箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

マリーちゃんが教えてくれたこと

2020年10月20日 08時34分00秒 | 教育・子育てあれこれ


私の娘が小さい頃の、東京ディズニーランドでのエピソードを紹介します。

シンデレラ城の前でショーがありました。

家族で席をとり、ショーを楽しみました。

ショーの後、「よかったね」と会話していると、娘が「あっ、忘れた!」と言いました。

聞いてみるとシンデレラ城の前のベンチに座ってショーを見たとき、小さなマリーちゃんのぬいぐるみをベンチの上に置きました。
ショーが終わって、そのまま忘れてきたということでした。

「しかたないね」と言いながら、帰阪してから、「もう出てこない」とあきらめながらも、試しにディズニーリゾートに問い合わせの電話をかけてみました。

すると、担当者は忘れた日時と場所をたずねたうえで、「ありますよ。届いています。お送りしますから」と回答してくれました。

やはり聞いてみるものだと思いお礼を言い、送り先を伝え電話を切りました。

数日後、宅配便の方が届けてくれました。
「(着払いの)送料はいくらですか」と聞くと、ここでさらに驚きでした。

「リゾート側が、送料はいらないとのことです」。

なんと、送料まで負担して送ってくださったのです。

やはり、ディズニーは愛と感動を届けるところだと思った次第です。

子どもの願いと夢を裏切らないとあらためて思いました。さすが、ディズニーは愛と感動を届けるところだと思った次第です。


このエピソードで、もし「忘れ物だから見つかって当然」と思い込んでいたら、ここまでの感動はなかったでしょう。

さらに、送料までむこうが負担してくれた。

私や娘には、新鮮な驚きでした。そして、驚きは感動に変わったのです。



ここから思うことがあります。

人間は生きていく上で、もっといいものとかもっとおいしいものを求めつづけるよりも、要求水準を一番低いところにもってくるのがいいのでないかと。

社会や世の中、他者に要求するレベルを「あきらめ」に置くのです。

「小さな目立ちくいマリーちゃんだから、見つからないよね」とあきらめていると、予想外の反応があったとき、思いがけない、ちょっとしたことで感動や喜びが生まれるのです。

おもん見れば、人の一生はつらいことの連続です。
一生背中に重い荷物を背負って歩くようにと思えるときがあります。

こう思って過ごしていると、ちがうことに出くわしたときの喜びはとても大きいのです。

つまり、不条理や理不尽はあるものだと思うのです。
でも、だからといって、投げやりになり、やる気をなくしたり、失望するのではありません。

不条理・理不尽を受け入れ、誠実に生きるのです。

そうして、予想外のできごとに出くわして、感激・感動を享受する。

以上、マリーちゃんが私に教えてくれた人生訓です。


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