物語は電王トーナメント4位入賞から始まります。
対COMパラメータを対人パラメータに入れ替えて少し調整すれば今回の仕事は終わりの予定でした。
まあ代金の50万はそこそこの収入ではありましたが、、、。
さて明日は納品の日です。
やねさんさん、さっきから最終チェックに余念がありません。
ところが最後の最後でフリーズバグを見つけてしまいました。
「うーん、どうしたものか。」と悩みます。
契約上はこのまま納品しても問題ありません。
でも本戦でバグヒットしたらそこで対局は終了です。
見ている視聴者はしらけるでしょう。
そうして主催者も困りますね。
その上に開発者としては格好が悪すぎます。
それで納品先のドワンゴと相談です。
「納品予定のソフトにフリーズバグが見つかりました。」
「そうですか。それじゃ修正して納品して下さい。」
「いやそれが簡単には修正できそうもありません。」
「それじゃまずバグありでいいですので、仮納品して下さい。当面ユーザーにはそれを使っておいてもらいますので。」
「そして時間あげますから本納品はちゃんと修正品を入れてください。ただし指し手と棋力は変化させてはだめですよ。弱くても強くてもいけません。」
まあざっとそんな風に話がつきました。
フリーズバグ、どうやら探索ブロックにひそんでいるようですが、そこだけをうまく修正できそうもありません。
無理やりやり始めると、修正しているのか、バグを仕込んでいるのか訳のわからない状況になりそうです。
仕方ないので2014年版用にストックフイッシュを参考に開発した探索ブロックと入れ替えました。
そうしてランニングテストも終わってユーザーに納品したのが3月1日でした。
さあ最終ユーザーのチェックがはじまります。
「なんじゃこりゃ。」が第一声でしたね。
「指し手が違うし、棋力も上がってる。」
「こんなもん使えるか!」ってね。
そういう訳ではっきりと「ダメだし」をくらったやねさんでした。
で、納入先のドワンゴと相談が始まります。
「バグは修正したんですけれど、ユーザーが「使えん」と言ってます。」
「ちょっとユーザーを呼んで来い。」とはドワンゴさん。
「ぜいたく言ってないでバグ無し品を使え。」と強権発動です。
さて、頭にきたのがユーザーさんでした。
「それじゃPVに呪いをかけてやろう。」
それで出来あがったのがあの「呪われたPV」でした。
「呪われたPV」の効果は絶大でしたね。
それを見た視聴者は熱に浮かされたようにやねさんのブログに火を放ちます。
そうやってブログはごうごうと燃えあがりましたとさ。
まあざっと流れはこんなところですね。
さてやねさんの甘かったところは、「指し手も棋力も変化させないでフリーズバグを修正できる。」と考えたところ。
これは実は「伝説のプログラマー」をもってしても、とてつもなく難しい事だったのですね。
それで結局はユーザーの「ダメだし」をもらうことになりました。
ドワンゴの甘かったところは、「フリーズすると大変だよね。時間くれればフリーズバグだけ取れるよ。」というささやきについふらふらっと負けた事。
この時点でドワンゴは「公平な審判者」あるいは「公平な運営者」という立場を捨てました。
そうして「ユーザーがダメだししたものをユーザーに押しつける。」という2回目の致命的なミスもおかしました。
将棋連盟の甘かったところは「呪われたPV」を作らせてしまった所。
これでファンから「ダメだし」をもらうことになりました。
それでこの話の教訓は次の2つです。
1、開発者から申告されたフリーズバグは修正した方がいい。
ただし修正したソフトを使うかどうかの最終判断権はユーザーにある。
2、電王トーナメント上がりの納品ソフトにはフリーズバグが入っている可能性があることを前提とする。
従って電王戦本戦でフリーズバグにヒットして対局が終了したときどうするのか、その手順を事前に決めておく事。
まあこういう教訓が得られたのですから、このどたばた劇もムダではなかったと思いたいですね。
それにしても今回の事件でやねさんがどんな教訓を得たのか、知りたいところであります。
どうぞやねさん、いつの日かそのあたりのことをブログで語って下さいませ。
PS
「電王戦記」はこちらから入れます。
対COMパラメータを対人パラメータに入れ替えて少し調整すれば今回の仕事は終わりの予定でした。
まあ代金の50万はそこそこの収入ではありましたが、、、。
さて明日は納品の日です。
やねさんさん、さっきから最終チェックに余念がありません。
ところが最後の最後でフリーズバグを見つけてしまいました。
「うーん、どうしたものか。」と悩みます。
契約上はこのまま納品しても問題ありません。
でも本戦でバグヒットしたらそこで対局は終了です。
見ている視聴者はしらけるでしょう。
そうして主催者も困りますね。
その上に開発者としては格好が悪すぎます。
それで納品先のドワンゴと相談です。
「納品予定のソフトにフリーズバグが見つかりました。」
「そうですか。それじゃ修正して納品して下さい。」
「いやそれが簡単には修正できそうもありません。」
「それじゃまずバグありでいいですので、仮納品して下さい。当面ユーザーにはそれを使っておいてもらいますので。」
「そして時間あげますから本納品はちゃんと修正品を入れてください。ただし指し手と棋力は変化させてはだめですよ。弱くても強くてもいけません。」
まあざっとそんな風に話がつきました。
フリーズバグ、どうやら探索ブロックにひそんでいるようですが、そこだけをうまく修正できそうもありません。
無理やりやり始めると、修正しているのか、バグを仕込んでいるのか訳のわからない状況になりそうです。
仕方ないので2014年版用にストックフイッシュを参考に開発した探索ブロックと入れ替えました。
そうしてランニングテストも終わってユーザーに納品したのが3月1日でした。
さあ最終ユーザーのチェックがはじまります。
「なんじゃこりゃ。」が第一声でしたね。
「指し手が違うし、棋力も上がってる。」
「こんなもん使えるか!」ってね。
そういう訳ではっきりと「ダメだし」をくらったやねさんでした。
で、納入先のドワンゴと相談が始まります。
「バグは修正したんですけれど、ユーザーが「使えん」と言ってます。」
「ちょっとユーザーを呼んで来い。」とはドワンゴさん。
「ぜいたく言ってないでバグ無し品を使え。」と強権発動です。
さて、頭にきたのがユーザーさんでした。
「それじゃPVに呪いをかけてやろう。」
それで出来あがったのがあの「呪われたPV」でした。
「呪われたPV」の効果は絶大でしたね。
それを見た視聴者は熱に浮かされたようにやねさんのブログに火を放ちます。
そうやってブログはごうごうと燃えあがりましたとさ。
まあざっと流れはこんなところですね。
さてやねさんの甘かったところは、「指し手も棋力も変化させないでフリーズバグを修正できる。」と考えたところ。
これは実は「伝説のプログラマー」をもってしても、とてつもなく難しい事だったのですね。
それで結局はユーザーの「ダメだし」をもらうことになりました。
ドワンゴの甘かったところは、「フリーズすると大変だよね。時間くれればフリーズバグだけ取れるよ。」というささやきについふらふらっと負けた事。
この時点でドワンゴは「公平な審判者」あるいは「公平な運営者」という立場を捨てました。
そうして「ユーザーがダメだししたものをユーザーに押しつける。」という2回目の致命的なミスもおかしました。
将棋連盟の甘かったところは「呪われたPV」を作らせてしまった所。
これでファンから「ダメだし」をもらうことになりました。
それでこの話の教訓は次の2つです。
1、開発者から申告されたフリーズバグは修正した方がいい。
ただし修正したソフトを使うかどうかの最終判断権はユーザーにある。
2、電王トーナメント上がりの納品ソフトにはフリーズバグが入っている可能性があることを前提とする。
従って電王戦本戦でフリーズバグにヒットして対局が終了したときどうするのか、その手順を事前に決めておく事。
まあこういう教訓が得られたのですから、このどたばた劇もムダではなかったと思いたいですね。
それにしても今回の事件でやねさんがどんな教訓を得たのか、知りたいところであります。
どうぞやねさん、いつの日かそのあたりのことをブログで語って下さいませ。
PS
「電王戦記」はこちらから入れます。