
ハンセン病はらい菌が皮膚や神経をむしばむ病気です。しかし、今では治療法が確立され完治する病気です。
ハンセン病の感染力は弱く、ほとんどの人は自然の免疫をもっているので、感染しにくい病気です。
治療をしないで放っておくと身体の変形が起こり、障害が残ることもありますが、早期治療をすれば障害は残りません。
日本では、家族が感染しないように隔離する方針が日本政府によりとられてきました。
第二次世界大戦後も強制隔離政策を継続させる悪法「らい予防法」が制定され、患者は家族と住み慣れたふるさとから引き離されるという負の歴史を重ねてきました。
ハンセン病は、患者さんから感染する可能性はまったくといっていいほどないことが明らかにされ、らい予防法は、1996年に廃止されました。
しかし、社会の人びとの無知、誤解、偏見から、大勢の患者、回復者、家族が苦しんできました。
その苦しみは想像を絶するものでした。私たちは二度とこんな歴史を繰り返してはならないのです。
しかしながら、昨年から続いている新型コロナウイルス患者や医療従事者に対する偏見・排除には、ハンセン病の場合と共通する性格を持っています。
それは、本人だけでなく、家族にまで偏見のまなざしを向け、排除するという点です。
私たちは、ハンセン病と同じ過ちを繰り返してはならないと、強く思います。
ときどき新型コロナウイルス感染者を「隔離」すると言われますが、意識を高くもつと、この言葉のもつ意味あいはセンシティブです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます