言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

無料の高速道路に対する需要

2010-08-16 | 日記
msn 自動車」の「【高速道路新料金】無料化開始1か月で交通量2倍に」 ( 2010年8月11日 )

国土交通省は11日、高速道路無料化社会実験の実験開始後1か月の状況を発表、それによると実験区間の交通量は、開始後1か月間を通じて、平日・休日ともに平均で約2倍に増加した。

心配される渋滞状況については、実験路線50区間のうち、平日は1日あたり約3区間、休日は1日あたり約10区間で渋滞が発生している。主な渋滞発生要因は、一般道路との合流部によるものとなっている。

ただ、平行する一般道路の渋滞に関しては、平日・休日ともに平均で約2割減少した。

また、実験区間周辺の物流事業者のヒアリング調査では、高速道路利用回数について「増加」が40%、「減少」が1%、と回答、物流活動への影響については「良い」が36%、「悪い」が7%、との回答結果を得た。そのほか、観光面において実験区間周辺の客数は、平日と3連休は約1割増加したとしている。


 高速道路無料化実験の結果が報じられています。



 実験によれば、一般道路の交通量が減少し、高速道路の交通量が増加しています。また、一般道路の渋滞が約 2 割減少した、とも報じられています。つまり、一般道路ではなく高速道路を利用するドライバーが増えた、と考えてよいと思います。

 この実験が示しているのは、

   日本には、「高速」道路への需要はあるが、
   料金が高いために、高速道路を利用しないドライバーが多い、

ということだと思います。もともと、高速道路に対する (新たな) 需要がないのであれば、無料になっても、利用者数はさほど変わらないはずです。



 なお、高速道路無料化の効果についてですが、



 「観光面において実験区間周辺の客数は、平日と3連休は約1割増加した」とされていますが、観光は日常的なものではなく、「たまに」行うものであり、この面での効果は、事実上、無視してよいと思います。観光需要の増加を狙って、高速道路を無料化するというのは、どこかズレているのではないかと思います (もっとも、なぜ「平日」の客数が増えたのか、それは気になります) 。



 しかしながら、物流については、日常のことがらであり、重要な要素だと思います。そこで気になるのが、

   実験区間周辺の物流事業者のヒアリング調査では、
   高速道路利用回数について「増加」が40%、「減少」が1%、と回答、
   物流活動への影響については「良い」が36%、「悪い」が7%、との回答結果を得た

という部分です。無料になれば、高速道路利用回数を減らす物流業者が 1 %、物流活動に悪い影響が生じると回答した物流業者が 7 %もいる。

 これは、なぜなのでしょうか。通常、無料であれば、好ましいことばかりではないかとも思われるのですが、無料化は好ましくない、という回答も存在しています。

 そこで考えるに、これはおそらく、「多少高くついても速く運びたい」というニーズによるものと思われます。無料化によって高速道路利用者が増えれば、「速く」運べなくなってしまう。そこで、「無料の」高速道路ではなく、「高い」高速道路でなければいけないのではないか、と考えられます。

 しかし、この種のニーズは、「無料の」高速道路を「速く」走れれば、問題ない、と考えられます。要は、「速く」走れればよいのであり、「無料に越したことはない」はずです。

 とすると、社会全体で、無料の高速道路に対するニーズがどのくらいあるのか、無料化によって、どの程度高速道路は混むのか、というバランスの問題だと思われます。

 したがって、物流業者の意見は、無料化が「良い」という傾向にあるある以上、物流面では、無料化が好ましい、と判断してよいのではないかと思います。

揮発油税・石油ガス税の使途を限定する規定

2010-08-16 | 日記
goo 国語辞書」の「道路整備事業財政特別措置法」の項

《「道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」の通称》道路整備の財源に関する法律。平成20年(2008)に、それまでの「道路整備財源特例法」から改題されて同法が成立したが、揮発油税・石油ガス税は道路特定財源に据え置かれた。平成21年(2009)の改正で、これらの税収の使途を道路整備に限定する規定が削除され、名目上は一般財源化された。道路整備事業特措法。


 「平成21年(2009)の改正で」、「揮発油税・石油ガス税」の「使途を道路整備に限定する規定が削除され、名目上は一般財源化された」、と書かれています。



 「ガソリン税の使途と、高速道路無料化の是非」において、私は、揮発油税または地方揮発油税の使途を限定する規定が見当たらない、と書いたのですが、上記記述によれば、2009 年の法改正前には、使途を限定する規定が存在していたことになります。

 現在、使途を定める規定が存在していないことには変わりなく、私の主張そのものには影響がありませんが、

 私が引用した本は 2008 年の出版であり、当時においては、著者の主張は適切であったとも考えられますので、その旨、明記します。



 なお、「道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」については、

法令データ提供システム」の「道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和三十三年三月三十一日法律第三十四号)

を参照してください。