
いま、コロナ渦がとくに10代から30代の若い女性に心理的な重圧をかけています。
なかには、「死にたい」という願望につながるケースが増えています。
既婚者の場合、夫からの暴言・暴力がコロナ渦により激しくなることがあります。夫がリモートでのワークや家にいることが多くなり、夫婦の距離近くなったりや密度が濃くなったりして、夫と過ごす時間が多くなりました。
また、収入が減って生活苦になる場合もあります。非正規やパートタイムで働いていた女性が飲食店等の時短営業の影響を受け、収入が大幅に減ってしまい困窮するということもあります。
住居がなくなり、ネットカフェを渡り歩き寝泊まりしている人も増えてきました。
若い女性の中でも10代の女性の場合は、もう一つ悩みが深くなります。
わたしの教職経験からみると、中学生で父親からの家庭内暴力を受けている子は、じっさいにいます。
また、高校生ともなると、バイトでの収入が減り、家計を助けながら学業を続けていくのに困難を来すこともあります。
もともと、10代の女性は思春期での悩みを持っています。それは心が成長し、安定していく過程におけるふつうの状況であり、心の揺れや葛藤と向き合い、乗り越えていくことでおとなに近づいていく成長期の特徴です。
ところが、この思春期にコロナ渦の影響によって、生活の不安定さが重なれば、その影響はさらに大きくなるのです。
リストカットをしたり、「わたしなんて生きていて、何の価値があるの?」と思いつめてしまう子もいます。
ただし、わたしの知りうる限り、思春期の10代の若い子の問題は、新型コロナウイルスの感染が起こる前から起きていました。
今回、コロナ渦で社会が不安定になり、いままで一般には潜在していた社会の問題があぶり出され、顕在化したという見方をするのが当たっているように思います。
コロナ渦で、程度の軽重はあれども、だれもが少しは心理的な影響を受けています。生活苦の問題に対しては、公的な助けが必要です。
また、人と人が距離を開けるように制限があるいまだからこそ、他者と心でつながる必要がますます高まります。
学校の教職員は、複雑で揺れやすい思春期の生徒の心に寄り添い、「心配している」という温かさで、心情を揺らさないようにするのではなく、揺れ幅を小さくする役割を担いたいのです。
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