
人間関係が複雑化した社会では、自分のことをわかってほしいと、ヒリヒリとした気持ちで毎日を過ごしている人も少なくありません。
孤独を感じたり、不安な気持ちになりやすいのです。
そこで、「いのちの電話」は孤独や不安で悩んでいる方々に寄り添う市民活動です。
その歴史は古く、日本では1970年代はじめにはスタートしています。
しかし、現状となると、相談員のなかには無償ボランティアとして活動している人がけっして少なくはないのです。
相談員にとっては、人の話を聞く、なかでも特に悩んでいる方の話を聴くのは、重荷をかかえ、自分の身を削る状況になる場合もあります。
相手のつらさに共感しようとすればするほど、相談員の疲れは大きくなります。
感謝されれば報われた気持ちになりますが、そうではない時もあるでしょう。
では、なぜ時間と費用を惜しまず無償の活動ができるのでしょうか。
おそらく多くの相談員は、聴くことが相手を支える力になることを体得しているのです。
悩んでいる方の話を聞くことで自分と違う考え方やとらえ方を受け入れる大切さや寛容さも学びます。
忍耐強く相手の気持ちを感じとろうとする時間を自分の心が豊かになり、成熟していく時間にしているのではないでしょうか。
また相談員の方々がお互いの苦労を分け合い、同業のつながりを大事にしているかもしれません。
いのちの電話に携わる相談員には、それ相当の報酬が支払われてもいいと思うのは、わたしだけでしょうか。
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