箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

子どものスマホに悩む親

2021年12月06日 07時46分00秒 | 教育・子育てあれこれ


私は2000年頃に、勤務する中学校の全校生徒を対象に、家庭学習の時間とテレビ視聴の関係を調査しました。

それによると、家でのテレビやゲームの視聴時間が長くなるほど、家庭学習の時間が短くなるという傾向が見えました。

当然といえば当然の結果だったのですが、問題に取り上げたのは学年が1年から3年になるにしたがって、テレビ視聴時間が増えているという点でした。

そこで、保護者に対してこの結果を知らせ、中学生のテレビの見過ぎを減らすよう啓発しました。
同時に家庭での学習と学校での学習をつなぐ学習のシステムを校内教職員に提案しました。

さて、それから約20年がたち、このたびベネッセ教育総合研究所が行った調査(「子どもの生活と学びに関する親子調査」2015-2020)を見ました。

「子どものメディア使用をめぐる保護者の悩み」という質問結果では、テレビ、ゲーム、携帯電話やスマートフォンの3項目について、興味深い傾向がみてとれます。

子どもが小学生のうちは「テレビの見方」や「ゲームのしかた」に頭を悩ます保護者が多くいます。

ところが、「携帯電話やスマートフォンの使い方」は、小学生のうちはさほど高くないのですが、子どもが中学生になると一気に増えます。5割前後の保護者が悩むようになるのです。

なおかつ、中学生では「テレビの見方」に悩む保護者は学年があがるほど減ってきます。

もちろん、この調査は保護者に視聴時間を尋ねたものではなく、メデイアについての悩みについて問うたものですので、調査方法が異なります。

でも、子どもがメディアを使うほど学習に向かわなくなるのだから、保護者の悩みは増えるものと考えることができます。

一つ言えることは、この20年間で中学生が接するメディアは、テレビからインターネットにつながる携帯電話やスマートフォンにとってかわり、テレビを見る機会(時間)は減ってきたということです。

これだけインターネット端末が私たちの生活に深く浸透している現状があるので、携帯電話やスマ-トフォンを中学生に買い与えないのは現実的ではありません。

使い方のルールや自己情報の開示制限などを子どもが小さいうちから決めておくのがいいでしょう。


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