春本番、本来なら教室に児童生徒がいて、フレッシュな気分で学校生活をスタートさせる。
子どもも教師も気持ちを切り替えて、新しい生活に希望を抱く。
ところが、新型コロナウイルス感染防止のため、学校の休校が続いています。
それでも、教師なら自分の受け持つクラスの児童生徒のことが気になるのが、仕事柄、当然のことです。
とりわけ、もし自分のクラスに不登校の子がいるとき、どんなことを考えるでしょうか。
学級担任が「私にできることは何だろう?」と前向きに考えると、次につながるかかわりができます。
教師が前向きであることから、子どもも前向きになり、自立に向け一歩を踏み出し登校を始める。
そのことで、教師自身も自信を深め、ひとまわり成長します。
不登校の子どもの課題は、多かれ少なかれすべての子どもの課題を凝縮したものととらえることができます。
私もその観点から、学級担任をしていた頃、不登校の生徒へのサポートに傾注しました。
ところで、いま、学校にはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの専門家や、学生ボランティアなど、多くの人が不登校の子どもに関わってくれるようになりました。
ですから、担任が一人で不登校の子どもへのサポートを抱え込まずに、いわゆる「チーム」でかかわることが当然のようになってきています。
これは、子どもにとっても、保護者にとっても、学級担任にとっても、ありがたく心強いものです。
ただ、私が感じるところでは、そのチームの中で、学級担任としての役割が薄くなる場合が起こりえます。
つまり支援者を学校が「外に注文する」ことで、責任の所在が学級担任から外れていく状態です。
臨床心理学や医療、社会福祉などの専門家による支援は確かに重要で必要です。
しかし私は、不登校の児童生徒の支援の要は担任であると思っています。
担任が関わらずして、不登校の子どもの自立は望めないと考えています。
担任が子どもの状況に応じて、家庭訪問して相談相手になり、学校復帰に少しでも近づくことができるようにサポートしていく。また進路指導についても手厚く相談に応じて、ガイダンスをしていく。
学級担任との良好な人間関係が、子どもの自立を支える大きな力になることを、あらためて確認しておきたいのです。
学校が休校で、その再開の仕方が課題になります。
生徒が家庭でどうしているだろうかと、学級担任が、想いを巡らせる中に、不登校生徒のことが視野に入っているかを確認しておきたいところです。
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