箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

わたしは地元の大学に行く

2021年04月28日 07時41分00秒 | 教育・子育てあれこれ


2021年度入学生の大学入試は、「センター試験」から「共通テスト」に変わる制度変更と新型コロナウイルス感染拡大が重なり、いつもとちがう様相を呈しました。

受験生は、制度変更への不安と感染拡大を懸念して、「早く進学先をきめたい」という気持ちを高めました。

そのため、一般入試で国公立大学に合格できそうな学力をもつ受験生の多くが、年内に行われる入試で進学先をきめるというケースがありました。

年内に行われる入試は「総合選抜」(以前のAO入試)、「学校推薦型」(以前の推薦入試)ですが、とくに「学校推薦型」には希望者が集中しました。

今年の1月の「共通テスト」に志願した受験生は、昨年度までのセンター試験より2万人以上減少しました。

また、大学受験浪人になりたくないため、できるだけ現役で合格したいという志向が一般入試にも現れました。

国公立大学に関しては、全国から受験する東京大、京都大など志願者が減りました。

その一方で、東北大、名古屋大、九州大などは受験生が増えました。

つまり、コロナ渦でオンライン授業が継続するのではないかという不透明な大学生活を予想して、地元の大学を希望する傾向が強く出たようです。

私立大学に関しても、ほとんどの大学の志願者が減りました。総数で言うと15%程度減りました。

首都圏・関西圏の私立大(総合大学)の多くが、それぞれ1万人以上の志願者減となりました。(明治大、早稲田大、法政大、中央大、青山学院大、日本大、立命館大、近畿大、関西大、同志社大などで志願者が減少)

地方の受験生が大都市圏の大学を避け、地元志向を強めたのでしょう。

今年度もコロナの収束が見通せないでしょう。また、経済状況が悪化する中で、たくさんの大学を受験するのではなく、地元志向・安全志向が強まるでしょう。

なおかつ、18歳人口が減少する傾向が重なり、志願者が集まる大学と定員割れを起こす大学の二極化がさらに進行するのではないかと予想します。

こんなときには、大学側の入試に関する発想も大切になります。

たとえば、感染症対策を完全に行った上で、対面授業を約束する大学。
共通テストを利用して受験する場合は受験料を免除する。
一般入試の出願を試験日の前日まで受け付ける。

このように、受験生の目線にあわせた戦略を打つ大学など、ほかの大学とちがうアピールポイントが求められるのかもしれません。



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