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箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

終わりがあるからがんばれる

2023年05月16日 07時13分00秒 | 教育・子育てあれこれ
生徒や学生にとって、定期テストは何かとたいへんです。

数日間でたくさんの教科の試験があるため、その準備勉強は複数の教科の試験範囲を学習して、テストに臨まなければなりません。

わたしにも経験がありますが、なかなかたいへんでした。

それが教師になり、定期テストをする側になったのでしたが、定期テスト中には生徒の思いにいつも共感していました。

そして、テスト最終日になり、その日の最後の教科のテストが終わると、教室には「終わった」という解放感とともに、歓声が響きます。

それを何年も繰り返してきました。

思えば、ものごとにはたいへんなことがあっても、「いつかは終わる」のです。

たいへんなことや困難に直面しても、それが長く続くことがあっても、ずっとそのままということはない。

そう思えば、イヤなことにも、たいへんなことにも、前向きな気持ちになりがんばれこともあると思います。


自分の思うままに

2023年05月15日 07時16分00秒 | 教育・子育てあれこれ
思っていることは、言葉にして話したり、書いたりしないと人には伝わりません。

今の時代では、黙っていても相手が自分の気持ちを察してくれることは少ないです。

いまや「以心伝心」ということは、はほとんどないのです。

わたしは、中学生によくそう言って、思いや考えたりしていることを言葉にして伝えることの大切さを説いてきました。

ただ、それでも踏まえておかなければならないことがあります。

それは、言葉はオールマイティではなく、言葉だけでは伝わらないこともあるということです。

人と人がかかわりあって、言葉をかわしても、自分と他者の間にはどうしてもちがいがあります。

つまり、「はざま」があるのです。

同じ言葉を聞いても、その人と別の人では感じ方がちがうのです。

また、自分と周囲の人たちでは受け取りかたがことなることもあります。

人は、そのはざまの中で揺れ動きながら、自分と向き合うのだと、最近思うようになりました。

そして、最終的には自分が思うように、自分の決めたようにするのがいいのでないかと思うのです。

もちろん、それは揺れ動いたで、自分の気持ちに決着がついてからです。


教員の待遇改善

2023年05月14日 08時04分00秒 | 教育・子育てあれこれ
今は教員が不足する時代です。

今年度、小中学校のおよそ2割で4月当初に欠員が出ているという報告もあります。

もちろん各自治体の教育委員会の教職員人事関係部署は、必死に教員を探しますが、なかなか見当たらないことが頻発しているのです。

教員の中でも、教諭は確保できても、講師がなかなか見つからないのです。

もちろん、それ以降見つかり配置されることもあるのですが、年度当初の授業ができない、別の役割の教師を臨時的にあてるなどの影響がでています。

そのような事情もあり、文科省は今、教師の待遇を改善しようとしています。

現状では、教員の時間外勤務には手当はつきません。

その代わりに、(代わりにはなりませんが)給料月額の4パーセントの「調整額」を一律に上乗せして、時間外手当を支払わないというルールが法律で決まっているのです。

この法律は教員給与特別措置法(給特法)といいますが、今回改定して調整額を10パーセントにまで引き上げる案が浮上しています。


この4パーセントに定めた根拠は、1970年代当初に時間外勤務の月平均が8時間だったことに基づいています。

しかし、学校が多忙化して、いまや小中学校で月40時間〜60時間程度が平均になっているという事情があります。

その変化に合わせ、調整額を見直そうとするのが今回です。

待遇改善で、教員のなり手が増え教員不足が解消するかといえば、一定の効果はあるでしょう。

しかし、現状では「教員になりたくてなったけれど、わたしには向いていないことがわかりました」と退職する人に会うことがあります。

そうなると、給料だけではない、学校の職場のしくみの問題、過酷な実態があると、わたしは考えています。



ほんとうの異次元の少子化対策とは

2023年05月13日 06時04分00秒 | 教育・子育てあれこれ
わたし自身、孫をみているとかわいいと思い、もう一人いてくれればと思いますが、親は「たいへん」と言います。

なぜ少子化が進むのでしょうか。

少子化が進行し、政府は「異次元の少子化対策」を打ち出しています。

しかし、それは養育や教育にお金がかかることから、それに対する支援を充実させる対策がほとんどです。

わたしは、その支援対策では少子化は止まりにくいと思います。

戦後の時代では、「産めよ、増せよ」という勢いで戦後のベビーブームを引き起こしました。

そのときには、社会の規範や「圧力」が個人に働いていました。

生活は決して楽ではない家庭が多かったのですが、「結婚するのは当たり前」「子どもを産むのは当然」という規範・圧力でした。

しかし、たぶん1990年ごろから個を大切にする価値観が社会に広がりを見せはじめたのでした。

個人の選択を尊重し、個人のことに踏み込まなくなったのです。

その流れとともに、伝統的な共同体的な人間関係が敬遠されるようにもなりました。

この変化こそが産まない自由を許容するように変わってきたのです。

つまり、社会構造の変化と人びとの意識の移り変わりこそが少子化を加速させているのです。

わたしは、共同体的な強い絆の人同士のつながりが絶対的だとは考えていません。

それはいい面もありましたが、他人が自分のエリアに踏み込んでくる点で、一方では煩わしいという側面もありました。

しかし、個人に踏み込まなくなると、極端な場合は、孤立する人も出てくるという問題が出てきます。

そこでいまは、人同士がゆるやかな人間関係でつながる社会が望ましいのではないかと、わたしは考えています。

行政がどこまで個人の自由に踏み込めるかが問われるのです。

そこで、行政ではなく民間のNPO団体やボランティア団体や社協などは支援の網からこぼれ落ちそうな人を支援する活動を行っています。

とにかく、個人の自由を尊重し、産まない自由も認められる社会にあっては、子育てや教育に関わる経済的支援を充実させても、「それでは結婚して、子どもをもとうか」にはなりなくいいのです。

異次元というなら、その社会構造と人びとの意識に踏み込むことが必要になるのではないかと思うのです。



脱原発を目指す

2023年05月12日 07時19分00秒 | 教育・子育てあれこれ
ドイツは、原子力発電ゼロを目指している国です。

このたび、稼働している3基が運転を終え、「脱原発」を完成させました。

2000年に決定して以来、20年以上かけて実現しました。

1986年にはソ連のチェルノブイリ原発事故が起こりました。

それより前には、アメリカのスリーマイル島でも原発事故がありました。

チェルノブイリ原発事故は、情報がないことおよび被爆の恐れをドイツ国民に抱かせました。

それを受け、政権が脱原発の方針を策定したのでした。

同時にエネルギー転換を進め、再生可能エネルギーの法律を整備しました。再生エネルギーを買い取るしくみもつくりました。

一時は運転の延長やむなしとしたこともありましたが、福島の原発事故を受け、メルケル首相は2022年度末に脱原発を決め、今回その目標が実現されたのです。

紆余曲折がありながらも、脱原発を実現したのでした。

ドイツ国民の中には賛否があるようですが、政府の方針は揺るぎませんでした。

唯一の核兵器の原爆被爆国であり、福島原発事故が起きた日本で、「できない」とかではなく、原発に依存しない再生可能エネルギーへの転換の道を険しくても探るべきです。



10代の親子関係3

2023年05月11日 06時58分00秒 | 教育・子育てあれこれ
10代の子どもの方から親離れを先にしかけても、親は干渉してきたり、口うるさくいうのはすぐにはなおりません。

子どもの親離れより、親の子離れの方があとになることが多いのです。

ここで、子どもは親の言うことは絶対ではないと考えればいいのです。

親の言うことは、自分で選んできめることができるのであり、あくまで参考にして、その通りだと思えば実行したらいいのです。

「いや、ちがうな」と思えば、そのままにして置いておけばいいのであり、親に従うこではなく、自分の生き方、自分の人生は選んで自己決定していくという意識を高めるのです。

それが自立していくということです。

経済的、社会的、物質的には親にたよったとしても、精神的には大人に近づいていくのだから、いつの日か完全に親離れできるように自分を育てていく。

それが10代、とくに10代後半の子ども自身の成長の課題なのです。

10代の親子関係2.

2023年05月10日 13時41分00秒 | 教育・子育てあれこれ
10代では、今までの子どもは守られる立場、親は保護する立場という明確な区別が緩んでくるのです。

親が絶対的な存在でなくなり、子は親離れ、親は子離れする時期なのです。

離れることに気がつくのは、多くの場合、子どもの方が早いのです。

親のほうは、今まで子どもを方向づけ、導いてきたのですが、いつまでもそうありたいと願うことが続くからです。

その意味で、親子関係では、親離れより子離れの方が難しいのです。

だから、親子関係がかわってきたと、先に感じる子どもの方から離れていくのがいいのです。

子どもは、親も完全ではない、間違いもするし、悩みもするふつうの人だと気がつき、子どもから精神的に親離れをして、少し距離をとるようになります。

すると、相手は完全な人ではないのだから、やたら反抗しても仕方がないと、子どもが思うようになります。

次回に続く。

10代の親子関係1

2023年05月09日 10時18分00秒 | 教育・子育てあれこれ
最近の中高生、大学生のなかには、親との関係に悩んでいる人がけっこういます。

おもに10代の人たちが、親とぶつかるのです。

どちらもが「これくらいはわかってほしい」という甘えがあり、相手への言葉がきつくなるのです。

親子は人間関係のなかでもお互いに近い関係です。

近い関係ほど難しいのかもしれません。

子どもが10代になると、親とぶつかることになったり、イラーとなるのです。

でも、見方を変えれば子どもが自我を持ち始めた証であると考えることができます。

ところで、最近特に思うのは友だち同士のような「仲良し親子」が増えてきたということです。

では、その仲良し親子には親との葛藤がないのでしょうか。

それはそれで、子どもはやはり葛藤は抱くようです。

仲良しであるがゆえに、親の言うことは何でも聞かなければならないという圧力を感じているのです。

このように、10代というのは親とギクシャクする時期なのです。

そんな時期ではあるのですが、一方で子どもは親に頼らないと生きていけないという現実に突き当たるのです。

そのように、親にマイナスの感情をもつことは自然で健全なことなのです。

その子たちにアドバイスをするなら、親離れをしていこう、物質的に、また生活上で親に頼るのはあるとしても、精神的に親を超えていこうということです。

(次回に続く)

何のための学校? 誰のための学校?

2023年05月08日 08時55分00秒 | 教育・子育てあれこれ
わたしの下の娘が小学校6年生のときでした。

2008年の頃でした。

小学校の個人懇談会に行くと、担任の先生から言われました。

「お父さん、家でもっとお子さんの勉強をみてあげないと、中学校にいったら授業で『お客さん』になりますよ」。

お客さんとは、授業に招かれるだけで、自分から進んで学習するのではなく、授業が理解できなくても、ただ授業の話を聞くだけの、勉強のできない受け身の子どもという意味です。

私は、その言葉を聞いて驚きました。「お客さん」の意味は、聞くと直感でその意味あいを理解しました。

その若い学級担任は、私が中学校に勤める現役の中堅教員だとは知らなかったようでした。

わたしには、そもそも子ども学校の勉強は学校が責任をもち学力向上を担うものという考えがありました。

だから、その当時学力不振の子を放課後に学習会に残して、補習をしたりして、高校進学の力添えをしていました。

家庭でも子どもの学習はみますが、それはあくまで補助的なものであり、学校での子どもの学習は学校が第一の責任を持つべきと考えていましたし、今もそう考えています。

だから、教職経験の浅い教員からそう言われたことは、少なからずショッキングなことでした。


その教員は、何のために教職に就いているのか、自分の役割とは何かを自覚しなければならないでしょう。

その経験からくる思いと結びついたのが、最近の新聞記事でした。

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長女が中学3年だった8年前、中学校で本人、保護者、担任の先生との進路に関する三者面談があった。

その際の先生の一言を今でも時々思い出す。「塾に行かなくても大丈夫ですか」。塾に通わず大学まで進学した私は、子どもを塾に通わすという発想、選択肢がなかった。

「学校の先生が通塾を勧める時代になったのだなあ」と思うと同時に、「子どもの学力向上を学校教育だけに頼るな」と言われているようにも感じた。

あの時、「学校は、これからどんどん空洞化していくのかもしれない」とぼんやり考えていたのを覚えている。

今、中学校の部活動は、学校から地域へと本格的に移行されようとしている。

塾で本格的な勉強をし、地域で部活動をするようになった時、果たして学校に何が残るのだろうか。

学校は誰のために、何のために存在しているのか。

最近、私にはよく分からなくなっている。

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この記事は、長崎県の50歳代の女性が投稿されたものです。

子どもの学力保障は学校が担うべきものです。

中学生は、授業がわかりたい、仲間とともに過ごし、部活でうまくなりたい。

その切なる願いで、毎日学校へやってくるのです。

子どもの願いに応えるのが、公立学校の使命です。

それ以上でも、それ以下でもないのです。

今一度、学校のシンプルな役割を見直したほうがいいとわたしは考えます。










道なかば 学校の働き方改革

2023年05月07日 08時17分00秒 | 教育・子育てあれこれ
小中学校の教員の時間外勤務の長さが大きくとりあげられ、学校の働き方改革を文科省が進めてきました。

2016年度の調査では、時間外勤務が月80時間以上の過労死ラインを超える教員が小学校で約33%、中学校で約58%という深刻な状況が明らかになりました。

それを受け、文科省は2019年に教育の時間外勤務を月に45時間、年間で360時間にするという指針を出し、時間外勤務の縮減と働き方改革の推進を各自治体に指示しました。

それを受け、全国の自治体の教育委員会が管内の学校での働き方改革を進めてきました。

はたして、その進捗はどうなっているのでしょうか。

2022年度の調査結果では、過労死ラインを超える教員が小学校で約14%、中学校で約37%となりました。

この数字をみると、時間外勤務の長さは一定程度減ってきていますが、依然として、とくに中学校ではまだ全体の3分の1が月に80時間をこえているのが現実です。

また、ただたんに、時間外勤務の時間が長いか短いかという視点だけでなく、その内容まで見るべきです。

校長や教頭が「早く帰りなさい」というので学校は出るが、家庭に仕事を持ち帰って自宅で仕事をする教員が増えています。

家庭での持ち帰り時間が増えていることも、2022年度調査からわかります。

働き方改革はまだ道なかばというところです。



本を読み教養を身につける

2023年05月05日 06時41分00秒 | 教育・子育てあれこれ
インターネットでほしい情報は手に入ります。

デジタル書籍もある現代です。

でも、わたしはとくに大学生には本を読んでほしいと思います。

本を読んで得た知識は教養となります。

本は自らを成長させていく知恵を手に入れる糸口になるのです。

本に書かれている問題の背景に何が示唆されているのかは、紙の本の行間や文脈から理解できるのです。

それにはデジタル書籍よりも、紙の本のほうがふさわしいのです。

教養は社会に出てからも広げ、深められ、いきてはたらくことになります。

人生につまづいて、悩みを抱えて困ったとき、役立つ知恵を得る方法を身につけるためにも、学生時代に本を読んでおくのがいいのです。



正しいサポートと環境が子どもを伸ばす

2023年05月04日 08時15分00秒 | 教育・子育てあれこれ
今から8年前に映画「ビリギャル」を見ました。

有村架純さんがビリギャル役をつとめました。


校長の講話でもとりあげて、全校生徒に努力することの大切さを伝えました。

ビリギャルの本人、小林さやかさんは今アメリカのコロンビア大学大学院で「人間の学習」を研究中だと聞きます。

高校2年でSSが30だったのが慶應大学に現役合格したのが彼女でした。

彼女は振り返って言っています。

「正しいサポートをしてくれる大人と環境があれば、びっくりするくらいがんばれる」。

教育関係者はかみしめたい言葉であると思います。



自分を解放する

2023年05月03日 08時07分00秒 | 教育・子育てあれこれ
自分が人からどう思われるかを気にする人は多いと思います。

いわゆる人の目が気になるという人です。

人からどう思われるかが気になり、好きなことができない、


それに縛られるようで生きにくいという人も少なくありません。

でも、意外と人間は他人のことを気にしたりはしていないのです。

ということは、縛っているのは、じつは自分自身なのです。

自分を解放するとは、自分が好きなことができることです。

自らを解放して、自分の気持ちが動く方向に進めばいいのです。

増える医学部志願

2023年05月02日 07時13分00秒 | 教育・子育てあれこれ
新型コロナウイルスが約3年間にわたり感染拡大して、いま落ち着きつつあります、生活様式が大きく変わりました。

少子化が進み、大学の受験者数は減少してきていますが、医学部の志願者は増えています。

2020年まで毎年減ってきていましたが、コロナ禍に入った2021年から3年連続で増えてきています。

2020年ごろまでは、就職先が多様に広がっていましたが、コロナ禍で大きく変わりました。

人のいのちを助けたいという衝動に突き動かされ、そのために国家資格をとり、その延長上に自分の生活設計を考える受験生が増えたからでしょう。

医学部に進学するには高い学力が求められますが、多くのことを同時並行で進める力も大切になります。

また、「医は仁術」という言葉通りに患者さんの思いに寄り添うことができる、高い人間性を兼ね備えてほしいところです。

スキー実習の効果とは

2023年05月01日 08時23分00秒 | 教育・子育てあれこれ
私が中学校の教頭・校長をしていた頃、冬季に何度か学校行事「スキー実習」の引率をしました。

岐阜県の郡上高原スキー場へ2泊3日で行きました。

学校によって、スキー実習といったり、スキー教室と呼んだり、行事名はさまざまですが、だいたい1年生で、または2年生で行きます。

3年生では修学旅行があります。また高校入試を控えているので、ケガをしたらたいへんです。

さらに、スキーをすべって、入試を「すべる」のも、これもたいへんです。

ただ、1・2年生でのスキー実習の教育的効果は、とても大きいと私は考えています。


それは、スキー実習が自分で努力した。少しずつだけど滑れるようになった。最終日には、「自分って、けっこうやるものだ」。やればできるんだ。
このように実感できるのが、スキー実習なのです。

もちろん、そこにはインストラクターや学校の先生の十分な打ち合わせに基づく支えがあってこそ可能になります。

スキー実習のメリットを裏付けるかのように、2泊3日のスキー実習を終え、帰校したときの解散式では、どの生徒も充実感で満ちた表情をしています。

それとともに感じるのが、今の生徒たちに自信を持たせる機会をいかに提供できるかが、教育課題として問われているということです。



一般的に子どもの自尊感情は、中学校入学とともに下がるのがふつうです。

それは、小学校とちがって周りの子との差が見えやすくなるからです。

わたしよりもっと勉強のできる子がいる。

おれよりもっとサッカーのうまい子がいる。

こう思うのと、思春期の自我の目覚めから自分の存在意義を考えだし、子どもの自尊感情は下がるのです。

これは、いいとか悪いの問題ではなく、小学校とは違う学校のしくみの問題なのです。

自信がない、失敗したくない。新しいことにチャレンジすることは避けたい。

このように思う中学生が、けっこう多いのです。

そんな中学生に、自信の灯をともすのがスキー実習なのです。

先日、新聞記事に次のような投稿が載っていました。

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先日、学校の行事でスキー教室に行きました。
これまでスキーをしたことがなく、不安でいっぱいでした。

行く直前まで、「私はできないからやりたくない」と前向きな気持ちにはなれませんでした。

スキー教室の初日。初めてつけたスキー板は、けっこう重くて動かしにくく、恐る恐る雪上を歩きましたが、すぐに滑ってしまい、何度も転んでしまいました。

先生のアドバイスに従って、少しずつ前進しましたが、フラフラの状態。あまり傾斜のない坂でもほとんど滑れませんでした。

でも翌日も転びながら歩いて滑っているうちに感覚がつかめるようになり、自信が付いてきました。

2日後の最終日にはかなり傾斜のある坂も滑ることができ自分自身、驚きました。

普段、難しいことがあると、「私にはできない」と逃げていました。
でも、今回のスキー教室で「逃げても何も変わらない。少しずつ進めばできるようになる」ということを学びました。

(東京都 中学生 13歳、『毎日新聞』より)
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スキー実習の教育的効果を伝えてくれる投稿だと、あらためて思いました。