箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

子育ての環境について

2019年12月21日 08時35分00秒 | 教育・子育てあれこれ






わたしが学級担任をしていたころ、親御さんから尋ねられたことがありました。

この子に意欲が足りないと思うのは、もともとののんびりとした性格でしょうか、それとも、のんびりと育ててきたからでしょうか。


じっさいに、クラスを見渡すと、何でも意欲的に取り組む子もいれば、授業中でものんびりと学習する子もいます。

「それは、生まれつきの性格でしょうね」。

こう言ってしまえば、みもふたもありません。

これでは、子どもの意欲を育むことはできません。

だから、子どもそれぞれの特性というか性格をよく理解して、それぞれの子にあったやり方が必要になります。

そして、子どもを育てる環境を整えます。

そのとき、人の成長を親がどう捉えているかが左右します。

①  人間は、放っておくと、怠ける。だから子どもの場合は、おとながコントロールして育てる。

②  人は自分で自分を伸ばしていける。だから、環境を整えれば、自分で行動するようになる。

①を思う人は、相手を管理して、自分の思い通りにしようとする支配型親になります。

②をよりどころにする親は、子どもの興味に関心をもち、やる気を出す言葉かけをする環境調整型親になります。

もちろん、親は①と②の中間の子育てをされている場合も多いとは思います。

じつは、学校の教員にも、児童生徒をどう見るかが問われてきます。

ただし、私は基本的には、②の人間観・子ども観に立って、ブログをずっと書いてきています。

「救育する」とは、英語でeducateです。

educateの本来の意味は、「引き出す」です。

その意味で、子育ての環境を整えることはたいへん重要です。


しかし、その前に、親がどんな人間観や生活観をもち、どのような生き方をしているかが、子どもに重大な影響を与えます。

つまり、親こそが子育ての環境なのです。

同じように、教師が教育の環境だとも言えるでしょう。

だから、私たちは、困難なことに対しても、前向きに生きていたいですし、日々のできごとに感謝して生きていたいのです。

そんなおとなの態度を、子どもは引き継いでいきます。



コメントを投稿