山養世 『道路問題を解く』 ( p.171 )
高速道路は無料にすべきであるが、大部市部では有料を維持すべきである、と書かれています。
高速道路無料化論 (…を説く著者) が、「借金がなくなれば、無料にしなければならない」ことを最大の根拠としているのであれば、このような主張は出てこないはずです。借金完済後には、必ず無料にしなければならないはずです (「高速道路の無料化は既定路線」・「ガソリン税の使途と、高速道路無料化の是非」参照) 。
したがって、この記述は、高速道路無料化論にとって、「渋滞の解消、およびそれに伴う環境問題の改善を図る」ことが、最重要の根拠 (動機) であることを示していると考えられます。このように考えて初めて、「田舎では高速道路は無料にしろ、しかし大都市部は有料を維持しろ」という主張が出てくるはずです (「高速道路無料化論」参照) 。
しかし、「(大都市部における高速道路の) 渋滞の解消、およびそれに伴う環境問題の改善を図る」という観点で考えるならば、「無料化しないというにとどまらず、料金を値上げすべきである」という考えかたも成り立ちます。
大都市部においては、一般道も混んでいる、と言われればそれまでですが、「高速と一般道とを含めて考えて、もっともスムーズに車が流れるように」高速の料金を定めればよいと思います。無料か現状維持かの二者択一ではなく、値上げという選択肢もあってよいのではないかと思います。
つまり、民間であれば、「もっとも利益が大きくなるように」価格を考えるところを、道路の公共性に鑑み、「(一般道・高速道を含む道路全体で) もっともスムーズに車が流れるように」価格を考えればよいと思います。価格によって通行車両数が変わってくることはあきらかです。最適解になるように、「価格を上げたり下げたり、半額にしたり無料にしたり」すればよいのではないかと思います。
このように考えれば、大都市部にかぎらず、日本全国の高速道路に対して、「無料」以外の選択肢、すなわち渋滞最少化に向けた価格設定 (最適化) を排除しないほうがよいということになります。
もっとも、公共の道路 (国道) は無料でなければならない、との原則に沿って考えれば、このようなことは認められません。また、日本全国、同じ料金体系でなければならないと考えれば、このようなことは認められません。
しかし、無料が原則である、借金返済後は無料にしろ、と説く著者が、大都市部にかぎり、現状維持を主張されています。したがって、上記の最適化を認める余地があるものと思います。
これまで、財源の面から見れば、全国の高速道路はすべて無料にできることを示しました。しかし、あくまで財源から見た話です。渋滞問題や環境問題などから見て、すべて無料にすべきかどうかは別の問題です。
まず、現時点で、首都高速や阪神高速を無料にしたら、渋滞がひどくなるだけです。ですから、大都市部では、有料を維持すべきだと思います。高速道路は原則無料、大都市部の一部だけ有料というのは、アメリカでも採用している方式です。ETCなどを活用すれば、料金所渋滞は減り、また時間帯によって料金を変えることも簡単になります。
もちろん、首都高速や阪神高速で料金を取れば、財源になります。いまと同じ料金なら年間四三〇〇億円近い収入になります。これは現在年間五九〇〇億円の全国の高速道路の維持費のかなりの部分をまかなえる額です。
高速道路は無料にすべきであるが、大部市部では有料を維持すべきである、と書かれています。
高速道路無料化論 (…を説く著者) が、「借金がなくなれば、無料にしなければならない」ことを最大の根拠としているのであれば、このような主張は出てこないはずです。借金完済後には、必ず無料にしなければならないはずです (「高速道路の無料化は既定路線」・「ガソリン税の使途と、高速道路無料化の是非」参照) 。
したがって、この記述は、高速道路無料化論にとって、「渋滞の解消、およびそれに伴う環境問題の改善を図る」ことが、最重要の根拠 (動機) であることを示していると考えられます。このように考えて初めて、「田舎では高速道路は無料にしろ、しかし大都市部は有料を維持しろ」という主張が出てくるはずです (「高速道路無料化論」参照) 。
しかし、「(大都市部における高速道路の) 渋滞の解消、およびそれに伴う環境問題の改善を図る」という観点で考えるならば、「無料化しないというにとどまらず、料金を値上げすべきである」という考えかたも成り立ちます。
大都市部においては、一般道も混んでいる、と言われればそれまでですが、「高速と一般道とを含めて考えて、もっともスムーズに車が流れるように」高速の料金を定めればよいと思います。無料か現状維持かの二者択一ではなく、値上げという選択肢もあってよいのではないかと思います。
つまり、民間であれば、「もっとも利益が大きくなるように」価格を考えるところを、道路の公共性に鑑み、「(一般道・高速道を含む道路全体で) もっともスムーズに車が流れるように」価格を考えればよいと思います。価格によって通行車両数が変わってくることはあきらかです。最適解になるように、「価格を上げたり下げたり、半額にしたり無料にしたり」すればよいのではないかと思います。
このように考えれば、大都市部にかぎらず、日本全国の高速道路に対して、「無料」以外の選択肢、すなわち渋滞最少化に向けた価格設定 (最適化) を排除しないほうがよいということになります。
もっとも、公共の道路 (国道) は無料でなければならない、との原則に沿って考えれば、このようなことは認められません。また、日本全国、同じ料金体系でなければならないと考えれば、このようなことは認められません。
しかし、無料が原則である、借金返済後は無料にしろ、と説く著者が、大都市部にかぎり、現状維持を主張されています。したがって、上記の最適化を認める余地があるものと思います。