メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

スーパーグレート 走行中パワーが出ない…⁉︎

2015-09-28 20:54:40 | 整備
三菱ふそうのPA-FU54JUZのスーパーグレート…

年式は忘れちゃいました…


運転手さんから走行中なんかパワーが無い感じがする…と言われ会社の周りを試運転してみたんですが…イマイチ分かりません…

で、運転手さんに確認すると高速じゃないと分からないよ…と

先に言ってよ…そういう事は…と思いながら、高速に乗ってみます

すると確かに加速が鈍くなかなか速度が上がりません…

乗った感じだとブーストがかかってないような感じ…
工場に戻ってスキャンツールを繋ぎブースト圧を調べてみると…0~400kpaを行ったり来たり…

これは明らかにおかしいでしょ…なんて思いながら次にタービン回転数を見るも、何故かこの型式にはタービン回転数のセンサーが付いて無い…

なのでデータ上では判断出来ず…

となればターボのパイピングを外して直接確認するほかありません。

で、タービン側よりも比較的簡単に外せるインテーク側のパイピングを外してコンプレッサーホイールを点検。

すると特に問題ありません…手で回してみたりシャフトのガタを確認するも異常は見られず…

VGターボのシリンダーやロッドも点検しましたがこちらも異常無し。


となるとデータ上でブースト圧が安定してないのはブースト圧センサーの不良⁉︎

…と単体点検するも抵抗値は悪くありません。


どうしたもんかな~なんて考えてたらちょうど車庫に同じ型式の車両が…

ツイてます。

とりあえずブーストセンサーを入れ替えてみます。

が、変化無し…やっぱツイてないわ…


ん~でもやっぱターボしかないよな…て事でもう一回ターボを調べます。
今度は先ほど避けたタービンホイール側を点検します…これが結構手間がかかるんです…
だから避けてたんですが…
排気シャッター周辺をバラしてエキゾーストパイプ外して…インシュレータやらいろいろ外して、そこまでして何とか覗ける程度…

鼻の下を伸ばしながら覗き込むもイマイチ見にくい…

で携帯を差し込みパシャリ。


すると、


あれ…?
キズだらけ…⁉︎

でも最初調べた時シャフトにもガタ無かったはずだけど…と思いながらどちらにしてもターボはダメなのでリビルトに交換する事に。

で、ターボを外して納得…



タービンホイールだけキレイにもげてました。
こんな状態でもコンプレッサーホイールはガタ無く回ってました…




ターボ交換後ブースト圧の調整を行い完成。
バッチリ直りました。


最初からタービンホイール側も調べとけばこんなに時間かからなかったんだよな…と反省しつつ

基本に忠実に調べる事の重要性を改めて実感した事例でした…。


そして…スナップオンのモニタースコープ…


これがあれば最小限の分解でしかも早く原因が分かったんだろうなーと思うと…


この仕事、やっぱ持つべきものは道具だな…と












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