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mimi-fuku通信

このブログを通して読み手の皆様のmimiにfukuが届けられることを願っています。

2014年:年末総選挙(衆議院議員選挙)の読み方。

2014-12-12 22:03:33 | 政治・社会・時事

これほど盛り上がらない衆議院選挙は初めてだ。
特に私の住む石川2区は、『民社党』が候補者擁立を断念。
<自民党vs共産党>の構図に追い打ちをかけ、
選挙当日の日本海側のお天気は雪(大雪予報)。

多くの有権者が選挙に行く理由も見つからず、
石川2区では投票率が50%を割る可能性も高い。

【2014年:年末総選挙】
自民党・安倍総理が仕掛けた大勝負に対立政党が慌てふためく。
安倍総理にしてみれば、
・アベノミクスと呼ばれる日銀を巻き込んだ金融緩和政策の是非。
・5%増税後の景気低迷による消費税8%増税先送りの審判。
を争点に選挙に打って出たと巷で耳にする(マスコミ関連)。

しかし、安倍総理の心情は、
・次の一手を打つために4年間の時間が欲しい。
・内外の抵抗勢力(原発・安保・国体等)の弱体化。
を目論んでの大勝負との見方が強い(酒場の政治通)。

*****

二大政党による政権選択選挙として行われた2009年の総選挙。
著名政治家による新党乱立により行われた2012年の総選挙。
過去2回の選挙は良くも悪くも小沢一郎氏が蒔いた種の影響は強い。
また、
2012年の選挙は橋下代表人気にあやかり得を得た者も多い。

2014年の選挙は小沢・橋下・石原氏のような影もなく、
小選挙区制(多者択一)による候補者任命であれば『安倍自民党』の圧勝。
『民主党』の海江田代表は“人は好さそう”だが日本を託す人材でないことは誰の目にも明らか。

参議院選挙での大敗でも海江田退陣論は起きずに、
ずるずると今日を迎え選挙に臨む民主党の怠慢。

橋下人気に便乗した石原新党は『維新の党』と分裂したことにより、
高齢議員による“極右政党”としての位置付けが確定。
今回の選挙で一番損をするのは、
アジアの緊張を煽った『次世代の党』だろうことは想像がつく。

『生活の党』は候補者逃亡。

『みんなの党』は分裂後の解党騒ぎ。

『社民党』は護憲一本やりで政党としての体裁を整えていない。

『公明党』や『共産党』は固定票が確実なので、
投票率が低ければ低いほど候補者には有利。

*****

別に綴る必要のない文書だがメモとして保存。

恐らく、
この選挙で石原、小沢のお騒がせ政党は消滅。

<自民+公明vs民主+維新(橋下排除)>
の2大政党の構図が再構築されれば、それで良し。

安倍総理の大博打は自民党内から称賛されながらも、
歳末商戦に水を差した責任も指摘。

巷の居酒屋談議は“そんなところ”か(笑)

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【森喜朗元首相×プーチン・ロシア大統領】:北方領土問題と相互の信頼(友情)。

2013-02-20 22:22:22 | 政治・社会・時事

森喜朗元首相が今日(2013年2月20日)午前に成田発の日航機でロシアへ出発。
安倍晋三首相の特使としての渡露は21日にプーチン大統領との直接会談。
民主党:野田佳彦前首相の要請を快諾し昨年に訪問する予定が政権交代。
自民党:安倍晋三首相の親書を持ってのロシア訪問が実現。
世の中とはつくづく皮肉なものだと感じる。


何故に引退した森喜朗氏なのか?
の理由をWeb記事から探ってみた。


※※※※※

<森元首相がプーチン大統領と2月21日に会談>
安倍晋三首相の特使として森喜朗元首相が20日からロシアを訪れ、
21日にプーチン大統領と会談すると発表した。
首相は4~5月の大型連休前後にロシア公式訪問を調整しており、
森氏に託す親書で停滞する北方領土交渉の前進に向けた意欲を伝える。
プーチン氏も関係強化に前向きだが双方が納得できる解決策は見えていない。

森氏とプーチン氏の親交は深い。
森氏は首相就任直後の2000年4月。
初の外国訪問先としてロシアを訪れ大統領就任直前のプーチン氏と会談した。
「プーチン氏は自身が政権基盤を固める前に真っ先に訪れた外国要人として今でも森氏を尊重している」
(日ロ外交筋)

両氏は首脳会談を重ね2001年3月。
平和条約締結後の歯舞、色丹2島の日本への引き渡しを明記した、
日ソ共同宣言の法的有効性を確認する「イルクーツク声明」に署名した。
首相周辺は森氏の訪ロで「日ロ間に温かい雰囲気ができればよい」と期待する。

プーチン氏も領土交渉の進展には前向きだ。
昨年3月、大統領選直前に開かれた外国メディア向けの記者会見では、
「引き分け」との表現を使い領土問題に決着を付けたい考えを示した。
背景には主力産品である天然ガス価格が北米のシェールガスの普及で急落する中、
日本との関係強化で経済のてこ入れを図りたい思惑がある。
中国の台頭をにらんだ日ロ安全保障協力にも意欲的だ。

ただ具体論に踏み込めば日ロ間の溝は深い。
日本の立場は「4島返還」だがロシアにとっては「歯舞、色丹の2島返還が『引き分け』」
(日ロ外交筋)との見方が強い。
森氏は1月のテレビ番組で「国後、歯舞、色丹の3島返還」で決着を図る案に言及した。
森氏は日ロ双方の反応を探ったとみられるが、
政府側は「あり得ない」(菅長官)と火消しに追われた経緯もある。
(2013/2/19/日経新聞記事転載)

※※※※※

私は首相在任時代から10年以上にわたってロシアのプーチン大統領と個人的な友情関係を築いてきた。
また私の父の時代からイルクーツクと金沢、
その隣のシェレホフ市と根上町は姉妹都市の関係を結んで草の根交流を続けている。
プーチン大統領と親しくなったのは首相就任直後にロシアを訪問したときである。
準備を手助けしてくれたのは小渕首相の特使でモスクワに渡っていた鈴木宗男さんだった。
鈴木さんは「今度の首相は親子2代でロシアびいきだ」と私を売り込んでくれた。
そのおかげでプーチンさんは私に最初から非常に興味を示した。
サンクトペテルブルクでは夜遅くまで一日中時間をとってくれて、
沖縄サミットは勿論、この年の9月公式訪問も約束した。
9月の首脳会談では領土問題も率直に話し合った。
プーチンさんは「領土問題さえ解決すれば日ロ両国はもっと組める関係になる。
ただ自分は大統領になったばかりだから時間が必要だ」と話した。

小泉純一郎首相の時代に鈴木宗男さんが不幸な事件に巻き込まれてしまった。
私はロシアとのパイプを維持しようと首相退陣後もしばしばロシアを訪れプーチンさんとの友情を温めてきた。
父・森茂喜は日ソ友好協会の石川県会長を長年務めソ連政府も高く評価してくれていた。
イルクーツクと金沢、シェレホフと根上との間で中学生の相互訪問を実施するなど草の根交流に熱心だった。
父は平成元年(1989年)に亡くなる際に私に遺言を残した。
一つは、
日ソの草の根交流を私が引き継げということだった。
父は「悪いのは共産主義でロシア人は善良だ」と言った。
もう一つは、
遺族会や軍恩連を大事にしろ、靖国神社の国家護持も頼むと言い残した。
このままでは戦死した戦友に合わせる顔がないと言った。
父の葬儀にイルクーツクやシェレホフの関係者が参列した。
その際「お父さんの墓を作ったので分骨してほしい」との申し出があった。
イルクーツク郊外に作られた父の墓は大理石でできた実に立派なものだった。
ロシア正教の教会でミサを行い納骨には儀仗兵も参列して盛大な儀式をしてくれた。
母・秋子が亡くなった際も父一人では寂しいだろうと思い母の遺骨もかの地に分骨した。
次は私の番である。
すでに親族には「私が死んだらイルクーツク郊外に分骨せよ」と遺言してある。
私は能美市の生家の母屋を改装して、ここに「森茂喜日ロ友好の館」の看板を掲げた。
ここで毎年イルクーツクやシェレホフのお客様をお迎えしている。

日ロ関係はいよいよ戦略的な重要性を増してきた。
プーチンさんは領土問題で「国の持つ価値観に変化がある」と述べている。
私も両国がいつまでも冷戦時代の発想から抜け出せないのは非常に不幸なことだと考えている。
プーチンさんは大統領再選後の会見で「引き分けという考え方もある」とも述べている。
歯舞、色丹は日本、国後、択捉はロシアというのでは全く引き分けにはならない。
1956年の日ソ共同宣言を踏まえ、
さらにそこから一歩踏み出して両国がどんな知恵を出せるのか。
共同開発方式ということも考えられるのか。
日ロ関係は大事な局面を迎えつつある。
(2012/12/30/日経新聞記事転載)

※※※※※

国会議事堂近くの事務所には毎日、いろいろなお客が見える。
今日はロシアのベールイ駐日大使がいくつかの相談事をもって来訪されました。
ロシアとのお付き合いは実に深いんです。
首相時代に当時のプーチン大統領と「ヨシ」「ウラジミール」と呼び合うほど親密な仲になり、
プーチンさんが首相になった今も信頼関係は変わりません。
だから対ロシアの関係では何かとお呼びがかかります。

ベールイ大使と会談している時にロシア正教の総主教が話題になりました。
その時、あるエピソードを思い出しました。
2000年4月末にプーチンと初めて会い、
その時に彼は本当にロシアを改革する気なんだと確信した出来事です。

首相としてロシアを訪れサンクトペテルブルグで初めてお会いしたプーチンから頼まれたのは、
「ロシア正教会のアレクシー2世総主教が日本を訪問するので、
できれば天皇陛下のご引見をよろしくお願いしたい」
ということでした。
あの当時はソビエト連邦からロシアへ移行してまもなくのころ。
ご存知の通りソ連時代は宗教を認めていなかった。
しかしプーチンはロシア正教を認めモスクワの教会を全部つくり直しました。
そして総主教を自分の最も尊敬する神の使者だと崇め、
人々にも自分の信じる宗教を大事にするよう説いたんです。

マルクス・レーニン主義の一極主義的な考え共産党の独裁体制ではなく、
われわれと同じ民主主義の価値観をもつ国に変わったという、
これほど象徴的なものはない。
「プーチンは本気でロシアを新しい国にしようとしているんだ」
と感じましたね。
そこから2人の信頼関係は一気に深まったというわけです。

新生ロシアにかけるプーチンの強い決意を知るきっかけとなった、
アレクシー2世総主教は残念ながら昨年12月にお亡くなりになりました。
しかしご縁とは不思議なもので後継の総主教に決まったキリル氏とも、
昨年東京の駐日ロシア大使館でお会いしておりベールイ大使からは、
「キリル総主教も森さんに最大の親近感をもっています」
というメッセージもいただきました。
ありがたいことです。

外交は国と国とのお付き合いですが底流にあるのは人と人との信頼関係です。
振り返れば父・茂喜は旧根上町長時代に日ソ友好協会会長として、
町民の皆さんのご理解やご協力も得てソ連との交流事業を始めました。
父の没後シェレホフ市(イルクーツク州)に父の墓ができ、
2001年にプーチン大統領が私と共にわざわざその墓に詣でてくれました。
私とプーチンとの個人的信頼関係が深まり今の日本とロシアの距離は随分と近くなりました。
もちろん難しい問題もあり国として主張すべきことは主張していかなければなりませんが、
こうやって色んな人々が少しずつ信頼関係を築き次代に引き継いでいくことが、
揺るぎない国と国との関係につながっていくのでしょう。
(2009/01/30/森喜朗氏の公式ブログ記事転載)

※※※※※

私の地元である石川県出身の森喜朗氏の言動は居酒屋でも話題の種になる。
昨年の夏頃からか、
“日本が本気になれば北方領土は戻ってくるよ”との庶民の噂話。

話を聞けば本気と言うよりも妥協すれば2島返還は可能な状況とのこと。
また、
森氏に近い方の話では2001年の時点で2島返還に前向きなロシアと、
日本がロシアと近くなることを嫌ったアメリカとの間に政府内で葛藤があったとも?
穿った見方をすれば、
森氏とプーチン氏の緊密を嫌ったアメリカによる森氏パッシング(リーク)と鈴木宗男氏の逮捕。
田中角栄氏のロッキード事件に似た外交の罠(戦略)は酒の肴に“もってこい”の話になる(笑)。

*****


2009年01月の森喜朗氏のブログ記事をピックアップ。
*父は亡くなる際の遺言に、
一つは、
日ソの草の根交流を私が引き継げということだった。
父は「悪いのは共産主義でロシア人は善良だ」と言った。
もう一つは、
遺族会や軍恩連を大事にしろ、
靖国神社の国家護持も頼むと言い残した。

このままでは戦死した戦友に合わせる顔がないと言った。

ロシアと日本の関係は北方領土問題だけではない。
シベリア抑留や満州へのロシア軍の侵攻と略奪。
“それが戦争だ!”
と言っても日本人の多くの方々に残った心の傷。

大凡の日本人はロシア人が嫌いだが、
大凡のロシア人は日本人を嫌ってはいない。
*それは日中&日韓問題同様に戦争の傷跡の記憶。

被害を与えた方は大凡被害に対し無頓着だが、
被害を受けた方は被害の記憶を生涯語り継ぐ。
人間とはそんなものだろうし国家も同様なのだろう。

つまり、
戦後長い間、日本人の心にあったロシア人憎しの記憶の伝播は、
日米の友好が深まるほどに共産主義への疑念=冷戦時代の対立激化。
戦後67年の時間の経過は、
当時の記憶の風化(高齢化)と共に国民感情にロシア人憎しは薄らぎつつある。

ソビエト崩壊後のロシアはエネルギー大国としての道を開きつつある。
ソ連崩壊時(国家財政破綻)に、
北方領土を日本が買い取るとの案も浮上したが実現せず(=噂話)。
その後ロシアがヨーロッパへの天然ガス供給(安定収入)で息を吹き返し、
日本に対し再び強硬姿勢(領土問題は前進せずに北方開発の実施)。
*資源収入を国家財政の柱と考えるロシアの戦略は一筋縄ではない。

*****

注目すべきは昨日(19日)の日本経済新聞の記事。
昨年3月大統領選直前に開かれた外国メディア向けの記者会見では、
「引き分け」との表現を使い領土問題に決着を付けたい考えを示した。
背景には、
主力産品である天然ガス価格が北米のシェールガスの普及で急落する中、

日本との関係強化で経済のてこ入れを図りたい思惑がある。
中国の台頭をにらんだ日ロ安全保障協力にも意欲的だ。

ロシアにとって資源の売り込みと日本の技術力に期待する新たな資源開発。
日本(特に北海道)にとっての脱原発の代替エネルギーとしての天然ガス。
また中国が鉱物資源の政治利用を進める限り続く不安定供給の答えとしてのシベリア資源。
国境線を挟む中国とロシアの関係や対北朝鮮への圧力としてのロシアとの新しい外交関係。
*日本にとってロシアは過去の不信と狡猾な外交から深い友好関係に足踏み(=内圧・外圧)。

2001年9月の首脳会談では領土問題も率直に話し合った。
プーチンさんは、
「領土問題さえ解決すれば日ロ両国はもっと組める関係になる」。


日ロ間の領土問題と年配の日本国民が潜在的に持つロシア人への怨みつらみ。
安定供給が可能になればシェールガスを積極的に売り込みたい?北米企業。
安倍首相とオバマ大統領の会談同様に重要な、
森喜朗氏のプーチン大統領との会談。

 アメリカ×EU×ロシア=綱引き
 日本×ロシア×中国=綱引き
 アメリカ×日本×ロシア=綱引き
 アメリカ×中国×日本=綱引き
 中国×韓国×日本=綱引き

 エネルギー×安定経済×安全保障
 技術力×エネルギー×マネー
 領土×国家×良好な外交

*****

<何故に引退した森喜朗氏なのか?>

外交は国と国とのお付き合いですが底流にあるのは人と人との信頼関係です。

★森喜朗


森喜朗氏のこの言葉は、
“営業とは企業と企業との付き合いだが底流には人と人との信頼関係”
にもつながる営業マンの大原則。

今週の政治は日本の未来を占う多くのヒントが隠されている。
週末に向けて日米&日露外交に目が離せない!
“些細(過去の柵)に拘り大局(未来への展望)を逃がす”
だけは避けて欲しいと強く願う。

※※※※※

【参考記事】

◆森喜朗ブログ
http://blog.mori-yoshiro.com/

▽14回目の「親友会談」(2009年6月8日)
プーチン首相とは大統領時代を含めて実に14回目の会談となりました。
お互い気心があうのか会うと気持ちが穏やかになりますね。
首相と大統領という公的な立場で始まった関係が今では親友の関係に深まったこともあるでしょう。
http://blog.mori-yoshiro.com/index.php?d=20090608

▽政局ばかり(2011年2月25日)
先日、初のロシア訪問を前にした前原誠司外務大臣が、
衆院議員会館のわたしの部屋を訪ねてきました。
ロシア事情をいろいろ教えてほしいというので40分間ほど話をしました。
http://blog.mori-yoshiro.com/index.php?m=201102

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体罰は本当に不要か?(私考の断片)×暴力は絶対に許さない!

2013-01-31 01:00:00 | 政治・社会・時事

1月29日 みみふく通信 ‏@comimifuku
体罰が良い理由はない。 ただし厳しい教師の抑止力。 部活動におけるチームワーク。 チームワークを乱す振る舞い。 全体の中の個人の無気力。 体罰が良い理由はない。 ただし体罰が必要な時がある。 法律で全てを制限すれば。 規律ある統率がとれるか? それでも、体罰に良い理由はない。

1月29日 みみふく通信 ‏@comimifuku
体罰問題の是非を自分に問う。 教師の体罰否定と生徒の無軌道。 教師の体罰否定と保護者の抗議。 教師の体罰否定と生徒間の暴力。 部活間の先輩後輩。 先輩による体罰。 部活顧問の親の役割。 部活顧問の公安の役割。 厳しい顧問の目が光る。 制限の強化と情熱の低下。 マイナス面はないか?

*****

昨日の夜にメモ代わりに使用したツイート。

体罰が良い理由はどこにもない。
ただし厳しい教師が持つ抑止力の必要性。
部活動におけるチームワークと指導者の存在。
チームワークを乱す振る舞いの処理としての体罰。
全体の中の士気に関わる個人の無気力と発破(大声)。

体罰問題の是非を自分に問う。
教師の体罰(権限)否定と生徒の無軌道。
教師の体罰(権限)否定と保護者(モンスターペアレント)からの抗議。
教師の体罰(権限)否定と生徒間(主に先輩×後輩)の暴力。

部活間の先輩後輩。
先輩による後輩への暴力やいじめ。
部活顧問は親代わり?
親の代わりに厳しく指導。
部活顧問の公安官(監視)としての役割。
厳しい顧問の目が光る。
制限(厳しい指導)の強化と情熱の低下。
本当にマイナス面はないか?

体罰が良い理由はない。
ただし体罰が必要な時は本当にないのか?
法律で全てを制限すれば。
全体の中の規律ある統率がとれるか?
それでも、
体罰に良い理由はどこにもない。

※※※※※

1月30日 橋下徹 ‏@t_ishin
オリンピック女子代表チームにも暴力指導。桜宮高校の問題は、もう日本のスポーツ指導の在り方全体まで遡って考えなければならない問題となった。すなわち体育系の大学や、教育大学の授業、クラブの在り方まで遡って考えなければならない。暴力指導は連鎖する。

1月30日 みみふく通信 ‏@comimifuku
五輪女子柔道チームが伝統的な暴力指導だったか園田氏から導入されたか?橋下氏の発言には総てのスポーツ指導は暴力の連鎖によって成り立つとも読み取れるが本当か?殴れたことで人を殴ってはいけないとの指導者はいないか?指導ではなく家庭での習慣的暴力はないか?橋下氏の結論は短絡過ぎないか?

*****

三度(みたび)橋下さんの主張を引用した。
断定的で理解しやすい橋下さんの発言。
果たして正しいのか
私なりに検証する。

オリンピック女子代表チームの選手への暴力行為。
橋下氏が断定する継続的(伝統的)な暴力の連鎖。
本当にオリンピックチームの指導には常時暴力が存在したか?
園田氏が監督になって暴力指導が行われたのではないのか?
過去の代表選手の証言では現役当時は暴力はなかったと耳にする。
過去の検証もなしに断定的に柔道の指導=暴力と決めつけて良いものか?

“総てのスポーツ指導は暴力の連鎖によって成り立つ”
とも読み取れるが橋下さんの発言は本当か?
“実際に殴られたことで人を殴ってはいけない!”
と感じて暴力を封印した指導者は誰もいないか?
スポーツ指導だけでなく、
家庭での習慣的暴力(親によるドメスティック・バイオレンス)はないか?
橋下氏の結論は1点だけを見つめた短絡的思考はないか?

※※※※※

体罰に含まれるのは暴力だけでない。
シゴキも体罰ならルールも体罰に当たる。
と言うよりも、
体罰と暴力は分けて判断しなければならない。
有無を言わさない感情的な暴力は体罰ではなく犯罪だ。
体罰に含まれる厳しい練習の中での怒鳴り声や激しい特訓。
肉体能力を高めるために限界まで追い込むことの高みへの到達。
そのための厳しい訓練は傍目からは体罰以外の何ものでもない。

*****

体罰は不要である。
暴力は絶対許さない。
そう断定すれば些細な指導でモンスターペアレント。
自分の子供がレギュラーになれない腹いせに、
些細な体罰で社会問題に誘導(告発)。

レギュラー選手たちの労苦は1つの告発で出場停止。
その実、
告発は生徒の了解を得ず親の独断による指導批判。
親の憤りだけが独り歩きし子供は輪から弾き出され。
居場所を失い退学の道を選ぶ。
そのシュミレーションの中で誰が得をするのか?

教師顧問だけでない先輩×後輩の行き過ぎた指導。
先輩×後輩の抑止力としての強面な顧問(教師)の存在。
総てを否定することが本当に正しいのか?

望むべきはイエローカードとレッドカード。
今の社会は些細な告発でマスコミが大騒ぎ。
騒ぎを重く見た関係機関がイエローカード。
何も考えないマスコミは、
徒党を組んでレッドカードを突きつける。

そんな社会が本当に望ましい社会なのか?

マスコミは深くも考えず体罰と暴力を混同し、
大衆迎合(世論の確認と誘導)しながら、
ファッションで体罰問題を論じてはいないか?

*****

体罰は不要である。
暴力は絶対許さない。
しかし体罰はなくならない。
なぜなら。
本当に深刻な体罰は、
家庭の中にもあるからだ。

子供を守れ!
お年寄りを守れ!
弱者を守れ!

私は暴力を許さない!

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【桜宮高校の体育科入試問題】:罪なき生徒達の連帯責任を問う。

2013-01-22 21:50:00 | 政治・社会・時事

大阪市:桜宮高校で起きた体罰自殺問題。
問題の方向が生徒の入試に波及。
体育科を廃止するとの橋下市長の決断。
市教育委員会は4対1の賛成で橋下案に沿って議決。
ただし、
体育科の募集はしないものの試験の手順は同じ。
試験は別々で普通科に編入する形での入学。
入学後の指導方針は教育委員会が順次決定。
橋下市長の面子が保たれ、
教育委員会の体面は指導方針で担保。
大人の“ご都合”に生徒が反発。

1月21日午後7時30分。
生徒からの呼びかけで60分余りの記者会見。

放送では断片しか流されないことで視聴者の誤解。
彼等8人の生徒は自主的な発言ではなく“言わされている”との疑惑。
ツイートで綴られる生徒への批判を誘導した尾木ママ(尾木直樹氏)の怒り。
連ねるように“言わされたとされる生徒への非難”が集中。
ツイートの残酷は生徒の飲酒・喫煙写真や桜宮高校の粗捜しに奔走。
堰を切ったように流れる在校生や父兄の感情を踏みにじる発言。

間違ってはならない。
一人の生徒の個人的な感情の自殺に罪なき生徒が連帯責任。
それは何度も何度も言うが“自殺は罪だ”という認識のなさ。
マスコミは“体罰に殺された1人の生徒”に焦点を絞る報道。
指導教師は悪で校長や教育委員会の体制に問題。
それは否定しようがない事実だが、
報道の中で自殺した生徒への肩入れが強く、

報道の正義は自殺を容認するかのようにも捉えられる。
*私が確認した限り自殺を批判する記事を読んでいない。


数人の生徒が煙草を吸えば甲子園に出られない。
何度も何度も聞いた過去の事例。
生徒の問題か、部活動の問題か、顧問の問題か。
日本が戦時中に行った“隣組制度”の連帯責任。
個人の問題を全体に膨らませる学校教育の体質。

罪なき生徒や罪なき受験生に体罰と自殺の連帯責任をとらせる。
校外活動の禁止や部活動の活動停止処分。
それが隣組(枠の中の連帯責任)でなくてなんなのか?

体罰や暴力の問題は古今東西に渡る日本全体の問題。
議論を桜宮高校だけに集約し生徒にツケを回した灰色裁定。
問題の解決とは程遠い橋下市長と教育委員会の幕引き。

悲しきかな私の目には“そう”映った。


桜宮高校の勇気ある8人の生徒達(運動部の元主将)。
私は貴方(あなた)達が立派だったと断言する。
言いたいことを恐れず主張する。
大人は子供たちの言葉に耳を傾ける。
正すべきは正し、
改めるべきは改める。

それが本当の学校教育だ。

*****

「結論覆す」
決意の反論=高校生8人が入試中止で会見(大阪市)
大阪市教育委員会が橋下徹市長の要求通り、
市立桜宮高校の体育系2科の入試中止を決定した21日夜、
同校3年の男子生徒2人と女子生徒6人が記者会見に臨んだ。
「私たちは納得いかない」
「学校を守りたい」。
8人は、
「まだ結論を覆せるかも」と橋下市長と市教委に対し決意の反論を展開した。

 
市役所5階の記者クラブで午後7時半から1時間余にわたった会見。
8人はいずれも運動部の元キャプテン。
制服のブレザー姿で横一列に並んだ。

 「体育科に魅力を感じて受験したいと思う生徒がほとんど。
普通科に回されるのは私たちは納得がいかない」。
女子生徒が口火を切った。

橋下市長が同日朝、全校生徒を前に説明したが、
「具体的な理由がなく私たちの声も十分に聞いてくれなかった。
思いは1時間で話せるわけがない。
『生徒、受験生のことを考えて』
と何度も繰り返したが在校生と受験生のことを考えたら、
もっと違う結果があったんじゃないか」
と訴えた。

橋下市長が体罰の背景に、
「生徒たちも容認していた」
「勝利至上主義」などと発言していたのに対し、
女子生徒は、
「容認していないし勝つことだけが目標ではなく、
礼儀など人として一番大切なことを教えてもらっている」
と反論。

自殺問題について、
「心の傷は深く重く受け止めている、
傷を癒せるのは先生」
として教諭の総入れ替えにも反対し、
「多くの生徒が学校を守りたいと思っている」
と強調した。

 
男子生徒は、
「今回の結果が覆せるんじゃないかと強い思いを持ってきた」
と会見の動機を語った。
別の女子生徒も、
「今まで続いている伝統は今でも正しいと思っている」
と力説した。

(2013/01/21:時事通信社記事転載))

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【体罰(暴力・いじめ)と自殺】:報道の在り方と自殺した生徒の責任を問う。

2013-01-14 22:30:00 | 政治・社会・時事

3連休に何人かの人と会って話しをした。
大阪市で起きた体罰(暴力)からの自殺事件。
幾人から耳にした亡くなった生徒の責任。
本日の呟き(ツイート)を文書に変える。

<自殺する側 × 自殺される側>

北陸朝日放送(石川ローカル)で放送された、
『星稜高校・山下野球/魂の喧嘩ノック』
を改めて(リメイク)見直し感慨深いものがあった。
部活動を通し身体で覚える、
“仲間の結束&社会に出ても負けない心”
山下野球には“思いやる心”に満ちていた。

大阪市の公立高校バスケットボール部で起きた、
体罰(暴力)からの生徒の自殺問題。
顧問の習慣的体罰は暴力であり認められない。
その暴力を申告しても問題としない、
学校(上層部)や教育委員会は言語道断。

守るべき障壁がないことで暴力のエスカレート。
そのことは否定のしようがない事実として認識。

報道が伝える、
顧問の悪行肯定(体罰=支配)だけでは問題は解決しない。
誰かを犯人(罪人)に仕立て徹底的に偏った正義で断罪する。
日本の報道機関が最も得意とする手法は、
これまでも多くの政治家をも巻き込んだ。

報道機関の特性として、
一度攻撃対象を決めると執拗に追いかける。
*自分達が主張する正義への拘りなのだろうか?

それは重箱の隅を突くといったレベルではない。
報道の力を利用した言葉の暴力と感じることも多い。

しかしそれで、
問題(暴力と自殺)の解決は図られるものだろうか?
自殺する背景は遺書の内容が総てではない。
暴力から感情的な逃避としての自殺(前兆がない)。
自殺した生徒の真意は誰にも計れない。

体罰(暴力)が自殺に至るのと同様に問題なことは、
自殺する者と残される者の関係。

<自殺する側と自殺される側>
家族の自殺に自分(親・兄弟等)を責め続ける一生。
仲間の死を心の傷に残す部活動のメンバー
クラスメートや友人や従妹や叔父叔母の心情。 
自殺は一瞬かも知れないが死は永久に記憶に残る。
死んだ生徒には悪いが私の目には無責任と思う。
*顧問と自分だけの問題に巻き込まれる感謝すべき人達。
*事件が起きることで生じる部活動の活動制限。

そうしたもう一つの主題(テーマ)を全く問題とせず、
顧問(個人)を一方的に攻撃する報道姿勢。
*問題にすべき組織の無関心。

▽部活を辞める選択。
▽主将(キャプテン)を降りる選択。
▽自主練習と大学進学後のバスケット。
別な選択肢は残されていた。

*葛藤を埋める知識と相談。

死に追いやった顧問の責任。
追求する大衆心理は理解できる。

しかしながら、

(容易に)回避できるはずの死を選んだ本人の責任も重く、
そのことを問題とせず生徒の訴え(叫び)と捉えれば、
後を追って自殺する別の生徒が出るかも知れない。
*そうでなくても大凡の若者の死は感情的なもののようだ。
*感情的な死の選択は個人差があり予測できない。


だからこそ報道は主張しなけらばならない。
死んではダメだ!

君たちには未来がある。

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【追悼:はだしのゲン×中沢啓治=原爆の悲惨】:12月26日の朝刊コラムを読む。

2012-12-26 21:09:09 | 政治・社会・時事

2012年12月25日。
クリスマスのお昼休みに中沢啓治さんの死を知った。
2012年12月26日。
年末総選挙で大勝した第2次安倍内閣の組閣。

日本の反戦運動にとって重要な役割を果たした一人の漫画家の死。
大きなニュースの陰に隠れ決して大きな報道になったとは言えない。
しかし亡くなった翌日の新聞コラムでは多くの追悼文が掲載された。
亡くなられた中沢さんが伝えたかったことと記者の記憶に刻まれたこと。

自分用のメモとしてブログ内に記録したいと思う。

*****

ゲンの力「原爆の子―広島の少年少女のうったえ」。
60年余り読み継がれる被爆体験手記集の序文に数行、
6歳で被爆した中沢啓治さんの作文が引用されている。
「学校につくと、きゅうに思い出した。わすれ物をしたのだ。ぼくは早速家に帰ろうと」
絵の才能にあふれていた中沢さん。
34歳のとき自らの被爆体験をペンに託した。
漫画雑誌に連載を始めた「はだしのゲン」。
過酷な主人公の運命に大人も子どもも、心揺さぶられた。
ピカドンで地獄絵図と化したまち。
ゲンたちが受ける差別と非情な仕打ち。
生々しい描写は子どもには重すぎると批判も受けた。
だが「これでも現実のほんの一部だ」と中沢さん。
目をそらすな、怒りを忘れるな。
そんな問いかけだろう。
ここ数年、漫画家の命だった視力が弱り病と闘った。
「目は見えなくても思いを伝えることはできる」
と力を振り絞り子どもたちに語り続けた。
へこたれないゲンのように強く生きてと。
その肉声は聞けなくなった。
でもゲンはこれからも世界を駆け回る。
アジアや欧米で翻訳され愛読の輪は広がる。
平和への思いを私たちはどう受け継ぐか。
中沢さんがゲンの目で見守っている。
(2012年12月26日付:中国新聞コラム)

*****

戦後しばらく原爆をめぐる表現は占領軍にきびしく検閲された。
そんな中でまっ先に惨さを歌に詠んで発行した一人に正田篠枝さんがいた。
「大き骨は先生ならむそのそばに小さきあたまの骨あつまれり」。
自らも広島で被爆した歌人は1965年に他界している。
その翌年に漫画家の中沢啓治さんの母親も亡くなった。
やはり広島で被爆し後遺症に苦しんだ母は骨さえ残さなかった。
火葬のあとは白い破片と粉のようなものがあるだけだったという。
人が生きたことの最も素朴な証しが骨だろう。
「原爆は大事な大事なおふくろの骨まで奪っていくのか」。
たぎる怒りが被爆体験から逃げていた心を揺さぶる。
自伝的漫画「はだしのゲン」はそうして生まれた。
小1だった中沢さんは爆心に近い校門前で炸裂に遭った。
「小さき骨」にならずにすんだのは奇跡でしかない。
だが父、姉、弟を亡くし、妹も栄養失調で失った。
自伝を描くのに絞った勇気と涙は、いかほどだったかと思う。
「ゲン」は絵本も含めて1千万部を超え18カ国語に翻訳された。
生前最後の本になった、
『はだしのゲン わたしの遺書』(朝日学生新聞社)でささやかな喜びを述べている。
国内の図書館で表紙が手垢(てあか)でぼろぼろになってベニヤ板で留めてある「ゲン」を見たそうだ。
「うれしくてね。作者冥利に尽きます」。
73歳の訃報に多くの読者が胸に刻み直すことだろう。
原爆の悲惨とそれでも麦のように伸びて生きる少年の姿を。
(2012年12月26日付:朝日コラム)

*****

爆風で飛んだ窓ガラスが顔一面に突き刺さる。
遺体の山には、うじ虫がはう。
原爆投下後の広島を描いた漫画『はだしのゲン』には、
目を背けたくなるカットがこれでもか、これでもかと登場する。
漫画家中沢啓治さんの自伝的作品。
夢と希望が売りの少年漫画に、なぜ重い社会的なテーマをぶつけたのか。
自著に「戦争で原爆で人間がどういうふうになるかというところを徹底的に描こうと思った」
と記した。
きっかけは1966年の母親の死だった。
火葬場で遺体を焼いた際、骨がほとんど残らなかった。
原爆の後遺症だろうか。
「おふくろの骨を返せ」。
怒りを創作意欲に昇華させた。
ペンや映像で原爆の狂気を世界に訴えてきた。
単行本は18カ国語に翻訳されベストセラーになった。
最近は体調を崩して講演に力を入れていたが帰らぬ人となった。
廃虚の広島を脳裏に焼き付け、そこから立ち上がる民衆を愛した。
「残念なのは戦争の傷跡がどんどん見えなくなっていること」。
と被爆体験の風化を憂えた遺族は、
「星となりゲンとともに空から核兵器のない平和な世界を願っているはず」
とメッセージを寄せた。
震災の風化と風評被害に苦しむ東北の被災者。
中沢さんの作品世界を今こそかみしめたい。
(2012年12月26日付:河北新報コラム)

*****

その光は、目を閉じれば、ありありと蘇ったという。
白を中心にして、まわりが青白いリンが燃え狂ったような、
外輪が赤とオレンジを混ぜたような、すさまじい火の玉。
七十三歳で逝去した中沢啓治さんは六歳で地獄を見た。
広島原爆の爆心地から一・三キロで被爆した中沢さんは、
自宅の焼け跡から父と姉、弟の骨を兄と掘り出した。
父と弟は家屋の下敷きになり生きながら焼かれた
おびただしい数のむごたらしい死体、漂う死臭の記憶。
それは生涯、中沢さんを苛んだ。
そのたびに、
「逃げ場のない穴に閉じこめられたような暗い気持ちになって落ちこんでしまいます」。
と最後の著書『はだしのゲン:わたしの遺書』に書いている。
小一の子を持つ母親から抗議の手紙を受け取ったことがあるという。
漫画『はだしのゲン』を読み夜トイレに行くのが怖いと泣く。
あんなどぎついものはかかないでくれと。
中沢さんは返事を書いた。
「あなたのお子さんは立派に成長しています。ほめてやってください。
『はだしのゲン』を読んでトイレに行けないくらい自分のこととして感じてくれた。
こんなありがたいことはありません」。
座右の銘は「一寸先は闇」。
被爆以来死の恐怖と背中合わせで生きてきたからだ。
死を見つめ続けたからこそ生のたくましさを描きえた。
その死は穏やかなものだったという。
(2012年12月26日付:中日新聞コラム)

*****

「怒りですよ。弔い合戦です」。
73歳で亡くなった漫画家中沢啓治さんは作品に込めた思いを生前のインタビューで語っていた
広島市から上京した当初は被爆者であることを伏せていた。
転機は1966年の母の死だった。
遺体を火葬にすると骨は形をとどめず粉々になった。
「原爆は骨まで奪うのか」。
わき上がった怒りを原動力に原爆を題材にした作品を次々に発表した。
やがて自らの被爆体験を描いた代表作「はだしのゲン」に結実する
被爆の惨状を生々しく描き、
「子どもが怖がるからやめて」。
と読者から抗議の手紙が届いたこともある。
「怖いと思うならお子さんは正常です」。
と返事を書いた。
原爆の本当の怖さを伝えることが核廃絶につながるとの強い信念があった
晩年は病気との闘いで漫画が描けなくなったが、
「まだできることはある」。
と入退院を繰り返しながら講演活動を続けていた。
「原爆に負けてたまるか。この目で原爆の最後を見届けてやる。その一念だったと思います」。
遺族が広島市を通してメッセージを寄せた。
広島、長崎への原爆投下から67年。
核廃絶への道筋はいまだ見えてはこない。
だが、中沢さんはかねて、
「人間への希望を失っちゃいけない」
とも語っていた。
怒りと希望。
その二つを残された者が受け継がねばならない。
(2012年12月26日付:山陽新聞コラム)

*****

広島など中国地方には正月20日に麦を褒める唱え事をする「麦褒め」という行事がある。
昔は家族総出で麦の芽を踏んだ。
「おまえは麦になれ。ふまれて強く根を張り実をつける麦に」。
父の言葉を胸に生きたのが「はだしのゲン」だった
ゲンは原爆で父や兄弟を失い、原爆後遺症で母も失う。
広島の被爆者、中沢啓治さんの自伝的漫画を読んだ時はまだ子どもだったが眠れないほどの衝撃だった。
皮膚がただれた人が水を求めて亡霊のように歩く描写は見るのがつらかった
中沢さんは、
「残酷な場面を見て『怖いっ!』と言って泣く子が日本中に増えたら本当に良いことだと私は願っている」。
と述べた。
戦争の恐ろしさを伝える使命を心得ていたのだろう。
自身が被爆者であることを隠していたが母の死を聞きつけた米国の原爆傷害調査委員会が標本のため遺体の内臓の提供を迫る。
火葬した母の骨は形状をとどめないほど粉々。
それを機に「原爆」と正面から向き合う
20年前。
漫画家の新里堅進さんと中沢さんは沖縄と広島の少年を主人公にした絵本を企画。
出版社の都合で実現しなかったが過酷な体験をした2少年が出会う場面ができたかも。
中沢さんが73歳で亡くなり戦争の惨さを語れる人がまた1人逝った。
2度と軍靴の音を響かせてはならない。
ゲンの教訓に新しいこの国の宰相も学んでほしい。
(2012年12月26日付:琉球新報コラム)

*****

中沢啓治の名前よりも『はだしのゲン』。
『はだしのゲン』がなければ、
中沢啓治と聞いてもピンとこない。

少年ジャンプで連載された『はだしのゲン』。

リアルタイムで読んだ世代だ。
当時は貸本業が街に残る時代。
書店の立ち読み、理髪店の待合、友人宅。
何処に行っても漫画があった。
私は貪るように読んだ。


ウィキペディアによると、
1973年25号から連載が始まり、
1974年39号に終了(第一部)。
連載当初は飛び飛びに読み、
中学生の時に単行本を借りて読んだ。

約37年前の記憶は惨たらしい戦慄の描写と、
親しみにくいタッチの描き方に違和感を覚えた。
人間の皮膚が溶け爛れ水を求めて彷徨う人々。
夏の死体には虫がたかりウジがわく。
1発の爆弾は多くの命と多くの未来を奪った。
*その事だけは子供だった私にも理解ができた。

文書では伝えきれない漫画(絵)での表現。
自分の目に焼きついた地獄絵図。
今のように情報伝達手段を持たない当時の惨状。
漫画と云う手段は子供心にリアリティを植え付けた。

間もなく大人になって、
土門拳(写真家)さんの「ヒロシマ」を見た。
手元の資料によると昭和32年(1957年)7月23日に、
『週刊新潮』の取材としてヒロシマを訪れ、
多くの記録(時代の証言)を残し世に問うた。
<少女の醜形瘢痕植皮手術>
<被爆者同士の結婚>
<胎児で被爆したK君の死>
<原爆後遺症で13年間寝たきりの人>
ジャーナリスト;土門拳が伝えた真実。
原爆投下から13年の月日が過ぎての惨状。
中沢啓治さんが目にした“原爆の悲惨”が如何なものか?
今を生きる者にとって想像すらできない。

もうひとつ紹介したい文書がある。
先日から文字にしている矢沢永吉さんのブログ記事の資料として、
本棚から取り出し再読した『キャロル:暴力青春』(ワニブックス)。
冒頭部分を編集転載させていただくと、
「おばーちゃんの話だと、
広島に原爆が落ちるまでオレの家は金持ちだったらしい。
市内ではかなり大きな自転車屋で裏では酒屋もやっていた。
それが原爆で全部パーさ。
オレの兄貴も財産もいっぺんに失ったオヤジは、
そのとき地獄を見たんだろうか?
酒びたりになって立ち上がれなったらしい。
そのオヤジも、
オレが小学校2年の時に、
かわいそうに死んでしまった。」
原爆は残った者の未来すら奪い去る。

核兵器の脅威。
核と原爆(原子爆弾)。
核と原発(原子力発電所)。

ヒロシマとフクシマ。
時を経て永久に語り継がねばならない。
それが残酷な手段(リアリティ)だとしても、
子供心に焼付けた正義は生涯記憶に残る。

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野田佳彦総理の決断(党首討論と解散)と森光子さんの死去(2012.11.14)

2012-11-14 21:22:23 | 政治・社会・時事

2012年11月14日。
仕事から帰宅し録画してあった党首討論を観た。
テレビ局が編集し放送する抜粋版でなく、
ノーカット版には本当にワクワクした。
*TV局の思惑が渦巻く編集版は見え方が異なる。
*下記にYouTubeのノーカット版リンク有。

これまで多くの党首討論が行われてきたが、
これほど風変わりで見応えのある討論は初めてだ。
*一人の政治家の強い決意は本物の芯の強さを感じる。

私は野田佳彦総理大臣の決断(16日解散)を支持する。
*安定政権を望なら衆参同時選挙がベターだと思うが…。


消費税増税を実現し今また定数削減を実現しようとしている。

誰もが“やるべきだ!”と声高々に叫ぼうが実現できなかった大きな仕事。
一人の政治家として1年余りの短い期間で実現した政治決断。
バカがつく正直者が“最後までブレず”に有言実行。
*その姿勢を非難する野暮を私は持ちえない。


私は野田佳彦首相を支持する。
ただし民主党を支持することはできない。
大きな矛盾はこの数日間の一部民主党員の姿勢を見ればわかる。
*今日に及んで尚も自党の代表を非難する愚かは滑稽にうつる。
野田さんを非難すれば非難するほどに自らの首を絞める現実。
その事が分からない彼等に国民の幸福を実現することは無理だろう。
庶民感情に気付かず自己保身を仲間意識で代弁する愚か者たち。
民主党が大敗すればその大きな理由は内部分裂に尽きる。
選挙を先延ばしすれば先延ばしするほどに信頼を失う。
果たして野田さん以外で誰を看板にすれば選挙に勝てるか?
答えの出さない抵抗は庶民の目からが駄々っ子の我儘にうつる。


23%の野田政権支持と13%の民主党支持(NHK世論調査)。
10%のマイナスは“この期に及んで解散を拒否”する反野田党員。
誰が民主党をダメにしたのか?
“内紛に次ぐ内紛”
党内に野党を持つ不思議な政党。
党内野党は国民の意志よりも自分達の保身。

彼等は政治家なのか国会に就職したサラリーマンなのか?
私が野田総理に望むものは党内の大掃除。
特に時代遅れな年長者の姑息な戦略には終止符を打って欲しい。
*年長者主導の決めさせない政治は自民党も同様(党内支配)。

2012年11月14日。
政治史に残る党首討論だった。
40議席以上の定数削減。
誰もが分かりやすい政治判断に、
野田佳彦氏の決断と覚悟を感じる。


*****

2012年11月14日。
大女優の森光子さんが亡くなった。
舞台女優として、お茶の間の人気者として多くの人に愛され、
林芙美子原作:『放浪記2000回』の公演記録は不滅。

国民栄誉賞は誰の目にも当然の受賞だった。
亡くなったのは4日前の10日、午後6時37分。
肺炎による心不全。
92歳は庶民感覚では大往生。
多くの同世代の後期高齢者の希望の星だった。
ただし、
数年前の元気な舞台に早すぎる死の無常を感じる。


心からお悔やみを申し上げます。


合掌。



<2012年11月14日:党首討論映像>

*安倍晋三:自民党総裁(You Tube)
http://youtu.be/I1Mb2nmyS8o

*小沢一郎:国民の生活が第一代表 (You Tube)
http://youtu.be/VPlxtYv9gxg

*山口那津男:公明党代表(You Tube)
http://youtu.be/Qk80Xoki_V8

コメント (4)
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『琉球新報×沖縄タイムス/社説』:沖縄県民の怒りの声を聞け!(2012.10.18)

2012-10-18 21:11:11 | 政治・社会・時事

2012年10月18日。
2012年の社会では様々な情報の入手が可能だ。
2012年10月16日に沖縄県で起きたアメリカ兵による女性強姦事件。
この問題を強姦(ごうかん)に目を向け日常的な出来事と感じている人たちがいる。
しかし“この問題”の本当の論点は人権と差別にあることに気付く人は少ない。

2012年の社会では日本全国の地方の主張を読むことができる。
全国紙が大きく扱わない問題も地域の報道を読めば論点が見えてくる。
特に社説とは新聞社の顔であり各社の主張が強く打ち出されている。
そこで自分の記憶に残すため沖縄県の2つの新聞社の社説を転載する。
同時に、
10月18日の朝刊で示された朝日、中日(東京)、中国新聞の社説も転載。
10月19日には日本経済新聞、読売新聞の社説を転載した。
mimi-fuku読者には是非お読みいただきたい。

【補足:私の立場・考え】
私は日米同盟の継続は不可欠と考える一人の庶民である。
また今回の女性暴行事件に憤りを覚える者であると同時に、
東日本大震災の米軍:トモダチ作戦に深く感謝する者である。

*今後の日米軍事協力の維持と本土の負担分配。
沖縄県民が抱く不満や鬱積の軽減と地域負担の受け入れ。
福島県の災害廃棄物の受け入れ以上に困難な地域の負担。
そのため(米軍受入)に不可欠な地位協定(治外法権)の見直し。

日米が真のトモダチであれば解決できるはずだ。
沖縄県民の怒りが爆発する前に。
政府は本腰を入れて米国に友情の確認をすべきだ。

真のトモダチであれば沖縄県民の意に沿う回答。
怒りが行動に転嫁してからでは遅すぎる。

その事態を念頭に置きながら、
米国の変化にも希望を持ちたい。

*****

【琉球新報】

*米兵集団女性暴行/卑劣極まりない蛮行/安保を根本から見直せ。
<2012年10月18日:朝刊社説>

被害者女性の尊厳を踏みにじった米兵の野蛮な行為に強い憤りを覚える。
凶悪犯罪の再発を防げなかった日米両政府の無策と責任も県民とともに厳しく糾弾したい。
県警は16日、県内の20代女性への集団女性暴行致傷容疑で、
米海軍上等水兵(23)と同三等兵曹(23)を逮捕した。
容疑が固まれば速やかに起訴し日本の裁判で厳正に裁くべきだ。

米軍は事件のたびに綱紀粛正や兵員教育による再発防止を約束するが何が変わったというのか。
現状は基地閉鎖なくして米兵犯罪の根絶は不可能だと米軍自らが自白しているようなものだ。

女性は安心して道を歩けない。
米兵は沖縄を無法地帯と考えているのか。
県婦人連合会の平良菊会長はこんな疑問を抱きつつ、
「危険なオスプレイが縦横無尽に飛んで、
危険な米兵が地上にうようよしているのが今の沖縄か。
人権蹂躙も甚だしい」
と述べた。
同感だ。

ことし8月にも那覇市で女性への強制わいせつ致傷容疑で米海兵隊員が逮捕された。
復帰後の米軍関係の刑法犯は5747件(2011年12月末現在)に上る。
米国はこうした現状を恥じるべきだ。

在日米軍には日米安保条約に基づき「日本防衛」の役割がある。
しかし県民には苦痛をもたらす暴力組織としての存在感が大きい。
日米安保体制を容認する保守系首長も、
垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを強行配備した日米両政府に抗議し、
万が一墜落事故が起きた場合には「全基地閉鎖」要求が強まると警告する。

両政府は在沖基地が人権を脅かし地域振興を阻害している現実も直視して、
普天間飛行場閉鎖と在沖海兵隊撤退を含め米軍駐留の根本的見直しを進めるべきだ。

2004年10月21日付紙面で私達は「沖縄を取引材料にするな」との社説を掲げた。
大野功統防衛庁長官(当時)が米軍の東アジア10万人体制を見直すため、
1996年の橋本龍太郎―クリントン両首脳による日米安保共同宣言の見直しを提起し、
在日米軍再編協議を本格化させた頃だ。

社説はこう説く。
「1972年の本土復帰に際して、当時のニクソン米大統領は佐藤栄作首相が求める『核抜き本土並み返還』を受け入れる代わりに、自らの公約である日本の繊維業者の輸出削減問題で首相に譲歩を求め成功した。いわゆる『縄と糸』の取引だ。96年の日米安保共同宣言の際には、橋本首相が普天間飛行場返還合意と引き換えに、極東有事に米軍の後方支援を積極的に行えるよう『日米防衛協力のための指針(ガイドライン)』の見直しを受け入れた」
と。

それは政府が「沖縄の負担軽減」を大義名分に米軍に譲歩する状況が、
復帰時や安保共同宣言当時の日米交渉の構図と酷似していることを指摘したものだ。

米国は実を取ったが沖縄住民は「核抜き本土並み返還」も「普天間飛行場返還」も手に入れていない。
今また米国は、
“招かざるオスプレイ”を県民に押しつけながら、
植民地政策と見まがう基地の強化、固定化を推し進めている。

沖縄国際大の佐藤学教授は今回の女性暴行事件について。
「沖縄が自由に使える土地という認識が復帰から40年たっても変わっていない。
その認識の延長線上にこういう犯罪がある」
と指摘し、
仲井真知事に対し訪米要請で、
「沖縄の人権が国民としての権利がどれほど踏みにじられているのかを直接伝えるべきだ」
と注文している。

米国は沖縄の施政権こそ日本に返還したが、
復帰後も日米地位協定に基づき、
「基地の自由使用」の権利や米軍の特権的地位を温存した。

こうした対米追従の不平等協定は改めるべきだ。
さもなくば県民の人権を踏みにじる日米両政府の「構造的差別」も続くだろう。

沖縄を踏み台とする日米の理不尽な政策について、
県民を挙げて国際社会へ告発する必要がある。

*****

【沖縄タイムス】
*2米兵暴行事件/我慢の限界を超えた。
<2012年10月18日:朝刊社説>

沖縄本島中部で帰宅途中の女性が、
米海軍所属の上等水兵(23)と3等兵曹(23)から性的暴行を受け、
沖縄署と県警捜査1課が2米兵を集団強姦致傷の疑いで逮捕した。
女性に落ち度は全くない。
女性の人権を踏みにじる悪質極まりない事件である。

調べでは2米兵は女性に片言の日本語で声を掛けた。
女性が取り合わずに歩いていると後ろから近づき首を羽交い締めにし、
人けのない場所に引きずり込んで犯行に及んだという。

2米兵は米テキサス州にある海軍航空基地に所属し、
厚木基地(神奈川県)から14日に沖縄に入った。
任務を終え、
犯行当日の16日にグアムに出発することになっていた。

2米兵は民間ホテルに滞在し同日午前にチェックアウトする予定で、
沖縄を離れる日を選んで犯行に及んだのではないかとの疑念が消えない。
県警には捜査を徹底して明らかにしてもらいたい。

今年8月には本島南部の路上で米海兵隊による強制わいせつ致傷事件が起きたばかりである。
森本敏防衛相は日米合同委員会を開く意向を示している。
だが沖縄からは、
事件のたびに日米両政府が口にする「再発防止」「綱紀粛正」という言葉は、
沖縄の怒りを収めるための政治的パフォーマンスにしかみえない。

なぜ再発防止や綱紀粛正が実行されず事件が繰り返されるのか。
合同委ではそれこそを問うべきである。

戦後67年がたったが、
これほど長期間にわたって女性の人権が脅かされている地域が一体どこにあるだろうか。

県警が県議会軍特委で明らかにしたところでは、
復帰後だけに限っても米兵による強姦事件は未遂を含め昨年末までに127件に上る。
あくまで統計上の数字である。
1995年には米海兵隊ら3人による暴行事件が起き県民総決起大会が開かれた。
その後も女性を被害者とするおぞましい事件が後を絶たない。

復帰前には、
「空にB52、海に原潜、陸に毒ガス。天が下に隠れ家もなし」
と言われたが基地の過重負担は基本的に変わっていない。
「空にオスプレイ、陸に米兵犯罪」
それが復帰40年の現状だ。
相変わらず軍事が優先され、
住民の安全・安心がないがしろにされているのである。

沖縄に米軍の専用施設の74%を押し込める矛盾が噴き出しているのだ。
その場しのぎでは“もう立ちゆかない”のは目に見えているのに、
日米両政府とも負担軽減を求める沖縄の声を無視し続けている。

2000年の沖縄サミットでクリントン米大統領は、
「米軍のフットプリント(足跡)を減らしていく」
と演説した。
負担や影響の軽減である。
キャンベル国務次官補も同年、
「一つのかごにあまりに多くの卵を入れすぎた」
と沖縄の過重負担を指摘する論文を発表している。

だが負担軽減策は実行されていない。
日本政府が海兵隊の沖縄駐留を求め続けているからだ。
もはや我慢の限界を超えた。
日米両政府が目に見える負担軽減策を実行しない限り、
マグマが噴き出すのは間違いない。

*****

【中国タイムス】
*沖縄・米兵事件/綱紀粛正では済まない。
<2012年10月18日:朝刊社説>

人間の尊厳を踏みにじる卑劣な行為である。
米本国の海軍に所属する2兵士が集団強姦致傷の疑いで逮捕、送検された。
沖縄県で20代女性の首を絞め乱暴したという。

数日前から任務で訪れ離日する直前の犯行だったらしい。
女性は2人と面識はなく歩いて自宅に帰るところを路上で襲われたというのだ。

知人の力を借りて女性は被害を届けた。
勇気を振り絞ったのだろう。
沖縄県警も直ちにそれに応えた。
そのまま出国していたら追跡は困難になったかもしれない。

事件を受け政府はルース駐日大使に米軍の綱紀粛正と再発防止の徹底を求めた。
だが、
そんな型通りの抗議で済まされるはずがない。

折しも沖縄では日米両政府への強い不信感が渦巻く。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)へ垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備を強行した問題だ。
どんなに県民が「ノー」と言っても米側は一歩も引かず日本政府は言いなりだった。

しかも配備後は日米で取り決めた安全策が守られていない。
「米軍の施設および区域内に限る」などとしたヘリモード飛行が、
配備から2週間で既に常態化しているという。

そこへ今回の事件である。
米軍のモラルの低さ教育や統制の乏しさが露呈した。
米本国の兵士がほんの数日の滞在でこのような事件を起こすこと自体が米側の差別意識を物語ってはいないだろうか。

それは日本政府も同じなのかもしれない。
米軍基地が存在する理由は、
「日本の防衛やアジア太平洋地域の平和と安全に寄与する抑止力」
というが、
一方で沖縄に基地を集中させ負担を押しつけてきた。

軍用機が日々住宅地の上空を飛び交う危険性。
それに加え米兵による犯罪が県民を脅かす。
本土復帰後の米軍関係の犯罪検挙数は5700件余りにも上るという。

沖縄の人々は地道な闘いを続けてきた。
1995年の3米兵による少女暴行事件で県民が立ち上がる。
日米地位協定でかなわなかった起訴前の身柄引き渡しを可能にした。
反基地運動のうねりはさらに高まり日米両政府を負担軽減のための話し合いの席に着かせる。
そうして普天間返還で合意した経緯がある。

米兵による犯罪への心配は岩国など米軍基地を抱える地域に共通する。
対等な関係を築くためにも政府は米国に具体的な申し入れをすべきではないか。

まずは米兵の夜間外出制限など規律強化を求めたい。
そして成果が確認できるまではオスプレイの訓練自粛を約束させるべきだ。
米軍への不信が募る一方では前に進めてはならないだろう。

また起訴前の身柄引き渡しについては地位協定の抜本的見直しが欠かせない。
現状は殺人や強姦など凶悪な犯罪が基本であくまでも米側の「好意的考慮」に基づく。
理不尽で不平等な規定は米兵の犯罪を助長させるだけではないか。

「重く受け止めている」と口では言い結局は軽くあしらう。
政府のそんな対応はもう許されない。
沖縄の痛みを日本の問題として捉え米側に毅然と主張する姿勢が求められる。

*****

【中日新聞】
*米兵女性暴行/沖縄に基地がある限り。
<2012年10月18日:朝刊社説>

あってはならない事件がまた起きた。
米海軍兵二人が二十代の女性に対する集団強姦致傷容疑で沖縄県警に逮捕、送検された。
沖縄に重い米軍基地負担を強いる限り県民の痛みはなくならない。

米兵による事件・事故の後、繰り返される「綱紀粛正」の言葉がむなしく響く。
事件の報告を受けて東京滞在を延ばした仲井真弘多沖縄県知事は斎藤勁官房副長官を首相官邸に訪ね、
「(在沖縄米軍基地は)安全保障上必要だから理解してくれと言われてこういう事件が起きると無理な話だ」
と強く抗議した。

知事に代表される県民の怒りは当然だ。
日米両政府に加え日本国民全体が重く受け止め自分の痛みとして感じる必要がある。
米軍基地は周辺地域の住民にさまざまな負担を強いる。
平穏な生活を脅かす日々の騒音や事故の危険性、米国の戦争に加担する心理的圧迫、
それに加えて今回のような米兵の事件・事故などだ。

日米安全保障条約で日本の安全と極東の平和と安全を維持するために日本に駐留する米軍が、
日本国民の生命を脅かす存在にもなり得ることは否定しがたい。

在日米軍基地の約74%は沖縄県に集中する。
米軍の世界戦略に加え本土では基地縮小を求める一方、
沖縄での過重な基地負担を放置することで平和を享受してきた我々本土側の責任でもある。

沖縄では今、
米海兵隊普天間飛行場への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備に反対する動きが強まっている。
安全性が確認されたとは言い難い軍用機を人口密集地が迫り危険な飛行場に配備することへの反発はもちろん、
日米安保体制に伴う負担を沖縄県民がより多く負う差別的政策への怒りでもある。

普天間飛行場の名護市辺野古への「県内移設」では沖縄県民の負担軽減にはならない。
日米両政府は普天間飛行場の国外・県外移設の検討を手始めに、
在沖縄米軍基地の抜本的な縮小に着手すべきだ。
普天間でのオスプレイ運用も直ちに中止すべきである。

今回は沖縄県警が米兵を基地外で逮捕したが、
日米地位協定では米側が先に身柄を拘束した場合、
起訴まで米側が拘束できる。

日本側は殺人、強姦など凶悪犯罪では身柄引き渡しを要求できるが米側は拒否できる。
治外法権的な協定は沖縄県民が不平等感を抱く一因にもなっている。
運用見直しではなく抜本的改定に踏み出さねばならない。

*****

【朝日新聞】
*米兵の犯罪/沖縄の怒りに向きあう。
<2012年10月18日:朝刊社説>

沖縄で米海軍兵2人が女性への集団強姦致傷の疑いで逮捕された。

「正気の沙汰ではない」と仲井真弘多知事が述べたのは当然だ。

容疑者2人は米国本土から出張で来ていた。
事件がおきたのは未明。
その日の午前中に沖縄を出てグアムへ行く予定だったという。
「沖縄を出てしまえばわかるまい」とでも考えたのだろうか。

沖縄では1995年に米海兵隊員3人による少女暴行事件がおき県民の怒りが燃え上がった。
基地の再編や事件をおこした米兵の扱いをめぐって日米間の交渉が行われた。

だがその後も米兵による犯罪はなくならない。
性犯罪に限っても、
この10年余りで中学生への強姦。強制猥褻、強姦致傷。
今年8月にも強制猥褻致傷の事件がおきた。
被害者が泣き寝入りし表に出ない事件もあるとみられている。

沖縄では米軍によって女性や子どもの身の安全を脅かされていると受けとめる人がふえている。
仲井真知事は「日米地位協定を改定しない限り問題は出てくる」と述べた。
今回の事件は容疑者を基地外で見つけて警察が逮捕したが、
“もし基地内に入っていれば”
米兵や軍属を手厚く守る協定によって引き渡しに時間がかかっただろう。
ほかの事件では。
地位協定があることで米兵や軍属が「軍の公務中だった」といった言い分で、
日本側が捜査できなかったことがある。

重大な事件がおきるたびに少しずつ運用で見直されているとはいえ、
沖縄をはじめ米軍基地を抱える自治体は協定そのものを変えなければ犯罪は減らないという強い思いがある。

そして沖縄には安全への心配がぬぐえぬ新型輸送機オスプレイが配備されたばかりだ。
不信が募っているときの“この卑劣な事件”である。

日本と米国の協調は大切だ。
そのことを多くの人が感じている。

だが、
今回の事件が火種となって再び沖縄で反基地の思いが爆発することは十分に考えられる。
日米両政府は真剣に対策を講じる必要がある。

沖縄で米兵による事件が多いのは国土の面積の0.6%にすぎないこの島に、
在日米軍基地の面積の約74%が集中している現実が根底にある。
沖縄の負担をどう分かつか。
沖縄の外に住む一人ひとりが考えなくてはならない。

*****

【日本経済新聞】
米兵事件を繰り返さぬ対策を
<2012年10月19日:朝刊社説>

沖縄県で米兵による性的暴行事件がまた起きた。
県民は「正気の沙汰ではない」(仲井真弘多知事)と憤っており、
日米同盟の基盤となる信頼関係が損なわれかねない。
二度と事件を起こさないためにはどうすればよいのか。
両国政府に実効ある対策を求めたい。

在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄では、
米軍人・軍属による事件・事故が後を絶たない。

海兵隊員3人が女子小学生を暴行し、
県を挙げての抗議運動に発展した1995年の事件以降、
米軍は綱紀粛正を何度も約束してきた。
しかし、
今年も8月に海兵隊員が強制わいせつ致傷容疑で逮捕された。
それに続く事件だ。

日米両政府は近く再発防止策を打ち出す方向だ。
だが研修を増やすなどの通り一遍の対策では、
県民はかけ声だけに終わるのではないかとの懸念を拭えまい。

事件を起こすのは比較的軍歴が浅い米兵が多い。
今回も米本土から出張で来た何れも23歳の水兵2人の犯行だった。
酒に酔い仕事帰りの女性を襲った。

教育のまだ行き届いていない米兵は沖縄に派遣しないように、
米軍に配慮させるだけでも事件はかなり減るはずだ。

在日米軍の存在は日本の安全保障に欠かせない。
領土を巡る周辺国との摩擦でこうした思いを深めた日本人は多いに違いない。

にもかかわらず肝心の沖縄では、
米軍普天間基地の移設を巡る民主党政権の迷走などで、
米軍への県民感情はかつてなく悪くなっている。
ルース駐日大使が事件後に、
「米政府は極めて強い懸念を持っている」
と述べたのは、
こうした状況を理解しているからだろう。

沖縄が安保の最前線に位置すること。
その守りには日米同盟という盾が必要なこと。
県民の信頼を回復するにはこうした原点に立ち返り、
日本政府が真摯に説明する以外に手はない。

同時にこうした沖縄の状況をすべての日本人が認識することも大事だ。
米軍訓練の一部を本土も引き受けるなどの対応が望まれる。

*****

【読売新聞】
沖縄米兵事件/再発防止へ実効性ある対策を
<2012年10月19日:朝刊社説>

卑劣で悪質な犯罪で日米同盟にも悪影響を及ぼしている。
米軍は実効性ある再発防止策を早急に講じるべきだ。
沖縄県中部で未明に帰宅中の成人女性が米海軍兵2人に暴行された。
沖縄県警は2人を集団強姦致傷容疑で逮捕した。
厳正な捜査を求めたい。

2人は米テキサス州の基地所属で今月上旬に来日し、
犯行当日中に離日する予定だった。

8月には那覇市で在沖縄米兵による強制猥褻事件が発生したばかりだ。
こうした不祥事が繰り返されるようでは、
日本の安全保障に欠かせない米軍の沖縄駐留が不安定になろう。

沖縄県の仲井真弘多知事が「正気の沙汰ではない」と憤るのも無理はない。
米軍による具体的な犯罪抑止策の徹底が急務である。

現在も在沖縄米兵には米軍基地外での飲酒制限や、
沖縄の文化・歴史に関する講習などが義務づけられているが、
今回のような短期滞在者は対象外だ。

森本防衛相らは日米合同委員会で米側に綱紀粛正の徹底を強く求める考えを示している。
若い米兵を対象にした中長期的な教育の拡充、外出制限など、
より包括的で効果的な対策をまとめることが重要だ。

今回の事件は、米軍の新型輸送機MV22オスプレイが沖縄に配備された直後だったため、
県民の反発が一段と高まっている。
ただ、
暴行事件への対応とオスプレイの安全確保は基本的に別問題であり、
それぞれ解決策を追求するのが筋だろう。

同時に米軍による事故の防止や騒音の軽減など、
周辺住民の負担全体を軽減する努力を日米双方が不断に続ける必要がある。

政府内には1995年の女児暴行事件時のように、
沖縄の反米軍世論が沸騰する事態になることを懸念する向きもある。

しかし当時は県警が逮捕状を取った米兵の身柄引き渡しを米側が一時拒否したのに対し、
今回は県警が容疑者の身柄を確保している点が大きく異なる。
容疑者2人は日本の司法手続きに基づき処罰される見通しだ。

仲井真知事は日米地位協定の改定を改めて主張している。
だが今回の事件捜査では起訴前の米兵引き渡しなどを制限する、
地位協定が障害とはなっていない。

日米両政府は従来、地位協定の運用の改善を重ね具体的問題を解決してきた。
それが最も現実的な選択であり同盟関係をより強靱にすることにもつながろう。

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中国の反日デモ(領土問題?)と中東の反米デモ(宗教問題?)に漠然と思う。

2012-09-17 06:00:00 | 政治・社会・時事

世界中でデモが渦巻く。
日本国内での穏やかな反原発デモ。
スペインやギリシアでの国内問題への不満デモ。

2012年9月第3週。
メディアは世界中の過激なデモを報じた。

1つは、
イスラムを侮辱したとされる米国映画の動画サイト公開。
リビアで火のついた反米感情は中東各国に飛び火。
1つは、
連日トップ・ニュースで伝えられる尖閣諸島問題と、
中国各地で吹き荒れる反日感情と愛国暴動。

中東各地のデモは、
リビア、エジプトで激しいと伝えられる。
要因としてのアラブの春と“その後”の混乱。
市民暴動の怒りは反イスラム映画(そのもの)よりも、
中東の混乱に導いた新しい通信技術の発達と米国の誘導。
勿論米国政府が新しい通信システムを誘導したのではなく、
グローバル社会と技術競争の顛末(社会の過渡期)ではあるが、
反対勢力が秘密裏に団結できるシステムは旧態派から米国の陰謀。
そんな見方もできるかも知れない。
恐怖政治であっても平穏な日々。
それを奪い去った新しい通信技術(米国の象徴)。
先進国に翻弄される(と感じる)中東市民の鬱憤。
暴動の陰にはイスラム映画とは違った別な感情。
反米感情と国内の治安当局への不満と怒り。
理由は単純では決してなくあらゆる感情の爆発。

そんな気がしてならない。

中国のデモは中国国内の難しさを感じる。
冷静な判断は、
日本の登記上の所有者から登記上の名義を国に変更。
領土問題を持つ尖閣諸島の所有権の国による購買は、
個人から公共へのシフトであり良識的解決策であると思う。
東京都が沖縄県の土地(区分)を買う不自然よりも国の購買。
政府の思惑は登記の移譲が済み次第に領土問題の棚上げ。
解決を先延ばしすることが大局を守るための懸命。
その考えに私は同調するし、
中国政府も領土問題よりも目の前の経済問題。
頼みのEUの不安定はアジアへの供給シフト。
そのシナリオが中国政府にはあるはず。
ただし、
国内向けの愛国世論をかわすため、
尖閣領土への侵入や国連への海図申請。
国土を主張する中国政府の立場も理解できる。

問題は想定しなかった市民デモが“暴動・略奪”に発達。
指摘できる点は中国国内の反米・反日感情と中国メディア。
恐らく中東リビアでのアメリカ領事館襲撃の報道。
それを見た中国国民と日本大使館への攻撃。
文化大革命時代の中国の徹底した吊し上げ。
愛国と暴力の肯定は文革時代の名残でもあるのだろう。

日本人として中国で起きていることを冷静に見ることはできない。
しかし中国国内で起きていることは中国国内の問題でもある。
暴動で生じた被害に今後中国政府が如何なる対応をとるか?
暴動と略奪を許す(犯罪者の法的処罰と支払い義務)なら、
中国国内の治安の安定を中国国民が放棄することになる。
それは、
中国国民の安心した暮しを否定することにもなる。
それ以上に中国政府にとっての打撃は、
中東での反米報道と同列に中国の反日報道の扱い。
国際社会の中での中国の後進を暴露する結果ともなった。

今回の反日暴動を誘導した中国メディア(検閲)の誤算。
その結果として、
中国国内の不満分子を抑えることのできない怒りの捌け口と、
今後中国の治安当局がコントロールできない暴動の拡大。

新しい通信技術が今後の中国国内の言論を何処に導くか?

“愛国であっても暴力の徹底した否定”
その先進国の常識(法で守られた暴力排除)を、
中国政府はどのように国民に教育するか?


中国政府に突きつけられた課題は重く大きい。


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尖閣諸島への民間人の立ち入りと望むべき日中両国政府の対応。

2012-08-20 07:33:33 | 政治・社会・時事

【みみふく通信(2012.08.19)】
録画してあった7時のニュース。

無責任な日本人による尖閣立入。
個人の正義で中国に居る日本人や日本に居る中国人がどれだけ不安に陥るか?
日中の政府間が望んでいない方向へ個人の思いが優先され起きた日中の確執。
領土問題に於いて個人の正義は許されるべきでない。

【日本経済新聞コラム】
▼尖閣諸島の魚釣島に香港の活動家が上陸し、
竹島に乗り込んだ韓国の李明博大統領が今度は天皇陛下に「謝罪」を求めた。

いずれも「反日カード」が自分の国で売れると読んでの行動らしい。
下手な商売のにおいがする軽率な言動だが、
ここで日本国内でも「反韓」「反中」の感情が高まれば負の悪循環に陥ってしまう。

▼人の心にはもう一つ癖がある。
強い衝撃を体験すると思考が「自閉モード」に入り状況を客観的に見られなくなってしまう。
毅然とした対応は国家として当然だが愛国心には思考停止のワナも潜む。
ここは気持ちのリセットが必要だろう。
政治も国民も新鮮な気分で仕事に取り組み晩夏の憂うつを吹き飛ばしたい。

【産経新聞社説】
▼尖閣諸島では終戦間際に石垣島から台湾に向けた疎開船が漂着し、
石垣島の住民が食糧難などで死亡している。

その戦争犠牲者を慰霊する大切な行事が魚釣島で行えなかったのは残念である。
政府は上陸を許可しない理由を、
「尖閣諸島を平穏かつ安定的に維持・管理するため」
と説明している。

だが魚釣島での慰霊祭がなぜ安定的な維持管理の妨げになるのか全く分からない。
尖閣の領有権を不当に主張する中国への配慮があったとすれば問題だ。
▼慰霊祭出席者の中から地方議員ら10人が魚釣島に一時上陸した。
国が上陸を許可していれば何の問題もない行為だった。
中国は洋上慰霊祭までも「中国の領土主権を損なう行動だ」として日本側に中止を求めた。
不当な要求には抗議すべきだ。
▼中国では、
尖閣に不法上陸した香港の活動家14人が逮捕されたことに抗議する反日デモが拡大している。

日の丸が燃やされるなどデモ隊の暴徒化が懸念される。
14人は香港に強制送還されたがそれで問題は終わらない。
野田佳彦政権はなぜ厳正な刑事手続きを踏まず逮捕した14人を強制送還したのか?
を国民に改めて詳しく説明する必要がある。

活動家の行動を写したビデオの公開も重ねて求めたい。

*****

領土問題を最優先させるのでなく多角的見方を要求する日経新聞。
保守的な立場から領土問題優先を改めて主張する産経新聞。
言論の自由&報道の自由はどちらも正論と捉えて差し障りない。
他の主要新聞3紙は世論動向を見極めての主張になるのか、
報道により事態が大きくなることを恐れての自粛なのか?
今日現在では明確な論説を避けているように見える。

私は、
無責任な日本人による尖閣立入。
個人の正義で中国に居る日本人や日本に居る中国人がどれだけ不安に陥るか?
日中の政府間が望んでいない方向へ個人の思いが優先され起きた日中の確執。
領土問題に於いて個人の正義は許されるべきでない。
と文字にした。

尖閣問題は尖閣諸島を餌にした中国国内の問題かもしれない。
政府批判のデモは御法度でも日本批判のデモは大手を振れる。
“狡猾な反指導部団体が尖閣諸島を利用(デモの実施)している”
との見方も囁かれる。

当初は台湾と香港の活動家が上陸するとの情報も、
台湾政府は民間活動家の行動を制限(阻止)。
理性的な対応だったと思う。

香港政府は民間活動家の行動を規制しきれず上陸。
日本政府の対応は逮捕・強制送還。
それも冷静な判断と私は捉える。


日本政府は民間人の上陸を規制しながらも、
日本人10人がルールを破り上陸。
国民感情から、
今回の行動への刑罰は避けるべきだろう。

*起きる両国間の事態と個人への罰則の困難。

お互いの国が
「自国の領土に上陸して何が悪い!」
と言い張っていては、
燃え上がる感情を鎮火できない。

領土問題は存在しないと言っても、
領土問題は現実的に3国間?の人心に、
強い不満を植え付けた。

強い不満が怒りに変わる時に暴徒化し、
多くの一般市民が大きな不安抱える。
*報道・情報が扇動することの危険。


強い不満の根底が本当に領土にあるのか?
その見極め(中国国内の問題)をしないままに、
領土だけ論じることは危険だ。


中国人の若い世代にとって日本は憧れの地と聞く。
以前話した中国人女性も“日本人が好き”だと言ってはばからない。
中国人も韓国人も若い子たちは日本人は優しいと言う。
*日本国内の自由な雰囲気も彼女たちの憧れなのだろう。
*日本人女性が韓流スターに熱心なことは言うまでもない。


領土問題は本当に国家間の大局なのか?
そのことを考えて冷静な行動をして欲しい。

個人の正義で中国に居る日本人や日本に居る中国人がどれだけ不安に陥るか?
日中の政府間が望んでいない方向へ個人の思いが優先され起きた日中の確執。
領土問題に於いて個人の正義は許されるべきでない。

その意味を改めて確認したい。
そのためにも日中の両政府は、
尖閣諸島への民間人の立ち入りを制限すべきだし、
外交努力で両国間が共同歩調を取ることを願う。

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