わたしは、人びとをグループに分け、ひとくくりにして「このグループの人はこうだ、これしかない」というステレオタイプ的な思いこみ・きめつけはできないと、基本的には考えています。
たとえば、「男の人は女の人より力がある(力持ちだ)」というきめつけがあります。」
たしかに、統計学的にデータ処理をすれば、男の人のはうが力があるということは、傾向としてみることができるでしょう。
でも、だからといって、「女の人は力がない」とか「女の人は弱々しい」というのはきめつけです。
そこでは、「個人差がある」という事実を排してしまうからです。
女の人にも、大きな力を出すことができる人がいる。つまり「女の人は・・・・」とひとくくりにはできないのです。
「女の人が会議に入ると長くなる」というのも、偏った見方であると思います。
まして、公の場でそれを公言したのだから、非難され、そしりを受けて当然かと思います。
たしかに女の人は、細かい点まで気がつくことが多く、それを会議でていねいに打ち合わせするので時間が長くなる傾向はあるのかもしれません。
でもそれによって会議後の本番で不測の事態を回避することもできることがあるでしょう。
また、わたしの知る限り、要領よく会議をまわし、論理的に人びとを納得させる女性もいます。
ということで、きめつけや凝り固まった思考はよくないように考えています。
それでいえば、TV番組の「秘密の○○SHOW」というのも気になります。
「愛知県の人はみんな味噌煮込みうどんをこよなく愛す」「大阪の人はみんなお好み焼きが好きだ。でも東京の人はもんじゃ焼きが好きだ」。
これも個人差を無視しています。わたしはこの番組もきめつけや偏見を助長する危険があり、アウトかセーフかのギリギリにあると思っています。
おそらく愛知県でインタビューをして、30人に聞いてみたところ25人までが「好きだ」と答え、5人は「うどんが固くて好きでない」と答えたとしましょう。
番組は、その5人のことはテレビにのせません。「好きである」とう25人ばかりを特集して特化して取りあげ、その中でもリアクションの大きい、言葉や言い方にインパクトのある人を「これでもか」と映し出します。
それを視聴している人は、「そうか、愛知県民はみんな味噌煮込みうどんが好きなんだ」と思いがちになるのです。
不特定多数の人に思いこみをうえつけるという点で、ちよっと「あぶない番組」であると、わたしは思うのです。
もちろん思慮深い人もいて、「好き嫌いが誰にもあるからね」という柔軟な見方をする人もいるでしょう。
でも、TVというメディアの影響力の大きさがあるので、思いこみを助長する影響力は大きいと思います。
多くの人に共通項があり、「概して〜だ」ということはあっても、「すべてが〜だ」とか「みんなが〜だ」という思いこみはなくしたいところです。
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