箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

自然に帰ること

2022年01月02日 10時42分00秒 | 教育・子育てあれこれ



令和の4年、新春を迎えました。

さて、令和から平成、さらにタイムスリップした昭和の頃の話です。

私は生まれて大学生の頃までずっと、わらぶき屋根の家に住んでいました。(その後、家は建て替えました。)

わらぶき屋根の家は、都市の人工的に作る家とはちがって、土地や環境に根ざした民家の在り方を反映していました。

その家は、天井が高く、夏は涼く、冬は暖かい家でした。

鉄とかコンクリートを使った「人工物」ではない、自然の素材をふんだんに使っていました。

わたしの幼い頃、夏には部屋の戸を開けると涼しい風が入ってきて、蚊帳をつるして中に蛍を放ちました。

暗い中に、きれいな蛍の光が輝き、いつの間にか眠りについていました。

凍るような冷え込む冬の夜には、掘りごたつで温もりました。

その頃は、流れる時間がゆっくりだったようにも思います。

このようにふりかえると、日本の伝統建築は素晴らしいとあらためて思います。

木製の家は人に対してとても親しげで、人間を包み込んでくれるような感覚を生み出します。

40、50年ほど前の話ですが、こんな家が実際にあったのです。そこに私は住んで子ども時代を過ごしたのでした。

過ごした小中学校も木造の校舎で、木の机・椅子でした。

その後、人間は自然から遠ざかる生活を継続しています。その象徴的な建物は都市に連なる超高層ビル群です。

新型コロナウイルスは、人間に「あまり自然から遠ざからないように。自然にもどりなさい」という警鐘をを鳴らしているのではないかと想うのです。

このコロナ禍災は、私たちが「VUCA」といわれる世界で生きていることを知らせました。

VUCAとは、Volatility 変動性、Uncertainty  不確実性、Complexity  複雑性、Ambiguity  曖昧性の世界のことです。

年頭の所感でした。





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