選択の自由についてぼんやりと考えていたら ふと生まれることにまで至っていた
芥川の『河童』ではないが あなたはこんな時代 こんな世界 こんな社会のこんな家の こんな男女の間に生まれるのだと教えられたら 果たしてどれだけの人が生まれることを選択するだろうかと
そう感じたのは ぼんやりとラジオの人生相談を聞いていたせいかもしれない
それでも「誕生」の選択が無いことは これでOKと私は思う
だって ビビリだし もしも色々わかったら やめとこってきっと思うだろうから
偶然を必然に変えることが 生きることだとも思っているし
毎回聞いているわけではないが 人様の悩みを知りたいというよりも そうした悩みに回答者がどう答えるのかに興味がある
回答者が質問者の深層心理に触れたことを言うと ああ そういうところって確かに自分にもあるなあと感じたり 力になるような言葉が発せられると そうそう それで良いと思ったり
自分だけの問題であれば出口も見つかりそうだが 相手のいる問題となると そしてそれが家族だったりすると悩みは尽きない
ひとの心の複雑さや矛盾を知ると 良い方向に向かうのだろうかと私まで悩んだり
地固めの雨降る二百十日かな(粗忽)