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箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

本や活字のもつ威力

2024年12月13日 06時13分00秒 | 教育・子育てあれこれ
最近30年の間、出版界が不振です。

30年間で書店数は半分(7000店)に減りました。

書店経営者の年齢も高齢化が進み、あと20年で5000店ほどになるという試算があります。

残るのは、大半の書店が大手やチェーン店です。このままでは個人が経営する「まちの本屋さん」はほぼ消えてしまう危機にあります。

また、最近は若い人が本を読まなくなったと嘆く「本離れ」「読書離れ」が進んでいるといわれます。

学校現場の実感でいえば、本を読む冊数は減っていても少しぐらいでほぼ横ばいです。小中高校生でいえば、むしろ微増しています。

ただし、高校を卒業した直後の19歳および大学卒業後の23歳は大きく減っています。

それはおそらく、アルバイトや就労で経済的に少しゆとりができ、いろいろなメディアに接する機会が増えるからです。

そこで動画配信を楽しむ人が増え、本は太刀打ちできなくなります。それは、新聞でも同じでしょう。

しかし、本や新聞には、それにしかない力があると思います。その力を言葉で表現するのは難しいですが、読む人は活字や本のよさを知っています。

活字や本には、「予期しなかった出会い」があるとでも言いましょうか。

私自身の経験から言っても、確かにあります。

本のよさを代弁する楽曲の歌詞を紹介します。





「太宰治を読んだか ?」

風に向かって ずっと歩き続けたんだ
どこにいるのかわからずに 何かに逆らいたかった

道は果てなく 僕は無我夢中だった
少しでも気を緩めると 心が吹き飛ばされた

人はなぜ生まれるのだろう? いつか死んでしまうのに
つらい毎日の中で 生きる意味を知りたかった

太宰治を読んだか?と聞かれた 君と出会った日
正直に言えば 僕は読んでなかった

近くの本屋で何冊か買って ファミレスに入った
縋(すが)るように ページめくりながら自分探した

風はそれでも 何も変わらず吹いていた
スーパーの安売りのちらしが ひらひら 振り回されてた

行けど夢など 何(なん)にも見つからなかった
夢なんか見てしまったら 挫折が怖くなるだけ

なぜか涙も出やしないよ 愛も枯れるもんなんだ
今日を淡々と生きて考えないようにする

太宰治を読んだか?と聞かれた 君を友と呼ぼう
残念なことに 本に答えはなかった

“目から鱗が落ちた”というような 奇跡はないけど
ただ 人生とは何か? 語れる友ができた

太宰治を読んだか?と聞かれた 君と出会った日
正直に言えば 僕は読んでなかった

太宰治を読まなきゃだめだよ 必ず勧める
そこにあの日と同じような僕がいるんだ

太宰治を読んだか?



(作詞:秋元 康、作曲:杉森 舞  2013年)