箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

中学生が創る短歌

2021年01月17日 09時48分00秒 | 教育・子育てあれこれ


箕面三中の2年生が1学期の国語表現の時間に作った短歌のうち、このたび7名の短歌が短歌研究社の「第1回短歌研究ジュニア賞」中学生の部に入賞しました。

機関誌「短歌研究」2021年1月号に短歌が掲載されました。

応募総数1521名の中から選ばれた、7名の作品を紹介します。

<佳作>
🔹豆投げて冷たい夜に逃げていく
父の背中はぬくもりがある    

<予選通過作>

🔹父さんとネットで買ったプレゼント
赤とオレンジ電車のもけい  

🔹ぱちんと手の痛い音がなるサーブ
もうぬらなくて良い日焼け止め 

🔹夏の夜大きな音もいいけれど
小さな音もきれいな花火      

🔹グラウンド十一人が位置につき
キャプテンの声始まる試合    

🔹紅に染まった葉っぱ見つめたら
心落ちつく不思議な気持ち    

🔹ひな人形明かりで見える美しさ
暗闇で見る裏の顔かな      
 
短歌の学習は、毎年美術科の協力をえて、「誕生月」をテーマに行っています。

美術科「マイ・アニバーサリー」に短歌を載せることが学習のゴールです。

図書館を活用し、イラストとことばのどちらもイメージを膨らませ、学習を進めていきました。

「国語表現」の授業のふりかえりとして、2年生が書いた内容を読んでみますと、

「はじめは興味がなかった短歌だったが、その面白さにきづいた」

「生活の中で短歌をまたつくってみたい」

このように、「学びの深まりを感じられる記述が多くみられ、嬉しく思った」は指導した教員の感想でした。

完成した作品が、校内のコーナーに毎月誕生月ごとに展示されます。

目で見て美しく読んで楽しい、素敵な作品がたくさんあります。

生徒たちは、書いたり話したりといった表現活動に抵抗が少なく、とても前向きに取り組みます。

そして、仲間の作品を自然にほめたり評価し合ったりする中で、深く考え学んでいくことができます。
とても素晴らしいことです。

佳作の「豆投げて冷たい夜に逃げていく父の背中はぬくもりがある」は、温かい部屋で豆まきをする子どもたちと、「冷たい夜」に逃げていく父の「ぬくもり」が対比するように描かれている作品です。

新型コロナウイルス感染防止に努めなければならない、冷たい冬がやってきました。

でも、だからこそ、家族と過ごすあたたかな時間も大切にしたいです。

このよううな思いとメッセージが込められた作品に仕上がっています。

(本文は、箕面三中学校だより2021年1月号から引用しています。)




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