箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

脱皮するとは

2018年08月06日 19時22分24秒 | 教育・子育てあれこれ


いまでは、ほとんど見かけなくなりましたが、今の時期、私は家の周りでは、子どものころよく蛇を見かけました。

そして、ときどき、蛇が脱皮して脱ぎ捨てた皮を石垣に見つけました。

その皮をサイフの中に入れておくと、金運がつきお金が貯まるなどと言われていました。私はしたことはありませんが。

さて、蛇の脱け殻の話は、哲学に飛びますが、ニーチェが関係します。

ニーチェは、ドイツの哲学者です。

彼は、言いました。


「脱皮できない蛇は滅びる。
その意見をとりかえていくことを妨げられた精神も同様だ。」

The snake which cannot cast its skin has to die.
As well the minds which are prevented from changing their opinions; they cease to be mind
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脱皮するには怖さが伴なうのがふつうです。

新しい自分になるということは、これまで身につけてきた愛着のある「暖かい衣」を捨てることになるからです。

ですから、大多数の人は、脱皮をためらいます。

それでも、人は進化するためには、今までの自分と決別しなければならないのです。

人は現状に満足した時点で成長や進化は止まります。

商売に成功したら、「もっと、もうけたい」と思う。

たくさんお客さんが来るようになっても、「もっとお客さんに来てほしい」と努力する。

学級担任もいまのクラスに満足するのでなく、「もっといいクラスにしたい」と、さらなるクラスづくりに励む。

中学生にしてもしかり。

テストで、いまの点数で満足するのでなく、もっといい点を取りたいと、さらに学習に精を出す。

部活で、ベストプレイヤー賞をもらっても、「もっとうまくなりたい」と願い、練習をする。

それには、本人に「新しい自分になりたい」とかという強い意思が求められます。



本日、剣道の大会に行きました。

個人戦の決勝戦は、圧巻の集中力を中学生が見せていました。

審判の「はじめ!」の合図とともに、猛烈な勢いで「技あり」をとります。

凄まじい集中度でした。「決勝まだ来たのなら、ここで満足はしない。ぜったい優勝する」という強い意志と覚悟を、私は感じました。

脱皮というものは、強い気持ちや決意が必要なのだと、あらためて思いました。




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