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今日、ランチブレイクから職場に戻ると、同僚のレベッカとクリスタルが
真剣に何かを話していた。
何かと思えば、TVでやってる、ゴーストハンターとかいう番組だった。
日本でも夏になると、この手の番組って多いよね。
アメリカは、10月だろう。ハロウィンがあるから。
さて、唐突にレベッカが、
「ね、ケイエス。私が体験した怖い話、言ったっけ?」と聞く。
「うーん。怖い話ならまだ聞いてないと思うけど。」
「だったら、これから怖い話をしてあげるわ。」とレベッカは自らの
体験を語り始めた。
<その1>
彼女がまだ中学生だったときに、住んでいた家の近所に
とても古くて、地域の歴史的建物として、町が管理している屋敷があった。
日ごろはツアー客がやって来て、見物をし、夕方になると、
「キーパー」という人が、鍵をかけにやってくる。
子供の間で、誰となく、「あの屋敷にはお化けがいる」という噂があり、
彼女と友達は夕方ごろ、キーパーが帰ったごろに、その屋敷の周りを
うろうろしいた。
結局何も期待していたことが起こらなかったので、「何もなかったね。」と
言って、帰り際に何気なく、屋根裏部屋の窓をふと見ると、
小さな人が、へばりつくように窓際に立っていた。
目をこすって、もう一度みると、もう何もなかった。
なんと友達も目撃していたそうで、ふたり、目を合わせた瞬間、
一目散で逃げた、と。
それ以来そこへはもう行かなかったそうだ。
<その2>
先月、彼女が寝ているときに、パソコンのスイッチが入る音で
目がさめた。時間は午前3時ごろだったと言う。
「あれ?」と思う前に、電源が切れた。
するともう一度スイッチが入った。
そしてまた切れた。
変だなと思っていると、屋根裏がごとごとと音を立てた。
それが終わると、誰かが玄関のドアをガンガン叩いた。
その次に、飼っている犬がおもちゃで遊び始めた。
彼女の犬は、普段人間が寝てる時間帯には絶対に遊ばないそうだ。
「一体何ごとなのよ!」と犬を叱りにベッドから起き上がると、
彼女の犬は、すーすーと、ベッドの上で眠っていたらしい。
彼女は怖くてベッドに戻ったが、眠れなかったという。
でもその出来事はその日だけだったそうだ。
「おぉぉ!それは怖い!!」と実際に私も腕をさすりながら聞いていた。
私はホラー映画など、大好きなのだが、こういう、
『ホラーな体験記』は、やけにリアルなのがありすぎて、怖いのだ。
そんな奇妙な経験をしといて、あまりにもそのゴーストハンターの
話を興奮して話すもんだから、
「なんなら、この仕事やめてさ、そのゴーストハンターの
チームに加わって、そっちの仕事やってみたくなるんじゃない(笑)?」
と冗談で言ったのだが、私の予想とはうらはらに
彼女はすごい真剣顔でこう言った。
「その仕事がね、健康保険がついて、年金の保障があるならやってもいいなと思ってるのよ。」
彼女の、そのちゃっかりとした要望のが怖いと思った午後だった。