mimi-fuku通信

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【九州北部の記録的集中豪雨と情報伝達】:2009年7月24日

2009-07-25 22:22:22 | 自然・気象・災害

 
 2009年7月21日。
 山口県で記録的な集中豪雨。
 2009年7月24日。
 九州北部で記録的な集中豪雨。
 さらに翌日25日。
 広島県東広島でも過去最高の24時間積算雨量
を更新。
 梅雨末期の梅雨前線は容赦なく日本列島に襲いかかります。
 明日(7月26日)早朝からも同じ地域で豪雨の予報。
 雨量が蓄積されることで地表(土壌)に浸み込んだ水分が膨張し、
 少しの雨でも土砂崩れや土石流の発生の可能性が高くなります。
 早めの避難行動が望まれます。


 7月24日午後~深夜にわたって降り続いた九州北部の大雨
 データを調べてみると長崎県壱岐市では、午後1時頃から。
 福岡県では、午後5時ごろから雨脚が強まっていることが理解できます。
 長崎県壱岐市は佐賀県の北海上にある島で今回大雨が降り続いた地域は、
 緯度33・5度~34度の中に納まっています。
 つまり南からの湿潤な空気に暖められた梅雨前線に沿ってのびる猛烈な雨雲が、
 ほぼ停滞した形で西から東南東に移動したことが読み取れます。
 強い雨雲の移動速度は10~20kmくらいでしょうか?
 最大降水量のデータでは、
 ・長崎県壱岐市芦辺では、午後5時に78.5㍉
 ・
福岡県福岡市では、午後7時に92.0㍉
 ・福岡県飯塚市では、午後8時に98.0㍉
 
の雨量を記録しておりこのことから猛烈な雨雲の働きに規則正しさを感じます。

 つまり、
 台風の中心からの暴風域と同じく今回の前線の猛烈な雨雲域は、
 西から東へと規則正しいタイム・ロラグ(移動速度と到達点)が存在する。
 と書いても、
 20~30㍉程度の雨を降らす前線が必ず規則性を持っているわけでなく、
 雨雲の進入と地形の関係で雨の降る量は大きく変わります。

 ただ50㍉を超える雨量を記録するような集中豪雨の雲や、
 猛烈な突風をともなう積乱雲の場合は台風のように、
 雨雲の中心位置に規則性があるような気がします。
 もし、
 雨雲の強さと到達時間の規則性が存在するとすれば、
 地域行政(近隣自治体)の連絡を密に取り合うことで、
 1時間後、2時間後の雨量を凡そ想定することができます。
 
~到達点が平地の場合と山岳地帯では進行先の雨量に大きな差が生じる。

 現在の気象警報は一定の雨量が記録されて初めて発令されます。
 大雨警報の基準は都道府県によってマチマチですが予報と言うよりも、
 結果発表の形態が強いと感じます。
 例えばある市町村で時間雨量40mを超える大雨が降った場合に発令され、
 多くの場合は避難勧告は大雨後の発令となります。
 最近では自宅で容易に気象データを閲覧することができるので、
 パソコン、携帯電話、デジタル・テレビで雨雲レーダーを確認できるので、
 個人でも重大な事態か憂慮すべき事態かを数時間前に予測するは可能です。
 ~例えばこの時間(25日:午後10時)の時点で南西諸島近海で長く細く伸びた、
 猛烈な雨雲(台湾から鹿児島近海まで延びる)の帯が北東へと進んでいます。
 この雨雲が陸地へ到達点した場合は長時間、同じ場所で、
 大雨を降らせる可能性は否めません。 

 このように、
 大雨が降る前に避難行動が取れるような警報の発令
 それは気象庁ではなく地元自治体の役割になるでしょう。
 1000㍉を超える大雨が降っても被災しない土地家屋も多く在ります。
 また、
 大雨の降りやすい太平洋側なら大きな被害を出さない降水量でも
 日本海側ならが壊滅的な災害を引き起こすだろう地域もあります。
 地盤や地質、洪水予測の詳細なデータを持っているのが行政機関である以上、
 危険な地域に雨が降り出す前に避難情報が出せる危機管理と役割。
 
 50年や100年に1度の雨(過去のデータから想定)が、
 将来10年や5年に一度の雨に変化する環境異変の現実味。

 伝達システムも気象予知システムも大幅に進化している中で、
 慣例を重んじる地方自治体の在り方に変化を期待します。
 そのためには、
 データに長けた若い世代(職員や住民)の意見を大幅に取り入れ、
 隣接自治体との情報交換や地元住民の住む地域行動と連捷できれば、
 大雨の危険情報を即座に情報弱者に伝達することは可能です。

 データの管理や避難指示の伝達は自宅からでも可能です。
 そんなハイレベルな新しい行政活動のあり方を夢想します。


 <データ:日本気象協会/tenki.jp転載>

 *日積算降水量の記録。
 ~2009年7月24日:積算雨量

  1. 長崎 芦辺 :312.0mm  
  2. 福岡 飯塚 :284.5mm  
  3. 長崎 石田 :266.5mm  
  4. 福岡 頂吉 :259.0mm  
  5. 福岡 篠栗 :245.5mm  
  6. 福岡 博多 :234.5mm  
  7. 福岡 宗像 :228.0mm  
  8. 福岡 前原 :195.5mm  
  9. 長崎 平戸 :191.5mm  
  10. 福岡 八幡 :187.0mm 

 *最大1時間降水量(時間)
 ~2009年7月24日

  1. 長崎 石田  106.5mm(17時)  
  2. 福岡 飯塚   98.0mm(20時)  
  3. 福岡 博多   92.0mm(19時)  
  4. 福岡 篠栗   84.0mm(19時)  
  5. 福岡 太宰府 83.0mm(20時)  
  6. 長崎 芦辺   78.5mm(17時)  
  7. 福岡 前原  76.0mm(19時)  
  8. 福岡 頂吉  68.5mm(19時)  
  9. 福岡 福岡  63.0mm(19時)   
 10. 山梨 南部   61.0mm( 6時)

 
 *長崎県壱岐市芦辺
 ~時間別雨量(8時間)

  20時: 4.5㍉
  19時:12.5㍉
  18時:11.5㍉
  17時:78.5㍉
  16時:75.5㍉
  15時:47.5㍉
  14時:36.5㍉
  13時: 3.5㍉

 *福岡県飯塚市
 ~時間別雨量(8時間)

  23時: 7.5㍉
  22時:11.0㍉
  21時:58.0㍉
  20時:98.0㍉
  19時:56.0㍉
  18時:31.5㍉
  17時: 9.0㍉
  16時: 4.0㍉

 *福岡県福岡市博多区
 ~時間別雨量(8時間)

  23時: 4.5㍉
  22時: 2.0㍉
  21時: 7.0㍉
  20時:72.0㍉
  
19時:92.0㍉
  18時:34.0㍉
  17時: 2.5㍉
  16時:10.5㍉

 ~下記Web記事を編集転載。 

 *7月24日夕方~深夜に九州北部を襲った、
 集中豪雨による死者は、
 翌25日正午までに福岡県、長崎両県で計4人。
 また行方不明者は、
 家屋の倒壊などにより福岡県篠栗町で女性2人。
 北九州市八幡西区で女性1人。
 広島県東広島市で2人の計5人

 今回の大雨で25日正午までに、
 福岡、佐賀、長崎県の計347棟が床上浸水となり、
 福岡県などの230か所でがけ崩れが起きた。

 福岡管区気象台によると25日午前11時までの総雨量は、
 ・飯塚市で339ミリ。
 ・篠栗町で327・5ミリ。
 ・長崎県壱岐市で313・5ミリ
 に達している。
 
 広島県東広島市では24日~25日の午後3時までの24時間に、
 観測史上最大となる216ミリの雨量が確認された。
 
(2009年7月25日:読売新聞九州他/記事編集転載)


 *24日夜の豪雨のため全域で災害が発生した福岡県は、
 災害発生状況の情報集約が大幅に遅れた。
 総務省消防庁の通達で市町村の被害状況は県が集約するが、
 各市町村が災害対応に追われ情報伝達が混乱した。
 同県は大雨洪水警報が発令された24日午後5時過ぎ、
 災害発生状況の情報収集を開始。
 各市町村に同9時現在の状況を報告するように求めた。
 しかし同10時55分の災害対策本部会議で報告されたのは、
 北九州市や前原市など11の市町村もしくは、
 広域消防本部管内の情報のみだった。

 床上浸水など被害が相次いだ福岡市は、
 午後9時ごろから1~2時間おきに報道機関へ情報を広報したが、
 県への提供は25日午前1時半ごろになった。
 同市は、
 「被害が広範囲で情報集約に時間がかかり、
 さらに報道機関を通じた市民への情報提供を優先した。
 広報と県への報告の書式が別でさらに時間がかかった。」
 と説明する。

 一方、県消防防災課の市町村との情報連絡用ファクスは5台だが、
 回線がパンクするトラブルが続発。
 県側が市町村に報告を催促したり受け取った情報内容を電話で確認する際、
 災害対応に追われる市町村側に電話がつながらないケースも相次いだ。
 (2009年7月25日:毎日新聞/ 記事転載)

 *記録的豪雨に襲われた九州北部での、
 24日から九州北部を襲った豪雨での死者は、
 福岡県4人▽長崎県1人▽大分県1人の計6人。
 各県などのまとめによると25日午後6時現在、
 住宅損壊が福岡県10件▽長崎県11件。
 家屋浸水は福岡県の1720件を中心に
 佐賀、長崎、熊本の4県にまたがり、
 計1781件に上っている。

 24日の福岡県内の24時間降水量は、
 ▽北九州市小倉南区頂吉(かぐめよし)266・5ミリ
 ▽篠栗町251ミリ▽福岡市博多区239ミリ
 ▽宗像市234・5ミリ
 ▽北九州市小倉南区空港北町178ミリ
 の5カ所で観測史上最大を記録。
 降り始めから25日正午まででは、
 ・福岡県飯塚市(339ミリ)
 ・同県篠栗町(327・5ミリ)
 が観測史上最大で、
 ・長崎県壱岐市(313・5ミリ)などでも300ミリを超えた。
 
 宗像市では浄水場の土砂崩れで送水管が破損し約1万8300世帯が断水。
 陸上自衛隊が断水世帯への給水活動をしており復旧は26日以降の見通し。
 (2009年7月26日:毎日新聞/ 記事転載)

 <ブログ内:関連記事>
 *山口県防府市:2009年7月21日/ 豪雨災害の記録。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/e2a10404590f50674c6b7dcc16cb4464

 *九州北部と山口県での豪雨災害と原因:2009年7月26日。
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/1a8f6729a26593768be647f9dda38a92

 *平成21年7月中国・九州北部豪雨(気象庁PDF)
 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/new/jyun_sokuji20090719-26.pdf


 <データ2:tenki.jp転載>
 *日積算降水量の記録。
 ~2009年7月25
日:24時間

  1. 宮崎 えびの:218.0mm 
  2. 福岡 耳納山:207.5mm 
  3. 熊本 人吉   :200.0mm 
  4. 熊本 多良木:194.5mm 
  5. 長崎 佐世保:193.5mm 
  6. 広島 呉市蒲刈:189.0mm 
  7. 熊本 阿蘇山:180.0mm 
  8. 大分 玖珠   :176.0mm 
  9. 熊本 上      :175.5mm 
  10. 福岡 黒木  :173.0mm 


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