勇者の大局観

ヘボ投資とつれづれなる日々・・・
(投資に関する投稿は私感に基くものです)

映画『ザ・ウォーカー』を極める。

2012年12月02日 | 映画
昨日、3度目の『ザ・ウォーカー』観賞
この映画、たまに心を落ち着かせたい時に観たくなりますので・・・
ここは、完全ネタバレでいきますがストーリーを全て知っていても引き込まれながら観れる映画ですので問題ないかと思います。派手ではない(どちらかと言えば地味な)映画ですがじっくり楽しめます。(私的に

映画全体の雰囲気は「北斗の拳」。しかしながら信仰的。別にキリスト教信者でなくても本質を知れば「ん~!」と唸れる映画。

<ストーリー>
最終戦争によって国家も文明も滅びた世界を旅する男(ウォーカー)イーライがいた。彼は、30年間もアメリカを西に歩き続けている。終着は何処なのか、彼にもわからない。彼が西へ歩く目的はただ、「ある本を西へ運ぶ」ただそれだけ。心の声に導かれるままに歩き続けている。途中、小さな町に立ち寄るのだが、そこは独裁者「カーネギー」が支配していた。そしてカーネギーは「ある本」を手に入れる事に躍起になっていた。なぜならばその本があれば世界を支配出来ると信じているからなのだ。しかし本は中々見つからない。そんなある日、なんとその本を持ったイーライが訪れたのだった・・・

人類はとんでもない事(多分戦争)をやってしまい半分以上死滅してしまった。映画の中で「空に穴があき」と言っていたのでオゾン層が破壊される程の凄い事だと想像しましたが・・・。そして一年後に地下に逃れた人々が地上に上がって来たが、そこは自然や水が溢れる地球ではなくなっていた。そして社会と言えるものは存在しないので秩序もなく、ただ混沌とする世界があるのみ・・・

ここでネタばらしだが、アメリカの人々は聖書を全て焼き尽くしてしまっていた。理由は解らないが宗教戦争だった可能性もあるのではないだろうか。そして主人公のイーライはある日“心の声”が聞こえ一冊の聖書を見つける。それはまさに最後の一冊だ。そしてイーライはこれまた“心の声”に導かれ聖書を(とにかく)西へ運ぶのだった。そして30年の月日がたち・・・

旅の途中、独裁者「カーネギー」が支配する小さな町に立ち寄る。このカーネギーってやつが悪で、貴重な地下水の水源の場所を握っておりそれによって町の人々を支配している。まぁ、これはよくある支配者の構図だがカーネギーは更に“聖書”を説くことで己の求心力を高め自らイエスキリストになって世界を牛耳ろうという腹だった。さて、ここへ聖書を持ったイーライが訪れたが、まだカーネギーは聖書には気付かない。なにせイーライはめちゃめちゃ強くマシェット(刀)の達人で、あっと言う間に絡んで来たゴロツキを皆殺しにしてしまう。おまけに拳銃も相当な腕前だ。カーネギーはそんなイーライを手下にしようと町に留まるよう説得するが、もちろんイーライには興味のない話だ。そして町を立ち去る・・・

更に西へと歩くのだが、カーネギーの愛人の娘がイーライに“祈り”を教わった事を知ったカーネギーは聖書の存在を知る。そしてイーライと(付いて行った)娘の二人を追いかけるのだった。

ついに二人は見つかり聖書を奪われる。そしてイーライはカーネギーに腹を打たれてしまう。この時これまでの30年間、神に守られているので目的を果たすまで決して自分は死なないと信じていたイーライに死を意識した動揺の表情が現れる・・・

しかし、イーライは死んでいなかった。重症を押して西へ歩き出すイーライ。そこへ捕まった娘が車でイーライの元へ戻ってくる。二人は車で西へと急ぐ・・・

“聖書”を奪われたので西へ行っても意味がないと思うだろうがそうではない。聖書は長い年月の間にイーライが全て暗記していた。奪った聖書を持ち帰ったカーネギーは聖書が全て点字で書かれている事に気付き呆然とする・・・

そして、目的の地(アルカトラズ)へ到着した二人。そこではさまざまな文化が貯蔵されていたが聖書はまだなかった。イーライは残された僅かな命を使い聖書を語り、ついに聖書は完成するのだった・・・

ここで、イーライの瞳のアップを見た時イーライが盲目であった事に気付かされる。それまでのイーライの行動があまりにも自然だったので映画を観ていて盲目とは気付かなかった。しかし今回3回目を観て二ヶ所おかしなところに気付いた。

・一つは町に泊まった時に部屋の中で拳銃を机に置くシーンで、わかりにくいが銃を置き損ねる瞬間があった。

・もう一つは老夫婦の家の玄関前の階段を登る時に少しだけつまづく。

これで盲目を確信した!しかし、この微妙な演技をやってのけたデンゼル・ワシントンは恐るべしだ。今回、長々と書いたがこの映画を観る機会があったら盲目を意識して観賞すると、きっと違った味が出てくると思うのだが・・・。







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