箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

今の焼け野原

2021年08月14日 07時22分00秒 | 教育・子育てあれこれ
もうすぐ第二次世界大戦が終わり、76年になろうとしています。

太平洋戦争で、日本本土は地上戦にはならなかったものの、敵機は容赦なく街を空襲し、焼い弾を投下し、大阪も東京も焼け野原になりました。

その後、日本は敗戦から立ち上がり、目覚ましい経済発展を遂げました。

バブル崩壊後、「失われた30年」を経て、いまは新型コロナウイルスに慄き、閉塞感が漂います。

人と人の関係が疎遠になりました。

宅配ビザのにいちゃんと配達を受ける人は、多くを話さずともビザを手渡し、受け取ります。

また、ウーバーイーツは、「置き配」が多く、配達員と依頼人は顔を合わすことなく、ことが済んでしまいます。

人と人が分断され、それを受け入れていくうちに、心がすさみ、自分が孤立していると感じる。

戦後復興は遂げましたが、今の時代、心は新たな「焼け野原」とも言えます。

ウーバーイーツの配達員がそうであるように、この孤立感を感じる人は、とくに今の若い人に多いのではないかと想像します。

冷たくなっていく心の風景は、あたかも「焼け野原」のようです。

そう思ったとき、わたしは学校教育の役割が大きいのでないかと思います。

集団生活の中で、人と人がかかわりあい、他者とつながる楽しさや喜びを知らせるのが、心が「焼け野原」になりがちな今の時代だからこそ、学校がやらなければならないことです。


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