箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

やられる側に立って

2023年05月24日 09時03分00秒 | 教育・子育てあれこれ





やられる側の人間を美しく描きたい。


画家の故丸木位里さんの言葉です。

丸木さんのふるさとは広島でした。

丸木さんは、つれあいの丸木俊さんとともに、大作『原爆の図』を描きました。

丸木さんはつねにやられる側の立場に立ち、作品を描き続けたのでした。

そのことにより、やられる側の人間の尊厳が際立って見えてきます。

ということは、傷つける側の残虐さが浮き立ってくるのです。




今回の広島でのG7サミットでは、原爆資料館を各国の首脳が訪れました。

核兵器廃絶までの議論には進みませんでしたが、わたしは首脳が実際にヒロシマを訪れて被爆者の話(証言)を聞いたこと自体に意義があると考えます。

学校の修学旅行では、児童生徒は実際に現地に行って、やられた側の当事者の話を聞きとることで、平和を願う気持ちを育みます。

その児童生徒から、卒業後も引き続き平和を願う気持ちを膨らませたり、学習を深めたり、平和のための活動をする人になってくれればいい。

修学旅行は、その機会・きっかけを提供するものです。

G7と修学旅行をいっしょにはできないという考えもあるでしょうが、首脳も児童生徒も同じ人間です。

実際に現地へ行き、原爆被害の実相に触れることから、すべては始まるのです。

遠い国から、ヒロシマのことを聞き及ぶだけでは、伝わらないのです。

答えはいつも現場にあるのです。


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