6月と比較し7月は平均3度前後気温が上昇するためと考えられます。
 ~このことは太平洋高気圧の張り出しが小さければ、
   8月も豪雨がおきやすい状態が続くことを示唆します。

 本来なら日本では7月末までに太平洋高気圧が張り出すことで、
 梅雨前線が北上し高気圧のバリア(防壁)の中で猛烈な暑さにさらされます。
 ~前線や低気圧は高気圧を嫌うため近づくことができない。
 しかし今年は今日26日の時点で沖縄県以外では梅雨明けの実感できない状況。
 少なくとも7月末まで梅雨明けは望めず日本列島では、
 今後も大雨の危険が付き纏います。
 ~九州南部や関東も現在梅雨の只中に入っていると考えるべきでしょう。

 梅雨前線は明日は南下するために、
 今日大雨被害があった九州北部地方や中国西部でも一息つけます。
 ただし日本列島にはインド洋(ベンガル湾)から伸びる大きな雨雲が、
 次々と西に進行中で油断できない状態が続きます。

 気象災害とは必ず幾つかの条件が重なることで起きます
 異常気象との言葉を頻繁に耳にしますが気象条件が合えば、
 九州北部や中国西部を襲った豪雨状況は日本のどこでも起き得ます。
 地球温暖化が進めば過去に豪雨被害が多かった九州での降雨条件が、
 以北の他府県でも起こりうるかもしれません。
 ~ただし本州と比較し九州地区で大雨を降らせる原因は、
   <西から東に向かう雨雲の最初の通り道になるから>
    との着目点も必要でしょう。

 明日は北から寒気が降りてくるとの気象予報が出ており、
 大雨被害と同時に突風や雷の被害が出る可能性も示唆されています。
 雨雲レーダーで雨雲の強さを確認し、
 強い雨の地域が近づいてきたら、
 可能な限り室内で待機してください。

 集中豪雨の可能性のある地域は安全な場所の確認が必要です。
 明日の日本列島はあちらこちらで荒れ模様の気配。
 気が重くなります。 


 
*無料の携帯電話用雨雲レーダーのURL
   
http://www.i.river.go.jp

 ~携帯電話に上記URLを入力してアクセスしてください。
   アクセス(国交省のHP)後は指示に従い地域を選択してください。
   選択後見やすいように静止画面に切り替え<お気に入り>に登録。
   いつでも見ることが可能です。
   お手持ちの携帯電話の入力の仕方が分からなければURLをドラッグし、
   パソコンのメールから携帯電話にメールを送信。
    受信メールを開いて直接アクセスすることも可能だと思います。
   無料と言っても通信費はかかります。
   専門機関の有料お天気サイトに登録されることをお薦めします。

 <データ:日本気象協会/tenki.jp転載>

 *日積算降水量の記録。
 ~2009年7月26日:積算雨量

  1. 福岡 九千部山 :311.0mm 
  2. 福岡 太宰府 :285.5mm 
  3. 佐賀 嬉野 :211.5mm 
  4. 福岡 飯塚 :197.5mm 
  5. 佐賀 権現山 :195.5mm 
  6. 長崎 国見山 :188.0mm  
  7. 佐賀 八幡岳 :184.5mm 
  8. 福岡 博多 :176.5mm 
  9. 佐賀 多良岳 :175.5mm 
  10. 佐賀 佐賀 :170.5mm 

 *日積算降水量の記録。
 ~2009年7月26日:1時間最大雨量

  1. 福岡 九千部山:76.5mm(11時) 
  2. 福島 金山:71.0mm(18時) 
  3. 福岡 太宰府:65.0mm(10時) 
  4. 京都 本庄:62.0mm(11時) 
  5. 高知 佐川:62.0mm(12時) 
  6. 長崎 松浦:61.5mm(9時)  
  7. 長崎 国見山:53.5mm(10時)  
  8. 兵庫 三田:51.0mm(11時) 
  9. 佐賀 権現山:48.5mm(10時) 
  10. 福岡 博多:46.5mm(11時)

 *福岡県福岡市博多区
 ~時間別雨量(8時間)

  13時: 0.5㍉
  12時: 3.0㍉
  11時:46.5㍉
  10時:36.0㍉
   9時:33.0㍉
   8時:28.5㍉
   7時:14.0㍉
   6時: 7.5㍉

  
 *福岡管区気象台は九州北部を襲った豪雨の原因を、
 『湿舌(しつぜつ)』という現象とみている。
 『湿舌』とは南西からの暖かく湿った空気が太平洋高気圧の縁(へり)を回って、
 梅雨前線に流れ込む現象で等温線などでは舌のように見えることから命名。
 同気象台によると、
 湿舌が起きたのは7月24日:午後6時~同9時頃にかけて。
 対馬海峡付近に停滞していた梅雨前線に南からの、
 暖かく湿った空気が送り込まれ梅雨前線を刺激した。
 これにより前線付近で積乱雲が次から次にでき、
 先端が細くなった形に見える「テーパリングクラウド(にんじん雲)」が発生。
 湿った空気が前線付近に供給され続けたことで猛烈な雨が、
 長時間にわたって降り続けたという。
 湿舌は梅雨末期特有の気象現象で大雨の原因とされ、
 1982年の長崎豪雨など数々の災害を引き起こしている。
 (2009年7月25日:読売新聞記事転載)

 *気象庁は27日、
 2009年7月19~26日に中国地方や九州北部に被害をもたらした豪雨を
 「平成21(2009)年7月中国・九州北部豪雨」と命名した。

 *26日午前11時10分頃、
 九州自動車道(福岡~太宰府間)で土砂崩れが起き車両が巻き込まれた。
 車両には男女2人が乗車しており遺体で発見された。

 *27日午前1時15分頃に長崎県佐世保市で土砂崩れが発生。
 水道管を3本破損し市内の約1万7800世帯が断水。

 
~以上Web記事を編集転載。

 *九州北部での被害は27日午前10時現在で、
  ・死者:10名。
  ・行方不明:2名
  ・負傷:2名
  ・住宅損壊:57棟
  ・住宅浸水:3504棟
  ・がけ崩れ:625箇所

 
~西日本新聞調べ:2007年7月.26日。


 <関連記事>
 
*九州北部の記録的集中豪雨と情報伝達:2009年7月24日
 →
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/60beced2629fd96c65c5a2a1e1389a5d

 *平成21年7月中国・九州北部豪雨(気象庁PDF)
 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/new/jyun_sokuji20090719-26.pdf

 

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【九州北部の記録的集中豪雨と情報伝達】:2009年7月24日

2009-07-25 22:22:22 | 自然・気象・災害

 
 2009年7月21日。
 山口県で記録的な集中豪雨。
 2009年7月24日。
 九州北部で記録的な集中豪雨。
 さらに翌日25日。
 広島県東広島でも過去最高の24時間積算雨量
を更新。
 梅雨末期の梅雨前線は容赦なく日本列島に襲いかかります。
 明日(7月26日)早朝からも同じ地域で豪雨の予報。
 雨量が蓄積されることで地表(土壌)に浸み込んだ水分が膨張し、
 少しの雨でも土砂崩れや土石流の発生の可能性が高くなります。
 早めの避難行動が望まれます。


 7月24日午後~深夜にわたって降り続いた九州北部の大雨
 データを調べてみると長崎県壱岐市では、午後1時頃から。
 福岡県では、午後5時ごろから雨脚が強まっていることが理解できます。
 長崎県壱岐市は佐賀県の北海上にある島で今回大雨が降り続いた地域は、
 緯度33・5度~34度の中に納まっています。
 つまり南からの湿潤な空気に暖められた梅雨前線に沿ってのびる猛烈な雨雲が、
 ほぼ停滞した形で西から東南東に移動したことが読み取れます。
 強い雨雲の移動速度は10~20kmくらいでしょうか?
 最大降水量のデータでは、
 ・長崎県壱岐市芦辺では、午後5時に78.5㍉
 ・
福岡県福岡市では、午後7時に92.0㍉
 ・福岡県飯塚市では、午後8時に98.0㍉
 
の雨量を記録しておりこのことから猛烈な雨雲の働きに規則正しさを感じます。

 つまり、
 台風の中心からの暴風域と同じく今回の前線の猛烈な雨雲域は、
 西から東へと規則正しいタイム・ロラグ(移動速度と到達点)が存在する。
 と書いても、
 20~30㍉程度の雨を降らす前線が必ず規則性を持っているわけでなく、
 雨雲の進入と地形の関係で雨の降る量は大きく変わります。

 ただ50㍉を超える雨量を記録するような集中豪雨の雲や、
 猛烈な突風をともなう積乱雲の場合は台風のように、
 雨雲の中心位置に規則性があるような気がします。
 もし、
 雨雲の強さと到達時間の規則性が存在するとすれば、
 地域行政(近隣自治体)の連絡を密に取り合うことで、
 1時間後、2時間後の雨量を凡そ想定することができます。
 
~到達点が平地の場合と山岳地帯では進行先の雨量に大きな差が生じる。

 現在の気象警報は一定の雨量が記録されて初めて発令されます。
 大雨警報の基準は都道府県によってマチマチですが予報と言うよりも、
 結果発表の形態が強いと感じます。
 例えばある市町村で時間雨量40mを超える大雨が降った場合に発令され、
 多くの場合は避難勧告は大雨後の発令となります。
 最近では自宅で容易に気象データを閲覧することができるので、
 パソコン、携帯電話、デジタル・テレビで雨雲レーダーを確認できるので、
 個人でも重大な事態か憂慮すべき事態かを数時間前に予測するは可能です。
 ~例えばこの時間(25日:午後10時)の時点で南西諸島近海で長く細く伸びた、
 猛烈な雨雲(台湾から鹿児島近海まで延びる)の帯が北東へと進んでいます。
 この雨雲が陸地へ到達点した場合は長時間、同じ場所で、
 大雨を降らせる可能性は否めません。 

 このように、
 大雨が降る前に避難行動が取れるような警報の発令
 それは気象庁ではなく地元自治体の役割になるでしょう。
 1000㍉を超える大雨が降っても被災しない土地家屋も多く在ります。
 また、
 大雨の降りやすい太平洋側なら大きな被害を出さない降水量でも
 日本海側ならが壊滅的な災害を引き起こすだろう地域もあります。
 地盤や地質、洪水予測の詳細なデータを持っているのが行政機関である以上、
 危険な地域に雨が降り出す前に避難情報が出せる危機管理と役割。
 
 50年や100年に1度の雨(過去のデータから想定)が、
 将来10年や5年に一度の雨に変化する環境異変の現実味。

 伝達システムも気象予知システムも大幅に進化している中で、
 慣例を重んじる地方自治体の在り方に変化を期待します。
 そのためには、
 データに長けた若い世代(職員や住民)の意見を大幅に取り入れ、
 隣接自治体との情報交換や地元住民の住む地域行動と連捷できれば、
 大雨の危険情報を即座に情報弱者に伝達することは可能です。

 データの管理や避難指示の伝達は自宅からでも可能です。
 そんなハイレベルな新しい行政活動のあり方を夢想します。


 <データ:日本気象協会/tenki.jp転載>

 *日積算降水量の記録。
 ~2009年7月24日:積算雨量

  1. 長崎 芦辺 :312.0mm  
  2. 福岡 飯塚 :284.5mm  
  3. 長崎 石田 :266.5mm  
  4. 福岡 頂吉 :259.0mm  
  5. 福岡 篠栗 :245.5mm  
  6. 福岡 博多 :234.5mm  
  7. 福岡 宗像 :228.0mm  
  8. 福岡 前原 :195.5mm  
  9. 長崎 平戸 :191.5mm  
  10. 福岡 八幡 :187.0mm 

 *最大1時間降水量(時間)
 ~2009年7月24日

  1. 長崎 石田  106.5mm(17時)  
  2. 福岡 飯塚   98.0mm(20時)  
  3. 福岡 博多   92.0mm(19時)  
  4. 福岡 篠栗   84.0mm(19時)  
  5. 福岡 太宰府 83.0mm(20時)  
  6. 長崎 芦辺   78.5mm(17時)  
  7. 福岡 前原  76.0mm(19時)  
  8. 福岡 頂吉  68.5mm(19時)  
  9. 福岡 福岡  63.0mm(19時)   
 10. 山梨 南部   61.0mm( 6時)

 
 *長崎県壱岐市芦辺
 ~時間別雨量(8時間)

  20時: 4.5㍉
  19時:12.5㍉
  18時:11.5㍉
  17時:78.5㍉
  16時:75.5㍉
  15時:47.5㍉
  14時:36.5㍉
  13時: 3.5㍉

 *福岡県飯塚市
 ~時間別雨量(8時間)

  23時: 7.5㍉
  22時:11.0㍉
  21時:58.0㍉
  20時:98.0㍉
  19時:56.0㍉
  18時:31.5㍉
  17時: 9.0㍉
  16時: 4.0㍉

 *福岡県福岡市博多区
 ~時間別雨量(8時間)

  23時: 4.5㍉
  22時: 2.0㍉
  21時: 7.0㍉
  20時:72.0㍉
  
19時:92.0㍉
  18時:34.0㍉
  17時: 2.5㍉
  16時:10.5㍉

 ~下記Web記事を編集転載。 

 *7月24日夕方~深夜に九州北部を襲った、
 集中豪雨による死者は、
 翌25日正午までに福岡県、長崎両県で計4人。
 また行方不明者は、
 家屋の倒壊などにより福岡県篠栗町で女性2人。
 北九州市八幡西区で女性1人。
 広島県東広島市で2人の計5人

 今回の大雨で25日正午までに、
 福岡、佐賀、長崎県の計347棟が床上浸水となり、
 福岡県などの230か所でがけ崩れが起きた。

 福岡管区気象台によると25日午前11時までの総雨量は、
 ・飯塚市で339ミリ。
 ・篠栗町で327・5ミリ。
 ・長崎県壱岐市で313・5ミリ
 に達している。
 
 広島県東広島市では24日~25日の午後3時までの24時間に、
 観測史上最大となる216ミリの雨量が確認された。
 
(2009年7月25日:読売新聞九州他/記事編集転載)


 *24日夜の豪雨のため全域で災害が発生した福岡県は、
 災害発生状況の情報集約が大幅に遅れた。
 総務省消防庁の通達で市町村の被害状況は県が集約するが、
 各市町村が災害対応に追われ情報伝達が混乱した。
 同県は大雨洪水警報が発令された24日午後5時過ぎ、
 災害発生状況の情報収集を開始。
 各市町村に同9時現在の状況を報告するように求めた。
 しかし同10時55分の災害対策本部会議で報告されたのは、
 北九州市や前原市など11の市町村もしくは、
 広域消防本部管内の情報のみだった。

 床上浸水など被害が相次いだ福岡市は、
 午後9時ごろから1~2時間おきに報道機関へ情報を広報したが、
 県への提供は25日午前1時半ごろになった。
 同市は、
 「被害が広範囲で情報集約に時間がかかり、
 さらに報道機関を通じた市民への情報提供を優先した。
 広報と県への報告の書式が別でさらに時間がかかった。」
 と説明する。

 一方、県消防防災課の市町村との情報連絡用ファクスは5台だが、
 回線がパンクするトラブルが続発。
 県側が市町村に報告を催促したり受け取った情報内容を電話で確認する際、
 災害対応に追われる市町村側に電話がつながらないケースも相次いだ。
 (2009年7月25日:毎日新聞/ 記事転載)

 *記録的豪雨に襲われた九州北部での、
 24日から九州北部を襲った豪雨での死者は、
 福岡県4人▽長崎県1人▽大分県1人の計6人。
 各県などのまとめによると25日午後6時現在、
 住宅損壊が福岡県10件▽長崎県11件。
 家屋浸水は福岡県の1720件を中心に
 佐賀、長崎、熊本の4県にまたがり、
 計1781件に上っている。

 24日の福岡県内の24時間降水量は、
 ▽北九州市小倉南区頂吉(かぐめよし)266・5ミリ
 ▽篠栗町251ミリ▽福岡市博多区239ミリ
 ▽宗像市234・5ミリ
 ▽北九州市小倉南区空港北町178ミリ
 の5カ所で観測史上最大を記録。
 降り始めから25日正午まででは、
 ・福岡県飯塚市(339ミリ)
 ・同県篠栗町(327・5ミリ)
 が観測史上最大で、
 ・長崎県壱岐市(313・5ミリ)などでも300ミリを超えた。
 
 宗像市では浄水場の土砂崩れで送水管が破損し約1万8300世帯が断水。
 陸上自衛隊が断水世帯への給水活動をしており復旧は26日以降の見通し。
 (2009年7月26日:毎日新聞/ 記事転載)

 <ブログ内:関連記事>
 *山口県防府市:2009年7月21日/ 豪雨災害の記録。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/e2a10404590f50674c6b7dcc16cb4464

 *九州北部と山口県での豪雨災害と原因:2009年7月26日。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/1a8f6729a26593768be647f9dda38a92

 *平成21年7月中国・九州北部豪雨(気象庁PDF)
 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/new/jyun_sokuji20090719-26.pdf


 <データ2:tenki.jp転載>
 *日積算降水量の記録。
 ~2009年7月25
日:24時間

  1. 宮崎 えびの:218.0mm 
  2. 福岡 耳納山:207.5mm 
  3. 熊本 人吉   :200.0mm 
  4. 熊本 多良木:194.5mm 
  5. 長崎 佐世保:193.5mm 
  6. 広島 呉市蒲刈:189.0mm 
  7. 熊本 阿蘇山:180.0mm 
  8. 大分 玖珠   :176.0mm 
  9. 熊本 上      :175.5mm 
  10. 福岡 黒木  :173.0mm 

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【石川県加賀南部・部分日食観測】:2009年7月22日。

2009-07-22 19:35:00 | 自然・気象・災害

 
 2009年7月22日
 月が太陽を完全に覆い隠す数ある天体ショーの中でも最大のイベントである
 <皆既日食>が鹿児島県以西の島々で観測された。
 多くの島々では前日に山口県で大きな被害を出した梅雨前線の南下のため、
 ダイヤモンド・リングを拝することはできなかった。
 しかし漆黒の暗闇が周辺を覆い大きな感動を得たようだ。

 私の住む石川県でも前日深夜の大雨があがり午前8時前から天気も回復。
 薄曇りの中で部分日食が観測できた。
 で仕事中パチリパチリと3種類のフィルター(手作り)で日食撮影。
 ・ 9時58分:晴れ・一番厚いフィルターで太陽が欠けた事を確認。
 ・10時36分:薄曇・3種の内中間のフィルターで撮影。
 ・10時58分:晴れ・一番厚いフィルターで撮影。
 ・11時13分:曇天・フィルターなしで撮影、肉眼でも確認できた。
 ・11時15分:雲が取れ一番薄いフィルターで撮影。
 ~この3分間は仕事もせず日食観測、肌寒い風に変化。
 ~暗闇も75%の食では厚い雨雲の闇よりも明るいくらい。
 ・11時28分:一番薄いフィルターで撮影。
 ~その後雲が厚くなり撮影が困難になる。

 午前9時50分頃の欠け始め~午後12時20分頃まで、
 観測が可能とのことだったが私の地元では11時40分頃には雲に覆われた。
 しかし、
 雲が多いことが幸いし雲がフィルターの役割をしたことで、
 肉眼でも多くの人が観察できた。
 
 石川県南部では最も欠ける(食)とされた11時5分前後に顧客からの電話。
 75%が欠けるベスト・タイミングは逃した。
 でも記念すべき日の記録として満足のいく写真が撮れた。
 普及型コンパクト・カメラでハンド撮影で片手で撮影(片手にフィルター)。
 すごい時代だと感じる。
 10年も前なら少なくとも15万円以上の一眼レフ・カメラが必要だったろうに。
 今日は夕食前に記事にしたく大急ぎで記事にした。
 NHKの<日食特番>が始まっている。
 今から御飯しながら家族と見ます。

 ~以下Webから抜粋すると、

 *今回の皆既時間は6分を超える今世紀最長の皆既日食だった。
 ~インドから中国、奄美諸島、硫黄島などが観測地点。
 *日食とは、太陽、月、地球が一直線に並ぶことで地球から見た太陽が、
 月の背後に隠れる天文現象だ。
 ・完全に隠れた状態を「皆既日食」。
 ・一部分が隠れる状態が「部分日食」。
 *皆既日食は地球上では1~2年に1度の割合で起きてる。
 ~しかし海面や山岳地帯が多い地球上で住居地帯で観測出来る例は少ない。
 *日本国内での皆既日食は1963年7月21日の北海道以来46年ぶり。
 *石川県で5割以上の部分日食が観測できたのは1997年3月以来12年ぶり。
 *国内で次に皆既日食が見られるのは26年後の2035年。
 ~石川県能登地方~富山東部を通り北関東等で観測できるらしい。

  *画像が小さい場合は、
   拡大(タイトル上or画像上をクリック)してご覧ください。

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【山口県防府市】:2009年7月21日/ 豪雨災害の記録。

2009-07-21 21:00:00 | 自然・気象・災害

 
  梅雨末期の大雨
 今年も大きな被害が出た。
 2009年7月21日
 山口県では北西~南東に向かう前線が数時間に渡り停滞し、
 同じ箇所で集中的に大雨が降った。
 昨年は金沢市で2時間に200㍉を越える大雨により大きな被害があった。

 前々日の19日には岡山県美作市での竜巻被害。
 香港に上陸した台風6号の発生以来梅雨前線の活動には注意していたが、
 この日これほどの雨量を記録するとは考えてもしなかった
 前日には最大で24時間に200㍉との気象情報が出ていた。
 しかし、
 防府(ほうふ)市では50ミリ前後の豪雨が5時間の内に3回。
 山口市では50ミリ前後の豪雨が5時間の内に4回。
 想像を超えていた。

 今回の大雨の原因を探るに手がかりがない。
 ~1つ気がかりなのは太平洋側近海の海面温度が平年よりも約2度高く、
   日本海側の海面温度が2度低いこと。
 また九州地方南部の梅雨明けと関東地方の梅雨明けが発表された後も、
 太平洋高気圧の勢力が発達せず再び西日本に前線がおりていったことは、
 はるか南海上で発生したとされるエルニーニョに原因があるのかも知れない。
 ~今週いっぱいも九州南部や関東では愚図ついた予報で、
   梅雨明け宣言が解除されるかもしれない。


 豪雨のデータを見るとひとつ気がかりなことがある。
 午前9時30分頃に防府西高校の裏山が崩れる被害があったにもかかわらず、
 2時間30分後の午後12時前後の国道に流れ込んだ土石流や、
 老人ホーム周辺への土砂の流入を推測できなかったのか?
 県や市の防災ではどのような防災基準を定めていたのだろうか?
 前日からの雨を含め、
 述べ300ミリを越える雨量の中で行政の目は河川だけ集中したのだろうか?
 気象庁が発表した画像データを見れば理解できると思うが、
 午前9時の時点で既に非常事態に陥っていることは容易に想像がつく。
 
 日頃どれだけの雨量で老人ホームが危険であるかのデータを、
 地元行政は準備していなかったのか?
 ~せめて2階への避難を呼びかけるだけで状況は変わっていただろう。
 谷に沿って走る国道の危険雨量が何ミリに想定されていたのか?
 昨年の金沢での突発的豪雨とは違い予見ができたように感じる。
 重要なことは24時間雨量でなく短時間降雨量に注意をはらうことだ。
 災害が起きる可能性としての数字は乾燥時の地域雨量(スポットでなく)で、
 1時間50㍉、3時間100㍉、5時間130㍉、12時間150ミリ、24時間200ミリ
 前日に降雨があれば危険性はさらに増える。
 しかし気象情報の精度が飛躍的に高まっても、
 気象災害は起きてから対策が採られる。
 これ以上は言うまい。

 <降雨時間雨量:Yahoo!天気情報・アメダスの記録。>

 *観測地:防府市西浦/標高:6m
 13時:11.5 ←12時:49.5 ←11時:19.0 ←10時:25.5 ←9時:63.5
  8時:24.0 ←  7時:38.5 ←  6時:7.5  ←5時:1.0㍉
 ~最大値:7時~12時(5時間)220㍉

 *観測地:山口市周布町/標高:17m
 13時::1.0 ←12時:49.5 ←11時:53.0 ←10時:3.0 ←9時:49.5
   8時:74.5 ← 7時:36.5 ← 6時:2.5㍉
 ~最大値:7時~12時(5時間)266㍉

 <関連記事> 

 
*台風第6号 (モラヴェ) 2009年7月 ~梅雨前線と大雨情報。
 
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/79f251765be746e06ae03f9ba0a20db3

 *平成21年7月中国・九州北部豪雨(気象庁PDF)
 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/new/jyun_sokuji20090719-26.pdf

 *北陸豪雨:金沢・浅野川水害と日本海側の防災対策。
 
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/873581235111d0180307d221ba3e0f92


 *九州北部の記録的集中豪雨と情報伝達:2009年7月24日
 → http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/60beced2629fd96c65c5a2a1e1389a5d


 ~以下、Web記事編集転載。

 山口県防府市の県立防府西高で21日の午前9時20分頃、
 裏山の斜面が幅約20メートル、高さ約50メートルにわたって崩れた。
 グラウンドにいた男性(34)が土砂に巻き込まれ右腕と右足の骨を折る重傷。
 グラウンドには、崩れたガードレールやなぎ倒された樹木がなだれ込んでいた。

 <21日の正午頃>
 山口県防府市下右田の国道262号付近で土砂崩れがあり、
 自動車3台や住宅などが巻き込まれた。
 同市真尾でも土砂崩れがあり、
 老人ホーム「ライフケア高砂」に土砂が流れ込んだ。
 県によると少なくとも5人が死亡9人が行方不明になっているという。
 県によると下右田の現場では、近くの住民1人が死亡し、1人が行方不明。
 救助に向かった消防隊員約10人が鉄砲水にのみ込まれたが無事だった。
 県の災害派遣要請を受けた陸上自衛隊などが救助活動に当たっている。
 現場では道路が完全に土砂に埋まり直径5、6メートルの岩も転がっている。

 最も大きな被害となった、
 老人ホーム「ライフケア高砂」では87人が2階や屋上で救助を待った。
 ホームは川沿いの低くなっている土地にあり施設内にも土砂が流れ込んでいる。
 屋内に取り残されている入所者もおり担架などで順次救助されている。

 下関地方気象台によると防府市では、
 21日午前9時20分までの1時間に観測史上最大となる70.5ミリの降水を記録。
 19日午後1時の降り始めから21日午後4時までの総雨量は、
 297.5ミリに達したという。

 下関地方気象台によると1時間雨量は、
 ・美祢市桜山で午前7時50分までに90・5ミリ。
 ・山口市で同8時までに74・5ミリを観測。
 ・山口市阿知須では同8時半までに気象レーダーによる解析雨量が、
   約100ミリに達した。

 JR西日本は午前6時半頃、
 山陽新幹線の新山口~新下関間で運転を見合わせ、
 広島~小倉間に拡大した。
 降雨がいったん治まったため一時再開したが、
 同11時頃から再び降雨により運転を見合わせた。
 また、
 中国自動車道:小月インターチェンジ(IC)―小郡IC、
 山陽自動車道:下関ジャンクション―埴生ICの上下線等が、
 通行止めになった。

 中国電力によると午前10時現在、
 落雷により山口、防府、下関市などで約7900戸が停電となった。
 (朝日・読売・北九州新聞:記事編集転載/ 2009年7月21日)


 
防府市下右田の国道262号で午前11時45分ごろ土石流が発生。
 数台の車が流され周辺の民家も土砂に埋まった。
 現場は山陽自動車防府東インター近くの山間部。

 ◇老人ホーム:ライフケア高砂周辺。
 『ライフケア高砂』から1キロ離れた場所に住む男性(62)は、
 午後0時50分頃にテレビを見ていると突然、
 「ゴオー」という音が響きはじめ北と東西の3方向から、
 「ドーン、ドーン」とすさまじい音を立てながら、
 土砂や岩、木が押し寄せてきたという。
 乗用車と軽自動車が目の前を流れ、「
 家の前は川のようだった」。
 そのうち土砂などが家に押し寄せ居間のサッシが、
 男性に直撃し両足にケガをした。

 「ライフケア高砂」の近くに住む女性(66)は、
 「滝のような雨と雷に震えるしかなかった。」とその時を振り返った。
 真尾地区では真尾川上流の山が崩れて樹木が濁流とともに流れ出し、
 ホーム以外にも家屋の浸水が相次いだ。
 近くの山で2カ所が崩れ茶色い濁流とともに杉などの、
 大木数本や砂利が道路を流れていった。

 ホームの下流約500メートルに住む主婦(50)は、
 「あっという間に家の周りが海みたいになった」と当時の様子を語る。
 午前中、いったんは小康状態になった雨が正午前後に再び降り始めると、
 1時間もたたないうちに自宅前の川があふれ外に逃げる間もなく、
 ヘドロまじりの濁流が家屋に迫ってくるのをただ窓越しに、
 見ているしかなかったという。

 ◇土石流:2度発生(国道周辺)。
 土石流があった国道は山口市と防府市を結ぶ幹線道路。
 市境にある佐波山トンネルを防府市側に抜けた道沿いに、
 佐波川の支流が流れる。
 現場近くに住む20代の夫婦によると、
 21日午前10時半頃に支流が氾濫し直径約1メートルの石を含む、
 土石流が国道に流れ込んだ。
 その後、雨が小康状態になったため市消防署員や住民が、
 土砂の撤去作業を開始した。
 しかし正午すぎ、
 「どぶのようなにおいがした」と異変に気づいた直後、
 外から「うわーっ」という消防署員の悲鳴が聞こえたという。
 すぐに窓から国道に目を向けると車両用の信号機(約5メートル)の、
 高さほどの鉄砲水が一気に国道を駆け下った。
 また、
 国道から脇の市道に土砂が流れるのを防ぐため近所の人と、
 土のう積み作業をしていた無職の男性(60)は、
 「突然、高さ3メートルぐらいの木片や岩石の塊が、
 自分たちの横を通り過ぎていった。」
 と恐怖を振り返った。
 (毎日新聞:2009年7月21日/記事編集転載)


  <防府市での22日現在の被害>
 ・146か所で土砂崩れが発生。
 ・21戸が床上浸水。
 ・140戸が床下浸水。
 ・水路や河川の氾濫は112か所。
 ~23日夜の報道
 ・死者11人、行方不明者6人。

 <山口市での22日現在の断水>
 ・約2万9300世帯が断水。
 (Web記事:編集転載/ 2009年7月23日)

 *画像が小さい場合は、
   拡大(タイトル上or画像上をクリック)してご覧ください。

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気象災害メモ:『副振動』 九州~奄美/2009年2月24~26日

2009-02-26 22:34:00 | 自然・気象・災害

 
 2009年2月24日深夜~25日未明にかけて、
 大荒れに見舞われた九州南部地方の情報があった後、
 2009年2月25日~26日にかけて、
 九州西部海岸沿いに大きな波が押し寄せました。

 報道によると『副振動』と言われる現象で、
 滅多に起こらない自然災害となりました。
 (ただし小さな副振動は、珍しい現象ではないようです。)

 私自身、この気象用語を初めて聞きました。
 自分に記憶させるために下記に記事をメモします。


 ~下記、Web記事転載。
  
 *各年・各月の潮汐の解説(気象庁)
 http://www.data.kishou.go.jp/db/tide/gaikyo/explanation.html

 副振動とは、高潮や津波以外の潮位の異常のうち、湾・海峡などで発生する海面の振動現象のことです。 周期は、数分から数10分程度です。


 *『副振動』と『あびき』について。
   ~和歌山県地方気象台~
 http://www.osaka-jma.go.jp/wakayama/engan/engan.html

 副振動「ふくしんどう」[secondary undulation]〈セイシュ〉
 湾・海峡などで発生する水面の振動現象で、比較的短周期の固有振動のことです。
 周期は潮汐より短く波浪よりは長くなります。
 どういう原因に対しどの程度の振幅に達するかは不明の場合が多く港湾で発生する副振動は、外洋域から伝わってくる気象や海洋の撹乱などが原因となって起こるとされています。

 周期は数分から数十分程度。
 振幅は数センチから数十センチで急激に潮位の変動が起こることもあります。
 長崎で起こる「アビキ」と呼ばれる現象は副振動の顕著な例です。

 *以下に昭和54年3月に起きた「アビキ」についての説明。 
  ~海と安全:'98-9 今井正直から~

 長崎湾では、春先を中心に、多くは穏やかな晴天時に、数10分の周期を持つ顕著な海面の振動が発生します。
 これは、長崎湾の副振動(満潮と干潮による大きな海面の振動を主振動と考え、これに対して周期が数10分程度の港湾の固有振動を副振動と呼びます)で「アビキ」と呼ばれ、この土地では古くから知られています。
 アビキという名称は湾内での漁において網が流されること=「網引き」が語源であると言われています。
 この副振動は奥まった内湾なら大なり小なりどこにでも発生していて、特に珍しいわけではありませんが、長崎湾の副振動は他の湾に比べて振幅が非常に大きく、しばしば被害を出します。

 副振動は、通常、風、気圧の急変、津波、高潮等を原因として海洋に発生する長波により誘起されますが、長崎湾の副振動は、台風の通過の様な激しい気象擾乱の時にはあまり発達せず、春先の晴天時に通過する気圧の微少変動によって励起されることが多いのが特徴です。
 また長崎湾では、港湾の固有周期と外海から入ってくる長波の周期が近く、共鳴し易いため、副振動の振幅が大きくなります。
 アビキ時には、係船した船の流出、沿岸施設の破損、荷役への影響、大潮期の満潮時ならば低地への浸水、干潮時ならば小型船の座礁等の被害が発生します。


 *副振動:九州などで被害 転覆・浸水など(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/national/update/0225/SEB200902250012.html 

 港や湾内などで海面の高さ(潮位)が急激に変化する現象「副振動」が、
 24日夜から25日にかけて九州沿岸や奄美大島で観測された。
 気象庁によると、
 長崎県や鹿児島県では5~30分の周期で最大約160センチも潮位が変化し、
 小型船が転覆したり、住宅が浸水したりするなど各地で被害が出た。

 長崎海洋気象台によると、25日夕までに観測された副振動の大きさは、
 ・長崎市や鹿児島県十島村で約160センチ、
 ・鹿児島県枕崎市で約140センチ、
 ・同県西之表市で約90センチ、
 ・同県奄美市や長崎県五島市で約80センチなど。
 いずれも周期は5~30分ほど。

 鹿児島県内では25日午後4時半現在、
 ・上甑(かみこしき)島で海水が川を逆流して堤防を越え8棟が床下浸水。
 ・薩摩川内市や南さつま市など3市で計12隻の小型船が沈没、7隻の小型船が転覆。
 ・薩摩川内市上甑支所によると同島の浦内(うらうち)湾の堤防で目測したところ、
  最大で約250センチの潮位変化があったという。

 熊本県内では天草下島南部の天草市河浦町で床上浸水が1軒。
 床下浸水が7軒あり市道が2カ所で冠水した。

 気象庁によると、
 副振動は低気圧が中国大陸から日本へ向けて発達しながら進むときに発生しやすい。
 今回は日本から大陸にかけて延びた停滞前線付近での気圧変化が「引き金」になったと考えられるが、これほど大規模なものは珍しいという。
 (2009年2月25日:朝日新聞・記事転載)


  *2月26日午前に観測された海面の最大振幅は、
 ・枕崎75センチ、
 ・種子島53センチ、
 ・奄美50センチなど。
 鹿児島地方気象台は、今後も急な海面の昇降や強い流れが繰り返し発生する可能性があり、
 船舶の被害や満潮前後には河口近くの低地で浸水に注意が必要としている。
 (2009年2月25日:南九州新聞ウェブ・サイト・記事転載)

  
 *副振動は「あびき」とも呼ばれ気圧や風の急激な変化が引き起こすと考えられている。
 気圧が高いと海面が下がり、低いと上がることなどから、海水に振動が発生。
 さらに、海底のでこぼこな地形の影響を受けて振動が増幅し、入り江のような狭い場所に入ると振幅が大きくなる。
 長崎港では1979年3月31日に2メートル78の振幅を記録している。
 副振動はこれまで全国各地で確認されているが現状では発生を予測することは難しいという。
 今回は東シナ海で気圧の急激な変化が起きたためとみられる。
 (2009年2月26日:読売新聞・記事転載)


 *鹿児島県内は24日夜から25日にかけて大気の状態が不安定になり、ヒョウや雷などに見舞われたほか、気圧変化で海が大きくうねる現象「副振動」による海面上昇も起きた。
 指宿市ではヒョウによるソラマメなどへの農業被害が判明分だけで3億円を超え薩摩川内市・甑島列島などの沿岸部では漁船の転覆が相次ぐなど大荒れとなった。
 25日未明に指宿市山川、開聞地域のヒョウと突風による農業被害額は判明分だけで3億円を超えた。
 日本一の生産量を誇る特産のソラマメは、ちょうど収穫の最盛期を迎えていた。
 ヒョウが降ったのは25日午前0時~1時で、その後に突風が吹いたという。
 (2009年2月26日:読売新聞・記事転載)

 

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愛知県:岡崎豪雨 /平成20年8月末豪雨の記録。 

2008-08-29 22:10:00 | 自然・気象・災害


 *写真はいつも通りの大画面ですので、拡大(タイトルor画像上をクリック)してご覧ください。
   検索から記事に入った場合は、この作業は必要ありません。


 この記事は、2008年8月26から31日頃にかけて、東海~関東地方など広い範囲を襲った豪雨被害<平成20年8月末豪雨>についてのデータを掲載しています。
 この大雨は、2008年8月末頃に、数日間にわたって日本列島に停滞した前線の活動が活発化したことで起きた豪雨災害です。

 前線に向かい南からの湿った空気が、前線の活動を活発にし局地的な大雨を降らせました。
 また、前線の北には強い寒気が南下しており不安定な大気の状態が雨雲の発達に影響を与えたと考えられています。

 日本列島の衛星画像を確認していただければお分かりと思いますが、東海と関東にかかる別々の2つの密度の高い雨雲と、水蒸気の画像の中の南海上にある2つの雲の塊を確認できると思います。
 特に南海上の西側の渦を巻いた雲は、台風のように時計の反対方向に回転し、大量の湿った空気を前線に送り込み、前線を刺激したと考えられます。

 記憶の生々しい、2000年9月11日の東海豪雨の時は、日本の南西に非常に強い台風14号(925hPa)がありましたが、この東海豪雨の気圧配置と、今回の愛知県を襲った豪雨被害との類似点も指摘されています。
 (今回の局地的な豪雨に影響を与えた低気圧の気圧は、1004hPa。)

 また、水蒸気の画面上にフィリピン島の北部・西の海上に、まとまった小さな雨雲の塊を確認できると思いますが、これは28日深夜まで熱帯低気圧として発表されていたものです。
 (この雲の塊が、今回の大気の不安定な状態に影響を与えたかどうかは微妙ですが、留意すべき点だと感じます。)

 今回の豪雨被害もいくつかの気象条件の重なりから起きたもので、数日間気圧配置が大きく変わることなく、列島各地(特に太平洋側)で大雨を降らせました。

 ただし、岡崎市で1時間に146・5ミリもの雨を降らせた原因は、私の理解では特定できず今後の気象庁の発表を待ちたいと考えます。
 (1時間147ミリは、日本の観測史上7番目の記録で、愛知県では過去最多の記録的な雨量。)

 下記に記載する降雨量の
 <名古屋市でのデータは想定範囲内>だと思いますが、
 <岡崎市での雨量を想定することは不可能>だったと思います。
 (想定範囲内=天気図から読み取ることのできる気象予報の限界。)
 
 下記に、今回の雨の特異性を物語る<雨量データ>を掲載しますので、ご確認ください。

<岡崎市の降雨量>
    
所在地:岡崎市美合町地蔵野 標高:47m       
2008年8月29日 

0時→  0ミリ
1時→ 41ミリ
2時→146ミリ
3時→ 52ミリ
4時→ 12ミリ
5時→  2ミリ

<名古屋市の降雨量>
       
所在地:名古屋市千種区日和町 標高:51m       
2008年8月29日  

0時→ 55ミリ
1時→ 52ミリ
2時→ 13ミリ
3時→ 24ミリ
4時→ 22ミリ
5時→ 12ミリ
      

<一宮市の降雨量>
       
所在地:一宮市千秋町佐野字辻田 標高:11m       
2008年8月28~29日 

22時→  3ミリ
23時→104ミリ
0時 → 57ミリ
1時 → 34ミリ
2時 →  7ミリ
      

<八王子市の降雨量>
       
所在地:八王子市元本郷町 標高:123m       
2008年8月28~29日 

21時→ 13ミリ
22時→ 30ミリ
23時→ 40ミリ
0時 → 20ミリ
1時 →  5ミリ
2時 → 57ミリ
3時 → 16ミリ
4時 →  5ミリ
       

<東京:千代田区の降雨量>
       
所在地:千代田区北の丸公園 標高:20m       
2008年8月29日 

21時→ 2、5ミリ
22時→ 0、5ミリ 
23時→ 0、0ミリ
0時 → 0、5ミリ
2時 → 1、0ミリ
3時 → 1、0ミリ
4時 → 6、5ミリ
5時 → 0、0ミリ 


 【愛知県の被害】

 愛知県岡崎市では、29日午前1時~2時までの1時間雨量が146・5ミリを記録。
 気象庁の全国での観測史上7番目となる大雨となった。
 この雨で、愛知県内では、1人が死亡、3人が行方不明となり、1人が重体となっている。

 岡崎市では約14万世帯すべてに、名古屋市でも一時、約36万世帯に避難勧告が出た。
 岡崎市や名古屋市などでの避難勧告は、同日(29日)午後1時までにすべて解除された。

 名古屋地方気象台によると、降り始めから30日夕方までの愛知県内の雨量は、
 岡崎市が448ミリ
 蒲郡市で364ミリ
 豊橋市で350ミリ
 一宮市で272ミリ
 を記録した。

 この雨の影響で愛知県では、幸田町菱池地区の広田川で堤防が約40メートルにわたって決壊。
 岡崎市の伊賀川で護岸が50メートル崩壊するなど12河川16カ所で被害が出た。

 30日夜までの家屋被害は、愛知県と名古屋市のまとめによると、
 愛知県内で、床上浸水が計約1940棟、床下浸水が計約7224棟となっている。
 名古屋市内の被害は、床上浸水が842棟、床下浸水が4757棟。
 岡崎市の床上浸水は、620棟。床下浸水は、約700棟。
 一宮市の床上浸水は、211棟となった。

 
 【他の地域の被害】 

 レーダーによる雨量解析では、
 東京都町田市北部付近で、約110ミリ
 東京都日野市付近で、100ミリ

 神奈川県相模原市東部付近で、100ミリ
 の猛烈な雨が降ったとみられる。

 気象庁の地上での雨量観測では、
 東京都八王子で、62ミリ
 東京都府中では、57ミリ
 
と、いずれも観測史上最大を記録した。
 
東京都の雨量計では、
 
町田市図師町で115ミリを観測

 その他、29日朝までの1時間雨量は、
 福島県川内村で64・5ミリ
 東京都府中市で57ミリ
 広島県福山市で91・5ミリ
 
とそれぞれ観測史上最多を記録した。

 さらに、
 東広島市河内で、88・5ミリ
 広島県三原市本郷で、55ミリ
 埼玉県久喜市で、76ミリ
 岐阜県高山市で、73ミリ
 など多くの地点で観測史上の最多雨量を記録している。

 
 東京都八王子市の京王線:高尾山口⇔高尾間で、普通電車(8両編成)が脱線。
 復旧作業は29日午前も続いた。
 東京都町田市では、土砂崩れで民家の擁壁が崩壊。
 調布市では多摩川の水位が、危険水位を突破。
 八王子市では土砂崩れ4件が発生した。

 神奈川県相模原市では境川が氾濫。
 一時952世帯に避難勧告が出た。

 広島県:福山市では、32戸が床上浸水、415戸が床下浸水した。
 また5カ所で土砂崩れが起きた。
 尾道市では、1戸が床上浸水、54戸で床下浸水、13カ所で土砂崩れが起きた。
 三原市では、市中心部の15戸で床下浸水の被害が出たほか、2カ所で土砂崩れ。


 【追記:30日の被害】 

 本州付近に停滞した前線の影響で30日も、東海~関東地方を中心に全国的に強い雨が降り続いた。
 千葉県我孫子市で30日午後7時10分までの1時間雨量が104・5ミリと、同地点での史上最多を記録。
 千葉県では31日午前0時までに、
 柏市や我孫子市などで床上浸水37棟、床下浸水146棟の被害を出した。
 また、97か所で道路が冠水して車両5台が水没したほか、土砂崩れが4か所で確認された。

 茨城県でも、取手市など南部を中心に床上、床下浸水が計18棟。
 31か所で道路冠水して車両16台が水没した。
 このうち11か所が通行止めとなり、土砂崩れも3か所で確認された。

 30日は、東北~西日本の広い範囲でも局地的に50ミリを超える大雨となった。
 秋田県の男鹿真山で時間雨量56・5ミリ
 雄和で55ミリと観測史上最多を記録。
 北海道夕張市鹿島でも37・0ミリを記録した。

 【Spcial Thanks】
 
 
写真データは、tenki.jp(JWA:財団法人/日本気象協会)内の記事を引用させていただきました。

 *観測データ(降水量)は、yahoo天気内の情報を参考に制作しました。
    見やすいように、0ミリ以下の単位は、切捨てしてあります。
   また、0時と記載される雨量は、23時~0時までの1時間雨量です。

 <関連記事へのリンク>
 
停滞前線、2000年9月8日~9月17日
 東海地方での記録的な大雨(7万棟が浸水/名古屋市で日降水量428mm。)

 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2000/20000908/20000908.html


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突発的豪雨(ゲリラ豪雨)を読む/ 2008年8月4~5日関東。

2008-08-05 23:44:55 | 自然・気象・災害

*この記事は、2008年の8月4日~5日に、関東地方で起きた、
 突発的な天候変化についての情報を記事にまとめ掲載しています。

 <mimifukuの見方。>

 8月5日の昼頃に、東京・豊島区で起きたマンホール内での下水道工事中の事故は、衝撃的な水害事故として、記憶に残るだろう。 
 事故の詳細については、下記の記事を参照にしていただきたい。

 今回の突発的な豪雨は、同じく2008年7月27~28日に、北陸~近畿で起きた豪雨とは傾向が違うように感じる。
 北陸での豪雨は、前線に沿った雨雲の接近が数時間前から確認できたこと。
 また、金沢市・浅野川水害では、基本的な形態として、下層にまで及んだと思われる発達した積乱雲の塊が、浅野川上流の山地にぶつかり、その地域に限定して強い雨を降らせたこと。
 日本海側で、2時間に200ミリを超える雨量を記録した事実以外は、教科書通りの降雨形態であると考えられる。

 しかし、今回の関東で起きた局地的な豪雨の雨雲の動きを、テレビ画面のレーダーで確認すると、東京湾周辺から立ち昇る雨雲とは別に地上から湧き上がる形で雨雲が発達しているように見える。
 一見すると夕立の現象(山側斜面等からの積乱雲の発達)と見えるが、降雨量が夕立とするには尋常ではない。

 気象庁の説明では、教科書どおりの、
 「前線が、南からの湿った空気と、北からの弱い寒気の狭間で大気の状態が不安定になったため。」としている。
 しかし、こうした状況は今年だけではなく、過去にも何度も経験済みの気象配置のはずだ。

 もうひとつ注目されるのが、ヒートアイランド現象。
 「様々な要因で熱っせられた都市の空気が、上昇気流となって海上からの湿った空気を呼び込むことで、積乱雲の発達を助長し、短時間に豪雨を降らせる。」とされる説である。

 東京では、この日を含め26日間連続の真夏日を記録している。
 充分に暖められた地表に向かい、前線+北の寒気+南の湿潤な空気。
 さらに、今日の午前9時30分には、日本の南西海上に台風9号が発生。

 今回の台風9号は、香港の南に位置し、はるか遠くに存在する。
 こんなに離れた台風(熱帯低気圧)が、日本列島に影響を与えるのかは疑問だ。
 しかし、時計の反対廻りの台風が、南西海上にあると日本列島に南風をもたらし、前線の南側では大量の雨を降らせることは知られているし、その南風はフェーン現象を生み出し、列島の気温を上げる確立も高いように思う。
 台風時、暴風域と強風域にばかり目が取られるが、遠く離れた微風域が大気や前線、あるいは気温にどのような影響を与えているのか調査が必要だろう。
 *この日(8月5日)は、岐阜県多治見市で38度を超える猛暑日を記録。

 個人的な話で恐縮だが、私の住む石川県では、昔から沖縄(南西の方向)に台風があると気温が2~3度上昇すると言われている。
 初めてこの話を聞いたのは、高校生時代に土建屋さんのアルバイト先で、「今日は暑いですね。」と話しかけた時に、職人さんから教わったものだ。
 後にも、農家の人や地元の大工さんなど、外仕事をされる方に同じような話を聞いた。
 暑さを体感する人達の経験が生んだ言葉なのだろうと思う。
 しかし、気象学の教科書には、遠くはなれた台風と気温の関係に触れているものはないと感じる。
 
*ただし、すべての台風が気温に密接するわけではなく、7~9月の期間が著しい。
   また、日本海側を通る台風は、例外なくフェーン現象をもたらし大幅な気温上昇が見られる。

 今回の突発型の豪雨の原因についてのキーワードは、
 *前線の活動。
 *北からの寒気。
 *南からの湿った空気。
 それに加えて、
 *地表(下層域)温度の上昇(ヒートアイランド等)。
 *南西海域の台風(熱帯低気圧)の存在。
 
の5点セットが揃うことで起きる現象だと感じる。

 例えば、7月27日~28日の北陸地方の豪雨の時は、台湾周辺に台風8号が存在した。

 しかし、8月2日~4日にかけての北海道~北日本の大雨は、長時間でまとまった雨量を記録したものの、短時間豪雨情報は入ってきていないと認識している。
 この時は、南西海上には台風はなかった。

 8月4日~5日(あるいは6日)の関東での短時間豪雨は、4日の時点での熱帯低気圧の存在を見逃すことはできない。
 (追記:8月6日は、近畿地方~飛騨地方で局地的豪雨を記録し、被害を出している。)

 ひとつ仮想例を書かせていただくなら、金沢でのスポット豪雨は、西から東に直線状に延びる雨雲(積乱雲)が、金沢市の都市部上空でヒートアイランド現象で熱せられた下層の空気が、進入してきた積乱雲を刺激・発達させ、浅野川上流の山沿いに辿り着いたと考えることもできないか?
 金沢でも、この日以前は、15日間連続真夏日を記録していた。

 遠く離れた台風の存在を意識すること。
 前線が近づく前の観測地での、長期間の高温状態や、ヒートアイランドの有無を気象予報の参考にすること。
 こうした特記事項をひとつ、ひとつを分析し、今後増えるであろう突発的(突然現れる積乱雲)な豪雨を予測することは肝要であると感じる。

 表記に<ゲリラ豪雨>としたが、この表記は気象学を考える上で適当でないと感じるので、敢えて表記した。
 報道機関は、下世話な造語の使用を慎むべきだし、気象用語は後世に正しく伝えなければならない義務がある。
 *ゲリラ:( 小戦争の意味。ナポレオン一世が、スペイン征服当時、スペイン軍がしばしば用いた戦法に由来する。)

 遊撃戦を行う小部隊、また、その遊撃戦法。<出典:広辞苑第4版。>
 *ゲリラ2:ゲリラの意味は、本来武装勢力に対して用いられるべきものが、ベトナム戦争の折、<ゲリラ戦で相手を攪乱する>との戦法が、神出鬼没な奇襲戦法であったために、突然に襲ってくる突発的な出来事をゲリラ的などと表現したため、言葉の変化は、時代の流れの中で、
 <ゲリラ=突発的な事態:出来事>に対して用いられるようになったと考えられる。

 ただし、今までとは違った短時間型集中豪雨の出現が今後も増えると考えられるので、
 気象予報上の新しい表現も必要に思う。
 
あくまでも素人の個人的な見解ですので、誤り箇所があればコメントで指摘してください。

*大気の状態不安定による大雨。
  (PDF気象庁) 8月4日~8月9日
   http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/new/jyun_sokuji20080804-09.pdf

 
 <8月5日の被害・豪雨>

 5日午後0時20分ごろ、東京都豊島区の住宅街で下水管工事現場の地下マンホール内で、工事中の男性5人が流され、そのうち1人が死亡、4人が行方不明になっている。
 流された5人の作業員は、古くなった下水道管を補強するため、管の内壁に樹脂を張り付ける作業をしていた。
 現場付近の豊島区南大塚では、午後0時~午後1時頃の間に、66ミリの大雨が降った模様で、短時間に大量の雨水が下水道内に一気に流れ込んだことが、今回の事故の直接的な原因だと考えられる。
 この工事は、大雨警報の発令時には、すべて中止の対策が立てられていたが、大雨洪水警報が出されたのは、事故発生から約50分後とされている。

 東京・足立区では午後1時前、道路が大規模な陥没を起こし、オートバイに乗っていた男性が、この穴に落下し、腰の骨を折る重傷を負った。

 新宿区では午後1時頃、マンホールなどから水があふれ、商店などが浸水。
 床上浸水等の被害が、各地で相次いだ。

 成田空港では、午前11時からの1時間雨量73ミリという非常に激しい雨を観測。
 運航に影響が出た。

 栃木県那須塩原では、50ミリ。静岡市で、43ミリ、群馬県赤城山で、43ミリなど、雨は広範囲に渡って降っている。

 この日東京では、26日連続の真夏日だった。


 <8月4日の被害:落雷・停電>

 4日午後、関東甲信地区を中心に局地的に激しい雷雨となった。
 山梨県では、ほぼ全域の約56万戸で、午後6時29分に一斉に停電があり、全面復旧まで約1時間半かかった。
 南アルプス市では停電で信号が作動せず、交差点で女性がひき逃げされ死亡している。
 原因は落雷による送電トラブルとみられている。

 JR中央線や総武線、西武鉄道、東武鉄道が落雷による停電などでダイヤが大幅に乱れた。
 東京都内では、西武鉄道が午後4時20分ごろから約1時間45分にわたり、新宿線、国分寺線、拝島線、多摩湖線の全線で運転を見合わせ、約12万人の足に影響がでた。
 JR線も、東京都あきる野市の東秋留駅近くに落ちた落雷の影響で、同駅構内の信号制御装置にトラブルが発生し、五日市線が約4時間40分間にわたって運転を中止した。

 山梨県の大月では、観測史上最多の、1時間79ミリの雨量を観測。


 <原因:毎日新聞Web記事より転載。>

*集中豪雨:広範囲で積乱雲が急激に発達/関東甲信。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20080806k0000m040082000c.html
 
 8月4日~5日、関東甲信地方に大きな被害をもたらした集中豪雨は、上空に寒気、地表付近に暖気があり、それに暖かく湿った空気が流れ込んだのが原因で、広い範囲で積乱雲が急激に発達したとみられる。
 
 気象庁によると、例年は太平洋高気圧が日本列島を広く覆って安定した晴天が続く。
 しかし今回、関東甲信地方は二つの高気圧に挟まれ、その間の上空約6000メートル付近に氷点下4,5度の寒気が流れ込んだところに、地表~約1500メートルに暖かく湿った空気が入り込み、大気の状態が極めて不安定になった。


*大雨:発達した積乱雲が引き起こす/北陸近畿。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080729k0000m040150000c.html

 大阪管区気象台によると、7月27日~28日に、北陸近畿地方に大きな被害をもたらした集中豪雨や突風被害は、いずれも発達した積乱雲の影響で、仕組みは同じだったと考えられる。 
 専門家の意見として、台湾付近の台風8号の影響や、上空の気温がいつもより低かったことなどの複数の条件が重なった結果で、「かなり珍しい現象」と見られる。

 積乱雲は、入道雲とも呼ばれ、夏場に雷雨を起こす。
 発達には、湿った空気が大量に供給されることが条件。
 温度の高い地上と、冷たい上空との温度差が大きく、大気の対流が起きやすい不安定な状態であることも必要だ。
 7月27~28日は、日本海から北陸、関東にかけて東西に前線が延び、太平洋から暖かく湿った空気が流れ込んだ。
 さらに、台湾付近にあった台風8号の影響で、湿気の流れが増強された。

 地上は30度を超える暑さ。
 一方、高度5000メートル付近の上空の気温は、通常より3~4度低い氷点下6~7度だった。
 地上と上空との温度差がいつもより広がり、積乱雲の発達が促された。
 また、発達した積乱雲からの激しい下降気流が四方に広がって吹きだし、突風が起きたと考えられる。


  気象庁、初の異常気象分析検討会。(8月8日)

 気象庁は、7月以降の西日本の高温と少雨を議題に異常気象分析検討会を開きました。

 西日本では7月の気温が平年より1・6度も高く(東日本でも1・5度高)、1946年以来、第3位の高温を記録しています。
 また、西日本の太平洋側の降水量は平年の29%にとどまっており、過去最少の降水量を更新するなど異常気象となっています。

 これについて検討会は、
 7月下旬以降に偏西風が弱く、さらに蛇行も見られ、西日本上空を中心に高気圧が強まりやすい状況になったことなどが要因とする見解をまとめています。
 この原因は、北緯20度付近から赤道にかけてのインド洋で対流活動が活発になると、偏西風が影響を受ける傾向があるとし、梅雨前線の活動が活発でなかったこととも関係しています。

 *原因のまとめ。
 「上空に安定した高気圧が居座った。」
 「日本上空の偏西風が蛇行することで、梅雨前線の活動が弱まった。」
  ことが、西日本での高温少雨に関係していると結論付けました。

 また、最近の局地的豪雨についても触れ、
 「温暖化が局地的豪雨の一因となっている」との見解を示しました。



 <関連記事>
 スポット的集中豪雨対策、~携帯電話の雨雲レーダーの活用。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/10bc8c4b698deb79022987c4af5957b4

 

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北陸豪雨/金沢:浅野川水害と、日本海側の防災対策。

2008-07-29 23:06:06 | 自然・気象・災害


 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/10bc8c4b698deb79022987c4af5957b4 ←のつづき。

 7月28日の朝、金沢市周辺から、富山、新潟へとのびる前線の雨雲が、思いもかけぬ災害を出すこととなった。
 
 前日の記事でも書いたが、今回の雨雲の猛烈な発達を予期することは、困難だと考える。
 今回の大雨のシナリオは、(梅雨)前線が南下したことで北陸にかかり、その前線の南西方向にあった台風8号の湿った空気が高気圧のヘリに沿って前線に向かって流れこんだことと、北東方向にあった寒気団が南下したことで、前線付近の大気が不安定になったとされている。
 
*列島は、梅雨明けしているが、(梅雨)としたのは、近年起きた日本海側での記憶に残る集中豪雨が梅雨末期に起きていることと今回の豪雨の記録を検証するためだ。

 平成16年の7月、新潟県・福島県と、福井県・岐阜県を襲った豪雨を振り返ってみよう。
 この年は、日本列島に10個の台風が上陸した年として記憶に残っている。

 【新潟:福島】
 2004年7月12日夜~13日にかけて、日本海から東北南部にのびる梅雨前線の活動が活発となった。
 13日朝から昼頃にかけて、新潟県中越地方や、福島県会津地方で非常に激しい雨が降り、日降水量は、新潟県栃尾市で421mm、新潟県加茂市で、316mm、福島県只見町で325mmを観測するなど、記録的な大雨となった。
 この集中豪雨により、新潟県三条市、見附市、中之島町を流れる五十嵐川や刈谷田川では、相次いで堤防が決壊し、多数の浸水害が発生した。 

 【福井:岐阜】
 7月17日夜から、18日にかけて、活発な梅雨前線が北陸地方をゆっくりと南下したのに伴い、福井県や岐阜県で大雨となった。
 特に、18日朝から昼前にかけて福井県で非常に激しい雨が降り、福井県美山町では、1時間に96mm の猛烈な雨が降り、期間降水量は、7月の月降水量の平年値(236.7mm)を上回る285mmとなった。
 また、福井市では18日の日降水量197.5mmを観測した。


 今回の金沢での豪雨と、上記の豪雨を参照にすると日本海側の防災の概念は覆される。

 私の知る限り、日本海側での水害の防災対策の基本的な数値は、
  1時間、50ミリ 
  3時間、100~120ミリ
 24時間、150~180ミリ
 くらいであったと記憶している。
 
(ただし、数値降雨の少なくとも3日前までに、大雨がないことが前提条件で、前日や前々日に100ミリを越えるような降雨が記録されていれば、数値の半分の値でも災害を引き起こす可能性は高い。)

 24時間雨量300ミリ超えも想定している、九州や四国の方々にしてみれば、驚くほど少ない数字だと思う。
 現実的にはインフラ整備も進み、3時間150ミリや、24時間200ミリの降雨量でも水害が出ないような整備が行われている箇所もあり、100年に一度の大雨にも対処した防災整備を謳う自治体もある。

 しかし、今回の金沢での大雨の数値を見て驚いたのは、短時間でのスポット的な豪雨だったこと。

 県央土木総合事務所が発表した観測雨量日表(10分単位)を見てみると、

 芝原橋地区(金沢市山間部湯涌温泉周辺)での降水量は、
 6時台 :15㍉、17㍉、25㍉、21㍉、16㍉、20㍉
 7時台 :30㍉、23㍉、28㍉、 9㍉、13㍉、 8㍉
  となっている。

 この数字を見ると、6時30分~7時30分までの1時間で、最大138ミリの豪雨を記録。

 数字を検証すると、
 3時間雨量:228ミリ。
 24時間雨量:262ミリ
となり、

 特に6時~7時半までの1時間30分で、約200ミリの降雨があったことが確認できる。
 
(画像データは、記事先頭のリンク先に記載。)
 ただし、金沢市での他の観測点では、俵地区の24時間雨量:70ミリが最大のようだ。
 
医王山付近で、110・5ミリの情報もある:下記)

 
 雨雲の進入のタイプは、福井での豪雨と酷似しており、
 <時速50キロメートル位のスピードで、西から東に移動する猛烈に発達した積乱雲と思われる低い雲が、一筋の雨雲(線上降水帯)となって、一直線に芝原橋付近に辿り着き、積乱雲が、山地に堰き止められることで大雨を降らし、その雨が平地に向かい流れ込んだことと、市街地でも、およそ30~50ミリの1時間雨量を記録していたために降水が一気に浅野川に流れ込み排水が間に合わない所へ、上流から日本海側では想定することがない降雨量により出現した鉄砲水が、一気に山沿いから平地へと流れ込んだ。>
 このことは、理解できる。

 しかし、今回の豪雨の特徴は、なぜスポット的に一箇所で大量の雨を降らせたのか?
 更に南下しても雨雲の勢力が変わらず、なぜ近畿地方にまで短時間での記録的な大雨を降らせたのか?
 また、前日の敦賀市での突風はなぜ起きたのか?
 この答えを気象関係者は懸命に探していると思う。

 個人的な推測であるが、陸上での温度上昇が今回の突風やスポット豪雨の原因に繋がるのではないかと思う。
 日本列島では、連日、真夏日や猛暑日が続き、雨のない陸地には、暖かい空気が充満している。
 今年は、7月の早い時期に梅雨が明け、空梅雨の状況の中での梅雨明けと同時に晴天(猛暑)が続いた。
 夜間でも気温が下がることはなく、こうした状態の中で、フェーン現象が起きた昨年の8月、いたるところで列島の最高気温の記録を更新した。

 今回の豪雨や突風も地表(陸地)の温度が上昇したことで、教科書どおりに解釈すれば、陸地の空気は軽くなり、陸地の空気の層(大気の最下層)に低気圧が発生したとの見方もできると思う。
 その陸上低気圧が、海上で発達した積乱雲の接近に何らかの影響を与えたのではないか?
 日本海側で、100ミリを超える豪雨を説明し、言葉に置き代えようとするなら、こうした推測がなければ答えを出すことはできない。
 

 もう一度念を押すが、
 日本海側のインフラ整備の降雨量の最大基準値は、
 1時間50ミリ、3時間120ミリ、24時間200ミリである。

 1時間で100ミリ、3時間で200ミリなどの基準値でインフラ整備をすることは不可能であるし、そのための予算を組めば数10兆円でも追いつかないだろう。

 今回の豪雨が、偶然起きた一時的なものか、今後も日本海側各地で頻繁に起きる可能性があるものかは未知数だが、行政にできることは、住民に素早く的確な降雨情報を出せるかどうかが鍵となるだろう。
 
 そのためには、今まで以上に細やかな気象情報の構築と、地方気象台が出す地域情報同士の連携。
 さらに地方行政機関(市町村単位)での情報把握能力の向上と、スムーズな伝達手段が求められる。

 今回のスポット豪雨のような水害は、新潟で起きた集中豪雨の時と同様の常識では検知することはできない。
 *日本海側での集中豪雨の常識は、前線の停滞による長時間の蓄積雨量で、1時間50㍉の雨を記録することは、1つの地域では数年に一度のことだった。

 今回の、
 北陸地方での短時間豪雨災害は、
 日本海側での降雨の常識に大きな転換を求める警鐘
 
なのかも知れない。

 素人の私の能力では答えは出せない。

 資料:大気の状態不安定による大雨と突風(PDF気象庁)。
 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/new/jyun_sokuji20080727-29.pdf

 <北陸地方の豪雨/浅野川周辺での集中豪雨:7月28日朝>

 毎日新聞 2008年7月29日の記事へのリンク。
 
http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20080729ddlk17040650000c.html

 *上記の記事を下記に転載しました。

  金沢市の風情を象徴する浅野川が、28日未明から朝にかけての集中豪雨で氾濫した。
 流域の2万世帯約5万人に一時避難指示が出され、ピーク時には約800人が避難。
 短時間に流域を襲った雨に住民はなすすべもなく、市内では床上282、床下274棟が浸水したうえ、交通の乱れや停電の被害が出た。
 
 ◆被害状況

 金沢地方気象台によると浅野川上流の医王山付近では、午前5時ごろから降り始め、午前6時からの1時間雨量が54・5ミリを記録。
 午前0時から午後5時まで110・5ミリに達した。

 湯涌温泉近くの芝原橋で午前6時40分、市中心部の天神橋や小橋では同7時40分~同8時にかけ、それぞれ警戒水位に達し、浅野川流域では、主計(かずえ)町や湯涌町など6カ所、高橋川流域では四十万町など4カ所で河川の水が堤防を超えた。

 金沢市は浅野川流域の世帯に避難指示を出し、45カ所の避難所には、計817人が一時避難。
 県などによると、冠水や倒木などで計8カ所の道路が通行止めとなった。
 北陸電力石川支店によると、土砂崩れなどの影響で、市内で最大約1220戸が停電。
 北陸鉄道の浅野川線が上下線とも午前中、運休した。

【 野上哲記者、高橋慶浩記者、栗原伸夫記者 】


  <北陸大雨:床上、床下浸水2700棟>

毎日新聞 2008年7月30日の記事へのリンク。
http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20080730ddlk17040733000c.html

 *上記の記事を下記に転載しました。

 金沢市を流れる浅野川が氾濫した局地的な集中豪雨から一夜明けた29日、全壊家屋1棟、床上・床下浸水が約2700棟など、大きな被害が出ていることが県や市の調査で分かった。
 この日も被害に遭った住民は泥を取り除く作業に追われ、商売をあきらめる店員も。
 県や市は相談窓口などを設置し、被災者の再建に乗り出した。
 「いつどこであってもおかしくない」災害に、水防計画の再検討も迫られる。

 ◆被害拡大

 県のまとめでは、29日午後5時現在、全壊家屋1棟、住宅の床上浸水が541棟、床下浸水が2141棟と被害が拡大した。
 金沢市では、物販や飲食店などの商業施設167軒、製造業などの15軒が浸水した。
 降雨の激しかった湯涌温泉では、旅館5軒が被害に遭い、宿泊客124人は28日夕に全員帰宅した。

 ◆ライフライン

 道路・河川では、32カ所で堤防が壊れるなどの被害を確認。
 判明分だけで被害額は約10億円に上った。
 また、農業関係では、水田26・3ヘクタール、果樹園1・8ヘクタールが冠水したり、土砂が流れ込んだ。
 農道も8カ所でのり面が崩壊、用排水路計10カ所に土砂が流れ込むなど、引き続き被害状況を調べている。

 ◆知事「計画検証したい」

 午前中の災害対策本部員会議後、谷本正憲知事は、浅野川流域にある水門の一部が閉鎖できなかったことなどを指摘され、
 「同時多発的にいろんなことが起き、手を打つのが遅れたところは反省しなければならない。浅野川にはダムを作れないので、犀川への放水で受け止めてもらうしかないが、もう一度水防計画を検証したい」と話した。

 ■視点

 ◇55年ぶり浅野川はんらん。

 浅野川のはんらんは1953(昭和28)年7月23日の加賀水害以来、55年ぶりだった。
 県史によると、加賀水害は梅雨前線の停滞で広範囲の被害をもたらし、死者1人、行方不明3人、床上浸水4250棟。
 浅野川では、浅野川大橋を除いてすべての橋が流出したと記録されている。

 当時と比べて、県単位や梅雨前線など広域の気象予報の精度は格段に高まっている。
 しかし、積乱雲が発達して、非常に狭い範囲で短時間にだけ起こる集中豪雨がどこでいつ起こるかの予測には、いまだに限界がある。

 発達した積乱雲による災害の怖さは、局地的であること、そして被害が、雨の実感がない場所にも及ぶことだ。
 28日も、同じ金沢市で気象台のある西念では午前5~6時の間に19・5ミリ降ってやんだのに、わずか15キロ南東の湯涌温泉付近で、県の雨量計は午前7時前後の1時間に138ミリの猛烈な雨を記録していた。
 予測に限界がある中で、被害を最小限にとどめるために大切なのは、実況情報の早い伝達だ。

 県河川総合情報システムは、市街地で浸水が発生する前の午前7時現在で、湯涌温泉近くの浅野川・芝原橋の水位が3・4メートルに達し、堤防の高さ(3・2メートル)を超えているというデータを収集していた。

 水位はホームページにリアルタイムで公表されているが、これを見た住民はほとんどいないだろう。
 もし、すぐに下流の河川敷で放送するなどして住民に広報していれば、少しは被害が違っていたかもしれない。
 防災機関は、増水について、緊急地震速報のように情報を住民に直結する必要があるのではないか。
 神戸市の川での悲惨な事例を繰り返さないためにも。

【日本気象予報士会北陸支部・松田秀敏談】


 <浅野川の水位の変化と金沢市の対応>

6時30分:1時間雨量が湯涌地区で138ミリを記録
6時40分:上流・芝原橋で警戒水位の2・10メートルを記録
7時00分:同橋で堤防の高さを超える3・41メートルを記録
7時40分:下流・天神橋で警戒水位超の1・89メートルを記録
7時50分:同橋で危険水位超の2・29メートルを記録
8時00分:湯涌地区に避難準備情報
8時40分:天神橋で最高水位3・36メートルを記録
8時45分:浅野川流域避難勧告
8時50分:同避難指示

【高橋慶浩記者、栗原伸夫記者】

 

 <局地的豪雨想定外/放水量規制影響か?>

読売新聞:2008年7月29日の記事へのリンク。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20080729-OYT8T00122.htm

 *上記の記事を下記に転載しました。

 金沢市中心部には、浅野川と犀川の二つの主要河川が、南から北へ流れている。
 今回氾濫(はんらん)したのは東側の浅野川だった。
 二つの川は、ともに南部の山間地に水源を持つが、県などは、浅野川上流域で局地的な雨が降ったのに加え、1955年ごろから続く治水工事が完了していなかったのが氾濫の要因とみている。

 「男川」と称される犀川に対し、浅野川は「女川」と呼ばれる。
 浅野川沿いには茶屋街などが広がり、市民や観光客が河川敷の遊歩道を散策する姿も見られるなど、普段はゆるやかな流れが特徴だ。

 県河川課によると、浅野川を含む大野川流域の河川は、100年に1度の大雨を想定し、2日間で260ミリの雨が降っても対応できるという。

 しかし、これは流域全体に雨が降った場合の想定。
 今回は、浅野川上流の湯涌温泉に近い県の観測地点(金沢市羽場町)で、午前6時半からの1時間に138ミリを観測。
 午前5時~9時の4時間では254ミリを記録した。

 同課では「気象台のデータと比べると過去最高の雨量だと思う」とし、犀川上流の内川ダムで午前6~7時に48ミリだったのと比べ、短時間に特定地域で集中的に降ったのが、下流で水位が急上昇した原因の一つとみている。

 また浅野川、犀川とも、過去、洪水や橋の流失被害が起きている。
 浅野川では53年に大きな水害で、当時は木造だった橋がいくつも流され、浸水被害も多発した。
 その後、堤防のかさ上げや河川改修で水害防止対策が取られてきた。

 犀川も氾濫を繰り返していたが、上流に二つの洪水調節機能を持つダムが設置されたことで、それ以降は氾濫が無くなった。

 県は、河川整備計画で、二つの河川をセットにして市全域の治水対策を進めている。
 浅野川上流は地形上、ダム建設は難しい。
 そのため、犀川上流にはダムを造って水量を調節し、浅野川は犀川へ放水路(全長約1・2キロ・メートル)を結んで水位を管理している。

 浅野川自体は毎秒460立方メートルの水量を流すことができ、放水路は毎秒250立方メートルを放水できる設計だという。
 しかし、建設中の辰巳ダムを始め、犀川下流域の河川改修工事が完了していないため、実際の放水量は同150立方メートルに規制しており、放水路の全能力を発揮できなかった影響は大きいとみられる。

 同課は、「現段階で放水路を全開にしてしまうと、今度は犀川で被害が起こる恐れがある」としている。

 

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