くう・ねる・よむ・はな

食べること、眠ること、読むこと、お花が大好き。そんなメイジャンが日々の出来事を綴った、のほほんor辛口日記

『るきさん』

2008年06月08日 | ココロの本

高野文子著 (筑摩書房,1996年)

 

気持ちよさそに生きてるな~、いいなぁ~、るきさん。

1ヶ月に1週間だけ働いて、図書館行って本借りて、談話室で焼きそばパン&ファンタを飲む。家具のない素っ気ない部屋に住んでいて、しっかり貯金もするけれど、記念切手を買ったり、時には自転車と電車をスイスイ乗り継いで、テパートで買い物して、ピザを食べちゃったりもする。めかぶだけのつましい日もあれば、えっちゃんと出かけたり、あつあつギョウザをごちそうしたり。(う~!楽しそう~)

おともだちのえっちゃんは会社勤めのOLで、素敵なワンルームに住んでいる。月が見えそうな大~きなガラス窓がある広ーいロフト。ソファがあって、収納力が高そなタンスもあるし、何て素敵!(あぁ、憧れのロフト!)えっちゃんの方はファッションにはこだわりがあるみたいだし、入社したての若い男の子にソワソワしちゃったりして、気分はウキウキお年頃。(ふふふ、カワイイ)

体型も生活スタイルも違う2人だけど、ベタベタもせず、変な遠慮もせず、30女の気楽な独身生活をお互いマイペースで、のほほんと楽しんでいる。そんな感じ。

だけど、一番うらやましいのって、ふたりがピンで立っている、ってトコなんだろうな。仲良しだけど、群れてない。だから、距離が離れたトコで、どうってことナイ。突然、ナポリに行っちゃう、るきさんと、あわてず騒がず、どっしり腰すえてる、えっちゃん見てるとそう思う。いいな、そういうのって。

それにしても、一見すっとんきょうに見えるけど、ふたりの行動と会話は、かなり身に覚えがあるような…。(あっちこっちある)やっぱり、高野文子は、奥が深いわ。妙にリアルで、でも、今の時代じゃ考えられないくらいノビノビ生きてる、るきさんたち。マキシムのケーキも捨てがたいけど、駅前でおでん、一緒に食べたいです。

 

-氷室冴子さんへ-

最近、ココロのリズムを取り戻したくて、よく『るきさん』を読み返していた所だったので、突然の訃報を聞いて驚きました。

「さすが氷室さん!そうなのよ~」と言いたくなるような、スカッとする解説は、何度読み返してもいつも私の心の風通しを良くしてくれます。昔も今も。

私はこの『るきさん』をずっと手放さないだろうし、あなたの解説はこの本の一部になっているから、たぶんこれからも一緒です。ありがとう。 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿