
私が子どもだったころ、親は1年に1回、夏休みに家族旅行で、日本各地に連れて行ってくれました。
いまでも、どこへ行ったかははっきりと覚えています。
小1で淡路島、小2で南紀白浜と三段壁、小3で福井芦原温泉と東尋坊、小4で岡山鷲羽山と鳥取砂丘・大山、小5で乗鞍・上高地、小6で那智の滝・・・。これが高校生の途中まで続きました。
自分が知らない場所へ行くのは、今にして思いますが、ほんとうに新鮮な驚きでした。
だから、小学校の社会の教科書に鳥取砂丘が出てきたら、「あっ!ここへ行ったことがある。ここでこのラクダに乗って写真を撮った」と思わず口にしました。
田舎の小学校でしたので、クラスの友達はあまり日本各地を回った経験がなく、「ウソ言うな!」と、こっぴどくたたかれました。
教科書に載っていることは、ほとんどの子にとっては、行ったことのない未知の場所だったのです。
私も黙っていればいいものを、「ウソちがうもん。ホンマに行ったもん」と言い返しました。
それで、クラスでいじめられました。
ただ、私は中学生で地理を習うと、自分で言うのもなんですが、あちらこちらへ実際に行ったことがあるので、学習への興味関心はとても高かったのです。
小さいときに、いろいろな場所を訪れるのは大切だなと感じます。
また、何度か書いていますが、私は小さいときから自然とともに大きくなりました
毎日、自然と共に遊んでいました。
春はタンポポ、レンゲの花を摘み、夏は朝から昆虫採集、秋には稲刈り、その頃には里山は紅葉や茶色で染まりました。きれいだと思いました。冬は雪遊び、凍って氷がはった池の上を歩いたりしました。
ですから、中1の2学期中間テストは、第2分野の生物が試験範囲でしたが、満点をとりました。
この体験談からもわかるように、実際に体験する学習はとてと大切です。
自分が体験しているから、興味をもち、関心が高まる。学習が面白い。よく学習する。テストで高い点をとる。
学習は、学ぶことへの興味関心に支えられているとあらためて思います。
このように、教師になってから、自分をふりかえり思っていました。
ただ、いまはもう一つ、体験する学習について、さらに思うことがあります。
それは、体験学習の積み重ねの大切なことは、「よき思い出」として、のちにまでずっと残るということです。
知らない場所の訪問を体験して、家族と楽しい時間を過ごした、知らなかった人に、旅先で出会った。
失敗してケガをすることもあったが、竹を鎌で削り弓を作った、汗を流しながら釣りをしてフナを釣り上げた。指がしびれるほど冷たい手で雪だるまを作った。
中学生になると、クラスで猪名川の源流になる川の近くでキャンプをしました。
こうした体験が、子どもにとっては得がたい、幸せに満ちた経験だったと、今になって思うのです。
子どもの頃の体験は、「よき思い出」として、いつまでも記憶から消えることはないのだと、この歳になって思うのです。
三中の子も、豊かな体験をして、物事への関心を高め、よき思い出をたくわえ大きくなってほしいと思う、今日この頃です。
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