宇宙論、ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論

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電王戦・残念な一手

2014-03-31 12:34:51 | 日記
谷川さんのYSSの「1四金打ち」への評価のコトバですね。

なんとこの手に驚いて谷川さんはフリーズしました。

それほどに人間の目には「(驚くべき)最悪の一手」に見えたのでしょうね。


山下さんの説明によれば「その時のYSSは設定された探索時間での中では最良の手筋と判断した」のだそうです。

「でも実際には手順が進んでいくとそうではなかった」と。

手順が進んでいくと今まで見えていなかった水平線の向う側がようやく見えてきます。

そこで初めてYSSは反省できるのです。

「しまった」とね。

その結果として評価値ががくんと落ちました。

このようにCOM君の場合は「設定探索時間内」で読んだ手筋が全てなのです。


さて水平線の向う側の見えていない手筋の判断は人にもCOM君にもできません。

でも人間は手筋を読まなくてもひとめで見破ります。

「1四金は味が悪い」とね。

こういうワザはまだまだCOM君にはできないのです。


そのかわりと言ってはなんですが、人間が見落としている手筋をCOM君はよく発見します。

この場合の人間の反応は「すごい手だ」とこうなります。

谷川さんにとってみれば「そんなすごい手を指すのだから、1四金は何かのミスだろう」と思われたのでしょうね。

でも実際はそれはミスでもなんでもなく正常なCOM君の思考能力の一部なのですよ。

人間の感性からすればあるときは「すごい手」を指し、またある時は「残念な手」を指す。

まあこれが今の所のCOM君の実力であります。


さてそうでありますので、この局面での「1四金打ち」だけ修正することはできません。

フリーズのようにソフトのどこかにバグがあって起こっている現象ではないからです。

でも修正する方法はあります。

探索時間を延ばす事で水平線を広げる事ですね。

そうです、その局面だけ探索時間を延ばせばいいのです。


でもこれも今のCOM君には難しい事なのです。

「ここは大事な局面だから山下さん設定の探索時間を超えて探索を継続しよう」という判断をYSSがしなくてはいけません。

ここが難しいところで、ツツカナはそれで苦労している、いろいろと工夫している訳であります。<--リンク


さてもうひとつのやり方がやねさん提案の「局後学習」ですね。

まけた局面を「倍の時間をかけて再探索する」という手法です。

そうすることで水平線をすこし向うに押しやります。


そうすると「今回指した手よりももっと良い手筋が見えるだろう」と。

「そうしたらそれをメモしておけ」と。

「次回の対局で同じ局面に遭遇したらノータイムでメモした手を指せ」と。

そういう戦略であります。


これは人間でいう所の「感想戦」ですね。

やねさんはCOM君に「感想戦機能」を実装したのでした。

このようにやねうらおという人物は本当に「すみにはおけない人」なのであります。


PS
やねさんへ。

山下さんの例にならってやねうら王の思考ログの公開をお願いします。

それから、スマホ版やねうら王の発売予定も教えて下さいませ。

PPS
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電王戦・大阪春の陣

2014-03-30 15:02:55 | 日記
よい対局でした。

豊島君の勝ち。

それでコール君の「勝ち」から数えて「棋士側先手番のなぞり対戦」の結果はこれで「3勝2敗」となりました。

(コール君1勝、恒平君1勝1敗、菅井君1敗、豊島君1勝)


そうして人間側の全敗はなくなりました。

これで来年も電王戦は開催されそうです。

まずはそのことにホッとしております。


さて次は森下さんの番

今度は後手番ですので研究の成果を生かすには難易度があがります。

そうではありますが、対戦は期待しております。


やねさんがまたブログでフライングをしてブーイングの嵐です。

少しは自重すればとも思いますが、いやいやあれがやねさんの持ち味とも思います。

「みんな仲良く平均値」ではねえ、何とも面白くありませんからね。


遠山さん、さすがであります。

COM君の弱点に迫りつつありますね。

「COM君はつおい」だの「COM君は間違わない」だの思っている内はだめですね。

紙一重の切り合いですよ。

それも序盤からの。<--リンク

">お互い十分ではねえ、COM君に有利と見ておりますよ。<--リンク


コール君もたしか「ためになった。」と言っていた記憶があります。

恒平くんも豊島くんも「練習で成長した。」と言っています。

「人間相手にばかり練習する」よりはたまには「視点が広がる対戦相手とやる」のも意味がありそうです。

そうしてトッププロを含めて「プロのトレーナー」になれるのですからCOM君の実力も大したものでありますね。<--リンク


PS
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電王戦・客商売

2014-03-28 12:23:38 | 日記
ドワンゴは「視聴者」の気に入る、興味のあるコンテンツを作り放送することで収益をあげます。

連盟は「将棋ファン」が喜ぶ、興味のある対局を提供することで収益をあげます。

さて、開発者はどうやって収益をあげるのでしょうか?


将棋ソフトの商売で生計を立てている方もおられるかもしれません。

会社つとめや自営業、大学の先生や学生さん、高等遊民の方、はたまた会社経営の方もおられるやもしれません。

でもまあ大抵の場合は開発者の皆さんにとっては「視聴者」や「将棋ファン」は直接の「お客さん」ではありませんね。


これは今回の「第2局の説明会と謝罪放送」を見れば明らかであります。

川上さんは「視聴者」に向かって経緯を説明をしています。

そうして視聴者、連盟、開発者にむかって不手際を謝罪しています。

本来は「公平な運営者として電王戦を仕切る」のが役目でしたが、「対局の中止に至る「フリーズバグ」を恐れるあまり自らの役目を見失った」と。

自分の考えと判断の甘さを反省し関係者と視聴者に詫びを入れているのですね。


連盟の理事さんは「将棋ファンと記者さん」に向かいあっていますね。

経緯を説明して不手際を謝罪しています。

しかし明らかに「視聴者」>「将棋ファン」であります。

ですのでそこにちょっとした違和感を感じました。

「将棋ファンでない視聴者」も確実に「不愉快な思い」をしたのですからね。


開発者は事の顛末を「説明会を見てくれている人」に対して話しています。

経緯はどうであれ結果的に「フリーズバグを最終ユーザーが満足する形」で直せませんでした。<--リンク

そうして、そのことにより実際に迷惑をかけた関係者、特に対局者に対して謝罪をしています。

対局直前の大事な時に無駄な時間を使わせてしまった事を詫びたのですね。

でもこの謝罪の対象の中には残念ですが「将棋ファン」は入っていない様です。


さあこれが面白くないのですね、将棋ファンにとっては。

「どうして俺に頭を下げないんだ。」とこういう訳です。

でも皮肉なことに「開発者も一人の将棋ファン」だったりする訳ですね。

そうすると「何で同じ立場の将棋ファンのオレがお前に頭下げなきゃならんの?」という話にもなります。


開発者にとっては「将棋ファン」はお得意様でも何でもありませんものね。

ドワンゴと連盟にとっては「ありがたいお得意様」ではありますが、、、。

そうして人々は常に「自分のお得意様」に対しては気を使うものです。

まあそれが「世の中の常識」というものですよねえ。


でもそれでは「正義の味方の将棋ファン」としては「振り上げたこぶし」をどうしていいのか困ります。

そうしてそれがまた状況を一層複雑にしていきます。

まあそんなことがからんでの今回の一連のどたばた騒ぎではありました。


PS
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電王戦・YSSとなぞり

2014-03-27 13:00:15 | 日記
習甦は特に「なぞり対策」はしていなかったと思います。

それでも棋士側の負けで終わりました。

これはやはり「なぞりもそれなりに難しい」ということを表していそうです。

なるほどCOM君相手に「きっちりなぞれるのも立派な仕事振り」でありますね。

それでコール君の「勝ち」から数えて「棋士側先手番のなぞり対戦」の結果はこれで「2勝2敗」となりました。

(コール君1勝、恒平君1勝1敗、菅井君1敗)


さて「COM君先手番でのなぞり勝負」はやねうら王戦が初めてです。

でもやねうら王は初手の端歩突きが出ましたので、これもなぞれませんでしたね。

それでCOM君が1勝目です。


さあそれで今度は注目のYSS・豊島戦ですね。

棋士側としては「期待のホープ登場」という訳です。

しかも棋士側の先手番です。


YSSは「なぞり対策」で最初にやったのが「評価関数にランダムを入れる」でしたが、弱くなったので止めたそうです。

それで替わりに「指し手探索の幅を広げた」と聞いております。

さて、この効果がいかほどのものか注目して行きたいところです。


ところで、「なぞり」以外に有効な対COM戦略に「入玉」があります。

そして「相入玉」になると持ち駒の点数で勝敗がきまります。

第2回電王戦第4局ではこれによって棋士側がからくも引き分けに持ち込みました。


さてそこで2chでまことしやかに語られているのは「連盟は入玉のルールを途中で変えた疑惑」であります。

にこにこのコメントでも「24点法」という文字列は自動的に排除されているようでありますし、、、。


と言う訳で今回以降の対局においては棋士さんが「入玉を狙うことはまずなかろう」というのが2chの結論であります。

そんな事をすれば「ルール変更疑惑」が明るみに出るやもしれませんからね。

そうして「むらびとの議論」がこんな風に「棋士の戦略に影響をあたえる」とすれば、これも正にネット時代の象徴なのであります。<--リンク

電王戦の熱心な視聴者としましては「この件もまた大いに注目せざるをえない所」でありますよ、連盟さん。


PS
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決戦前夜入手の情報です
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電王戦・婦人と老婆

2014-03-26 11:43:48 | 日記
「なんの事だ」ですって。

まずはこの「ネックレスをしているご婦人の絵」を見て下さい。<--リンク

いかがでしたか?

ところで、老婆の姿はみえましたか?

見えなかった方はもう一度どうぞ。<--リンク


さて、それでは両方の姿を同時に見れますか?

がんばってみてください。<--リンク


2人の姿を同時にみることはどうやら不可能の様ですね。

ある時は「婦人」が見えますが、その時は「老婆」はみえません。

「老婆」が見えるときは「婦人」は見えません。

そうして最初に「うるわしいご婦人の絵」と紹介されるとまずは「婦人の絵として見てしまう」訳です。


人間の知覚はそのように出来ているのですね。

そしてこれはどうやら「目」だけの事ではなさそうです。

物事の判断でもやっぱりそうなりますね。


「やねさんがわるい」と最初に紹介されるとその判断が優先権を得ます。

そうして、客観的な状況がイーブンに戻っても「悪いのはやねさん」が継続します。

これを「アンカリング効果」と言います。

そしてこれをひっくり返すにはよほどの「やねさんは悪くない」状況にならないとだめですね。


ネット上での今回の「やねうら騒動」の状況もまさにこの通りに進行しています。

前の週の土曜日にやねさんを悪者に仕立て上げる「あおりPV」公開でまずは「やねさんが悪い」が定着します。

そうしてそれでネットの関係部署が炎上します。

そのあとで関係者の経緯説明と謝罪放送が水曜日にありました。

これでまあ少しは皆さんの頭も冷えた様です。


さてやねうら王と棋士さんとの対局はその週の土曜日でした。

対局は「やねうら王の勝ち」で決着がつきました。

そのあとのインタビューでは棋士さんと連盟の理事さんの対応の仕方があまり大人ではありませんでした。

それで評判を落としましたね。

棋士さん達の打ち上げの様子を得意になってネットで公開しているブログもそれに輪をかけています。


そういうあれやこれやで人々の見る目も変化してきました。

大多数の人々の判断はかつては「やねさんが悪い」でしたがイーブンを通り越して「連盟の○○さんと棋士の○○さんが悪い」に移行してきています。

でもその状況下でも頑強に「やねさんが悪い」と言い続ける少人数の人達がいます。


その人たちのゲシュタルトは変化していないのですね。

その人たちにはけして「ネックレスを首にかけた婦人の姿」は見えていないのです。

代わりに見えているのは「赤いくちびるの年老いた老婆の姿」なのであります。


さてそれではどう見えるのが正しいのでしょうか?

「やねさんが悪い」というのが正しいのでしょうか?

それとも「やねさんは悪くない」というのが正しいのでしょうか?


「どちらか一方が正しい」とする立場はあの絵の2つの見え方の内で「この見え方のみが正しい」ということと同じことであります。

まあ「白黒つけて欲しい」という気持ちはわかりますけれどもね。

でもそれはある意味では無茶というものです。

それでいつまでたってもこの議論は平行線です。

そうしてこれが2chのやりとりがいつまでたっても楽しめる理由なのであります。


PS

そうはいっても対局から4日過ぎた現在の状況ではもうそろそろこのテーマでの言い争いにも「飽き」が見えてきました。

そういう訳でざっと通して10日間ほどの「やねうら騒動」というお話でありました。

PPS
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