宇宙論、ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論

ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論 etc etc

ダークマター・39・フリードマン方程式が教えてくれる事(2)

2019-08-27 01:35:57 | 日記
話は今度は物質項Ωmの働きに移ります。
しかしその前に前回のド・ジッター宇宙でΩΛが
0<ΩΛ<1の例を見ていなかったので、それを確かめておきましょう。

現在の宇宙はΩΛが0.7程度であると言われています。
従って初期条件は
初期条件
H0=+1、Ωm=0、ΩΛ=0.7、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(1-0.7)=0.3
それで解くべき式は
x’=((1-0.7)+0.7x^2)^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=((1-0.7)+0.7x^2)^0.5,x(0)=1を-3から1.5まで解く, h = .005』
実行アドレス

スケール因子はマイナス領域まで伸びています。
前回記述した様に、これはこのエリアでもフリードマン方程式が成立していると解釈できます。
さてそれで、スケール因子aがゼロの時の時間tと
t=1.5の時のスケール因子aの値をグラフから読み取っておきましょう。

a=0の時、t=-1.4
t=1.5の時、a=3.8

次はアインシュタイン-ド・ジッター宇宙です。
『一様等方な膨張宇宙のモデルの1つ。
空間の曲率はゼロで、ユークリッド幾何学が成り立つ。
宇宙のエネルギー密度は、非相対論的物質で占められており、その大きさは宇宙膨張が将来収縮に転じるか否かの臨界点である臨界密度=3*H^2/(8*Pi*G) に等しい。』

以上より初期条件は
初期条件
H0=+1、Ωm=1、ΩΛ=0、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(1-1)=0
それで解くべき式は
x’=(1/x+(1-1))^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=(1/x+(1-1))^0.5,x(0)=1を-3から1.5まで解く, h = .005』
実行アドレス

ビッグバンから始まる、物質項100%のフラットな宇宙です。
そしてグラフから
a=0の時、t=-0.67
t=1.5の時、a=2.2

次は宇宙の種族としては「アインシュタイン-ド・ジッター宇宙」に属することになりますが、
Ωm=0.3の宇宙を確認します。
それはΩm=0.3が現在の宇宙の物質項という事になっているからです。
それでΩmを1ー>0.3と変更してグラフを確認しておきます。
そして
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(1-0.3)=0.7

解くべき式は
x’=(0.3/x+(1-0.3))^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=(0.3/x+(1-0.3))^0.5,x(0)=1を-3から1.5まで解く, h = .005』
実行アドレス

ビッグバンから始まる、物質項30%のマイナス曲率をもつ宇宙です。
そしてグラフから
a=0の時、t=-0.82
t=1.5の時、a=2.4

Ωm=1のアインシュタイン-ド・ジッター宇宙よりは宇宙年齢が0.15伸び、そうして
t=1.5で到達する宇宙のサイズは0.2増えていることが分かります。
これが宇宙の中での物質項の働きであり物質項が大きくなると宇宙年齢は短くなり、宇宙の広がり方も遅くなると、これは物質が持つ重力の作用を考えますれば「当然そうなるであろう」という予想と一致する結果になります。

さてそれで、我々が暮らす実際の宇宙は例えば
H0=+1、Ωm=0.3、ΩΛ=0.7、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(1-0.3-0.7)=0
であろうと言われています。
(実はΩmは0.32~0.25のどこか、但しΩk≒0というのが現状です。)

それで解くべき式は
x’=(0.3/x+(1-0.3-0.7)+0.7x^2)^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=(0.3/x+(1-0.3-0.7)+0.7x^2)^0.5,x(0)=1を-1から1.5まで解く, h = .005』
実行アドレス
そしてグラフから
a=0の時、t=-0.97
t=1.5の時、a=3.74

宇宙の年齢はさらに伸びますが、ΩΛが0.7のド・ジッター宇宙の
t=-1.4には届きません。
そうしてまた宇宙の大きさも伸びますがこれもド・ジッター宇宙
(ΩΛ=0.7)のa=3.8にはわずかに届きません。
ちなみにこの宇宙は種族からいいますと「アインシュタイン宇宙に属する」という事が出来ます。

さてこうやって見てきましたように、これらの4つの宇宙は物質による重力の作用、そうして宇宙項による斥力の作用から予想できる結果と整合していることが分かるのであります。


2、現在の宇宙はいつから加速膨張になったのか?
それについては上記記述より求めるべき解は
x’=(0.3/x+(1-0.3-0.7)+0.7x^2)^0.5
という式が極小値となった時間という事になります。

そうであれば入力文は
『(0.3/x+(1-0.3-0.7)+0.7x^2)^0.5の極小値』
となり
実行アドレス
から
x=0.5984
で宇宙の膨張速度は0.8672の極小値となる事が分かります。

それでx=0.5984の時のtの値をグラフから読み取りますと
t=-0.44
となります。
但し読み取るグラフは
実行アドレス

こちらになりますのでご注意下さい。

さてこの宇宙の年齢はt=-0.97でそれは138億年に相当します。
そうするとt=-0.44は62.6億年となり、
約63億年前に我々の宇宙は減速膨張から加速膨張に変わった、
という事が分かるのです。

確認
Gaccoシリーズ「Week3」の39ページによればそのタイミングは
「60億年前」と示されています。
そういう訳で、こうして大抵はそれなりの解が得られるのでありました。


3、マイナス質量(あるいはマイナスエネルギー)に満たされた宇宙の挙動
それは「アインシュタイン-ド・ジッター宇宙」のΩmの符号を反転させれば良いという事になりますね。
初期条件
H0=+1、Ωm=-1、ΩΛ=0、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(1+1)=2
それで解くべき式は
x’=(-1/x+(1+1))^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=(-1/x+(1+1))^0.5,x(0)=1を-3から1.5まで解く, h = .005』
実行アドレス

この宇宙は収縮からスケール因子0.5でボトムに達し、そこで反転して膨張する事が分かります。
(収縮宇宙はH0=-1としてご確認ください。)
ですから、ビッグバン宇宙にはなりません。

そうしてt=0.5あたりまでは「指数関数的な膨張」に似ていますが、それ以降は一定速度での膨張となる様です。
そのことは
x’=(-1/x+(1+1))^0.5
という式でxーー>無限大としたときに
x’=(-1/x+(1+1))^0.5=sqrt(2)
となる事からも分かります。

さてそういう訳で、マイナス質量で充満した宇宙は確かに膨張し始めるのですが、膨張の最初だけは「指数関数的な膨張」をして、あとはほぼ等速膨張となる事が分かります。
そうでありますから、ダークエネルギーによる宇宙の膨張がこの先も「指数関数的な膨張」をするのか、それとも「等速膨張」となるのかで、ダークエネルギーの正体に対してはそれなりの推測が可能となる訳であります。


・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧<--リンク


http://archive.fo/6HTUf
コメント

ダークマター・38・フリードマン方程式が教えてくれる事

2019-08-25 01:45:04 | 日記
まずは一番単純な宇宙から始めましょう。
その宇宙には物質もダークエネルギーもありません。

初期条件
H0=+1、Ωm=0、ΩΛ=0、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(+1)
それで解くべき式は
x’=(1)^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=((1))^0.5,x(0)=1を-10から15まで解く, h = .005』
結果は
http://archive.fo/9oFGu
実行アドレス

この宇宙はミルン宇宙という名前がついています。
厳密解を見ますと、なるほどこれは我々がよく知っている、切片が1の傾きが1の直線を表す式になっています。
さてしかしこれは単なる直線を表す式ではありません。
何と言っても「宇宙の進化を表すフリードマン方程式を解いた答」でありますから、ゆめゆめおろそかにはできません。

その宇宙には物質はもちろん真空エネルギーも存在せず、空間だけが存在する宇宙になります。
そうであれば、この宇宙の真空では仮想粒子の対生成、対消滅が起こっているのかどうかは不明です。
それはつまり「BHをよそからこの宇宙に持って来れば、そこでBHは安定して存在できると思われますが、ホーキング放射が起こるかどうかは不明」という事でもあります。

それから曲率はマイナスで値がマイナス方向の最大値Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(+1)をとります。
しかしながらこれは一体どうしたことでありましょうか?
物質が存在しなければ空間はフラットなミンコフスキー空間ではなかったのか?

どうやら話はそう単純ではない様です。
「物質分布が一様で等方である」という、そういう前提の宇宙についてアインシュタイン方程式を解くと、その解は「空間の中にエネルギーが存在しない」という想定では、驚くべきことに「その宇宙はマイナスの曲率を持つ」という事を示します。
臨界密度にみたないエネルギーしか存在しない場合はその空間の曲率はマイナスであり、そのような状況の極限としてミルン宇宙が存在します。
そうしてどうやら実際の我々の宇宙はそのような宇宙でありますから、空間の中に「臨界密度に相当するエネルギー成分がないと空間はフラットにならない」と、そういう事になります。(注1)


もう一つ指摘しなくてはならない事は、スケール因子がゼロを越えてマイナス領域に入っても、フリードマン方程式としては「問題ない」としている事であります。
但し物質成分が宇宙の中に存在しますと、スケール因子がゼロの場所では宇宙の膨張、あるいは収縮のスピードが無限大となりそこで計算は終了します。
(その点は前者がビッグバンのスタートポイント、後者はビッグクランチで宇宙終了のポイントとなります。)
これはつまり、それ以降のスケール因子がマイナスのエリアについてはフリードマン方程式は成立していない、という事になります。
しかしながら、物質成分が存在しない場合はマイナスエリアでもフリードマン方程式は成立しているかの様であります。
そうして後述いたしますが、この事は宇宙項Λを有効にした場合でも同様の事が言える様です。


それからこの宇宙はどのような値のハッブル定数値であっても問題ない様です。
それはつまり、Hがゼロに近い値でもよく
(それはたとえばH0=+1.0*10^-100とか)、たぶんその極限としてH=0であってもこの宇宙は存在できそうです。
そうしてその宇宙は曲率はマイナスではありますが、膨張も収縮もしていない「静止宇宙」になります。(注5)
つまりはアインシュタインが求めて得られなかった宇宙というのは、実は内容物がなにもない、空っぽのミルン宇宙そのものであった、という事になります。

そうしてその様な宇宙が存在可能であるとすると、単に空間の曲率がマイナスである、というだけでは宇宙は膨張し始めない、つまりマイナス曲率であるという事だけでは空間が広がり始める事はない、と言えそうです。
この事は逆に言いますと「空間がプラス曲率をもつだけでは空間は収縮することはない」という事を言っている様に思われます。

しかしながら我々の常識の範囲内では、「空間にエネルギー存在する事」以外に空間をプラスに曲げる方法をしりません。
従って現実には空間をプラス曲率にする為にはその空間に臨界密度を越えるエネルギーが存在する事が必要であり、それは通常言われています様に「物質による重力場が空間をプラスに曲げる」という表現になる訳であります。
あるいは「空間に存在するエネルギーが作る重力場が空間を収縮させる」の方がより直感的かと思われます。
但し一様等方の宇宙でありますから、どれだけの密度で空間内部にエネルギーが存在しても任意の場所におかれた微少質量のテスト粒子はいずれの方向にも力を受けることはなく、従いましてそこには我々が感知できる重力場は存在してはいない、という事には注意が必要です。(注2)

そういう訳で我々は空間、あるいは真空と呼ばれているモノについてはあまりよくわかってはいない様であります。

さてそれで、その様な宇宙の曲率、あるいはハッブルパラメータをどのようにして観測するのか?
これはそういう宇宙に三角形に配置した衛星を持ち込んで、レーザービームで三角形を作りその内角の和を観察する、そうしてまたそれぞれの衛星間の距離をこれもまたレーザービームを使って測定する、そのようにするしかなさそうです。


次の宇宙はド・ジッター宇宙です。<--リンク
http://archive.fo/R4E2Q

『ド・ジッター宇宙とは、正の宇宙項を持ったアインシュタイン方程式の真空解、すなわちエネルギー運動量テンソルがゼロの場合の解である。
空間は一様等方であり、スケール因子は指数関数的に増大する。
初期宇宙のインフレーション時にはこのような膨張則が実現していたものと考えられる。』

この宇宙は我々が暮らす宇宙の真空のみからできています。
(物質成分はありません。)
そうして多分、この宇宙に持ち込んだBHはホーキング放射をすることが可能であると思われます。
それでまずは宇宙項Λによって空間がフラットになった、という条件で解きましょう。

初期条件
H0=+1、Ωm=0、ΩΛ=1、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(1-1)=0
それで解くべき式は
x’=((1-1.0)+1.0x^2)^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=((1-1.)+1.x^2)^0.5,x(0)=1を-5.8から1.5まで解く, h = .005』
結果は
http://archive.fo/cPaWb
実行アドレス

厳密解はx(t)=EXP(t)=e^t
ビッグバンはありません。
無限にゼロに近いサイズから、無限の時間をかけて少しずつ膨張してt=0でようやくa=1に到達しました。
そのような、空間の曲率がフラットな宇宙です。

この宇宙はミルン宇宙を真ん中にしてアインシュタイン-ド・ジッター宇宙と反対側の位置にあります。
後述しますが、アインシュタイン-ド・ジッター宇宙はビッグバンに始まり、無限の時間をかけて無限のかなたまで広がり、そこではH=0になる、宇宙項ΩΛはゼロで物質項Ωm=1の空間曲率がフラットな宇宙です。

さてそれで今度は少しだけ真空エネルギーを上げてみましょう。
ΩΛ=1ー>1.1と0.1増やします。
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=((1-1.1)+1.1x^2)^0.5,x(0)=1を-5.8から1.5まで解く, h = .005』
結果は
http://archive.fo/7E3g3
実行アドレス

スケール因子が0.3あたりでH=0となっていそうです。
『((1-1.1)+1.1x^2)^0.5の根』と入力して確かめますと
x=1/sqrt(11)=0.301511・・・という値がかえってきますので、ここでボトムになっていることがわかります。

そうしてこのカーブの前半分は
H0=ー1
と設定し、妥当な計算範囲を設定すれば確認できます。
実行アドレス

こうしてこの宇宙は収縮から膨張に変化する、ビッグバンなしの
曲率項Ωk=-0.1
というプラス曲率をもった宇宙であることが分かるのでした。
そうしてもちろんこの宇宙もまた「ド・ジッター宇宙」であります。

以上の事から分かります事は、宇宙項ΩΛがΩΛ>1の時には空間はプラスの曲率をもち、スケール因子はゼロに到達する前に収縮速度がゼロになる、ということです。

それはつまり宇宙項ΩΛは物質項Ωmと同様にプラスのエネルギーを持つ、従って空間をプラス方向に曲げる事になりますが、しかしながら宇宙項ΩΛは空間を膨張させる力を持つ、それはこの宇宙がボトムから反転して膨張に移行していく事から明らかなことです。
それは前回示した膨張から圧縮に物質の重力によって反転する宇宙での重力の働きに、働く方向は真逆ですが相当する力の様に見えます。(注3)

こうしてΩΛ>1(Ωm=0は前提条件)の場合は「ド・ジッター宇宙」はプラスの曲率をもち、そうして収縮から膨張に変化する、ビッグバンなしの宇宙を表すことになります。
そうしてこれはすでに前回「アインシュタインが目指した宇宙」で紹介したビッグバンに始まりビッグクランチで終わることになる、
Ωm=2.1、ΩΛ=0
という宇宙、この宇宙はより一般的には
Ωm>1、ΩΛ=0
と表すことができるのですが、その宇宙に対してミルン宇宙を真ん中にして反対側にあるのが今回見ていただいた空間内部には物質が存在しない、ΩΛ>1の「ド・ジッター宇宙」という事になります。

注1:臨界密度
臨界密度(宇宙の)

『現在の臨界密度はハッブルパラメータの現在の値であるハッブル定数を用いて、3*H0^2/(8*Pi*G)となり、1ccあたり10^-29グラム程度の値となる。』

別記事「7 宇宙の運命」によれば
『現時点での臨界密度は1 立方メートル内に数個の陽子がある程度(≒水素原子5個程度らしい:引用注)の密度であり、現代技術では実現不可能な超高真空状態である。』
とのこと。

さて、そんな程度の物質が存在するだけで宇宙の曲率が最大のマイナス値からフラットにまでなるのでありますから、なかなかこれは微妙なものです。
あるいは、現在の宇宙はまさに「その程度に空っぽである」という事でもあります。

追記(9/26日)
1 立方メートル内に水素原子5個程度、、、と書きましたが、少々訂正です。
実際の内訳は
ダークエネルギーが水素原子で3.5個分相当
ダークマターが水素原子で1.25個分
そうしてようやく目に見える(?)物質成分が水素原子0.25個分相当

そうでありますから、本当に目に見える限りの宇宙(=電磁波で見ることが可能な宇宙)は「からっぽ」なのです。
そうして、そのおかげで広い空間をわずか5%程度の物質成分が我が物顔をして活動できる、とそういう具合になっております。

注2
恒星が作る重力場、あるいはBHが作る重力場、そうしてそれに対応する形で作られている空間の曲がり方、それらは全て「重心に向かってテスト粒子を加速させる」という特徴を持ちます。
他方で、一様かつ等方な宇宙が作っている曲率をもつ空間はそのような「特定の方向への加速度運動を引き起こす」という事はないのであります。

注3
プラスのエネルギーを示しながら、それが重力を作るのではなく、いわゆる反重力、あるいは斥力をつくる。
これが宇宙項ΩΛの神秘であります。
そうしてそのような働きを解釈して「ダークエネルギーはマイナスの圧力を持つ」などという事に現状ではなっております。
そうしていわゆる「宇宙初期のインフレーション」を引き起こした力というものはこのような力だったのではないかと想像されています。
それは又ビッグバン宇宙の最初期の膨張速度を決め、ひいては現在のハッブル定数を決めているものでもあります。

注4:ミルン宇宙がマイナスの最大曲率を持つことについて
宇宙は内容物にエネルギーを含まず、何もない場合は開いた空間であることを基本としている、その様にいう事が出来そうです。
そうして閉じた空間が必要であれば、閉じた宇宙にする為にはそれなりのコストが、エネルギーが必要であると主張しているかの様です。
もしミルン宇宙がフラットであったとすると、ほんの少しのエネルギーの存在で宇宙は閉じてしまう事になります。
あるいは言い方を変えますと「フラットである状態はロバストではない」という事になります。
その状態は安定状態とはいえず、少しのノイズで宇宙は閉じたり開いたりしてしまう、そんなことが予想できます。
有限と無限の間を行ったり来たりのチャタリングを起こしてしまう事になります。
そういう意味では、ミルン宇宙がマイナスの最大曲率を示す、というのはなかなか巧妙な事であるとも言えそうです。

注5
上記記事中
『・・・たぶんその極限としてH=0であってもこの宇宙は存在できそうです。
そうしてその宇宙は曲率はマイナスではありますが、膨張も収縮もしていない「静止宇宙」になります。』
と言ってますが、これは間違いの様です。

H=0ですと臨界密度はその定義からゼロという事になりますので、まさに「エネルギーが存在しない空っぽである宇宙=ミルン宇宙」はその時は曲率はフラットになる、そうしてH=0ですから「静止している」のです。
そうしてそのような空間を我々は従来から曲率ゼロのミンコフスキー空間と呼んでいました。

さてしかしながらそのような空間が少しでも膨張、あるいは収縮し始めますと途端に空間の曲率がマイナスになる、という事になります。

そうなりますと問題は「静止しているミンコフスキー空間を加速膨張させ、宇宙のインフレーションを開始した力は何であるのか?」という事になります。


・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧<--リンク



http://archive.fo/a39Fl
http://archive.fo/UZKrx
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ダークマター・37・アインシュタインが目指した宇宙

2019-08-22 00:46:48 | 日記
最初はアインシュタインが1917年の論文で発表したアインシュタイン宇宙から始めましょう。

それはアインシュタイン方程式のページの「宇宙項」に記述があります。(http://archive.fo/lC94a)

『アインシュタインがこの項を導入した理由については諸説あるが、一般に有名なのは、彼自身が信じる静止宇宙モデルを実現するためという説である。
1917年論文の宇宙モデルは重力と宇宙項による反重力とが釣り合う静止宇宙だった。』

しかしながら、まずはアインシュタインの問題認識から始めます。
これもまあ諸説ありますが、「有限の宇宙空間に物質が一様に分布していたら、その空間はいずれは収縮するだろう」という認識がベースにある、という考え方を採用します。

それはたとえばこういう状況ですね。
初期条件
H0=ー1、Ωm=2.1、ΩΛ=0、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(1-2.1-0)=ー1.1
それで解くべき式は
x’=-(2.1/x-(1.1000))^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=-(2.1/x-(1.1000))^0.5,x(0)=1を-10.8から20.5まで解く, h = .005』
結果は
http://archive.fo/8rssb
実行アドレス

t=ー2.3あたりでH=0、つまりこの時点ではこの宇宙は膨張も収縮もせずに静止しています。
しかしながら臨界密度の2倍以上の物質があるので重力により収縮が始まる。
そういうありさまを示しています。

「いや、そうはいうものの、本当にt=-2.3でH=0なの?」と聞かれそうです。
それでH0=+1でこの宇宙の前半がどうなっていたか、確かめてみる事になります。

初期条件
H0=+1、Ωm=2.1、ΩΛ=0、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(1-2.1-0)=ー1.1
それで解くべき式は
x’=(2.1/x-(1.1000))^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=(2.1/x-(1.1000))^0.5,x(0)=1を-10.8から20.5まで解く, h = .005』
結果は
http://archive.fo/JNf7k
実行アドレス

ビッグバンから始まったこの宇宙はスケール因子が1.9あたりまで膨らんで、そこがこの宇宙の大きさのピークになっています。(注1
そうでありますから、あとは収縮するしかない訳で、膨張から収縮に変化するその瞬間にH=0が実現していることがわかります。

ちなみにウルフラムの4次ルンゲ・クッタ数値解析法ではの値がプラス無限大、あるいはマイナス無限大になると、それはつまりビッグバンのスタートポイント、あるいはビッグクランチのエンドポイントに相当する点ですが、そこでは計算値が発散し、計算終了となる模様です。
そうしてまた同様にがゼロとなる点でも計算終了となる、そうなると初期条件H0=+1というのはビッグバンからがゼロに至る膨張過程の計算をすることになります。
同様に初期条件H0=ー1というのはがゼロからビッグクランチ(もちろんそう呼ばれるポイントがあれば、ですが)までに至る収縮過程の計算を指示していることになります。


さあそうなりますとアインシュタインとしては、そのH=0の瞬間を引き延ばせばよい、という事になります。
それで「重力に釣り合うように宇宙定数Λを導入する」ということになりました。

初期条件
H0=+1、Ωm=2.1、ΩΛ=0.0512599025、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=ー1.1512599025
それで解くべき式は
x’=1(2.1/x-(1.1512599025)+0.0512599025x^2)^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=1(2.1/x-(1.1512599025)+0.0512599025x^2)^0.5,x(0)=1を-1.8から50.5まで解く, h = .005』
結果は
http://archive.fo/DCeUB
実行アドレス

さてこの宇宙、Ωm=2.1に対してΩΛ=0.0512599025と10ケタの精度まで調整してみました。
宇宙の大きさは宇宙定数Λの効果によって宇宙のピーク位置が1.9から2.73まで大きくなっています。(注2)
そうしてほぼ静止している様にみえる時間が一瞬からt=10からt=40までと随分と拡大しました。
しかしながらt=40を超えたあたりから再膨張が始まっています。
そしてほぼ静止している様にみえる場所は厳密には=0にはなっておらず、ほぼゼロなのですが、わずかに>0となっています。

さて次にΩΛが0.0000000003ほど小さな値、ΩΛ=0.0512599022の場合はどうなるのでしょうか?

初期条件
H0=+1、Ωm=2.1、ΩΛ=0.0512599022、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=ー1.1512599022
それで解くべき式は
x’=1(2.1/x-(1.1512599022)+0.0512599022x^2)^0.5
入力文は
『ルンゲ・クッタ法でx’=1(2.1/x-(1.1512599022)+0.0512599022x^2)^0.5,x(0)=1を-1.8から50.5まで解く, h = .005』
結果は
http://archive.fo/vv8Xd
実行アドレス

t=27.5あたりで=0、つまりピークに到達しています。(注3)
それをすぎれば後は収縮するのみ、来た道を逆にもどってビッククランチとなります。
確認されたい方はH0=-1と変更の上、妥当な計算範囲を指定して計算してみてください。

さてそういう訳で、アインシュタインの宇宙はロバストではありませんでした。
「とがった鉛筆を芯を下にして机の上に立てる」と、そういう事と同じであります。
こうしてアインシュタインの宇宙は最終的には再膨張するか、収縮してビッククランチにいたると、そういう運命である事がわかります。

このような話はΩΛを0.0512599022~0.0512599025の間で好みの精度まで上げて計算することは可能ですが、所詮は「宇宙の運動を止める事はできない」という事を再確認することになります。
つまりは「アインシュタインが目指した『永遠の静止宇宙』というのは宇宙項の導入では実現できない」とそういう事であります。

そうしてハッブルによる「宇宙は実際は膨張している」という宣言によってアインシュタインは最終的に宇宙項Λを取り下げる事になるのでありました。

PS
宇宙項Λはこうしてアインシュタインによって提案され取り下げられましたが、その後宇宙の年齢と一番古い恒星の年齢との間にある矛盾を解消するために再登場します。
そうしてそうこうしている内に「宇宙は加速膨張している」という発見によって、今度は「加速膨張の原因としての宇宙項=ダークエネルギー」として再度評価される事になったと、これはなかなか数奇な運命をたどってきたのであります。

注1
H=0の時のスケール因子aの値は簡単に計算できます。
x’=(2.1/x-(1.1000))^0.5=0ですから
2.1/x-(1.1000)=0
従って
x=2.1/1.1=1.90909090・・・・(->循環少数)

注2
注1と同様に
x’=1(2.1/x-(1.1512599025)+0.0512599025x^2)^0.5=0を考えます。
2.1/x-(1.1512599025)+0.0512599025x^2=0ですから、この式の根を求めればよいのです。
ウルフラム入力文は
『2.1/x-(1.1512599025)+0.0512599025x^2の根』で
結果は
http://archive.fo/gQXTE
実行アドレス
根は3つあり但し実根はマイナスエリアにあってプラスエリアには2つの虚根がある、という事です。
そして2つの虚根の実部は2.73613であり、この値はグラフからの読み値に合っています。

注3
同様にして
x’=1(2.1/x-(1.1512599022)+0.0512599022x^2)^0.5=0とします。
2.1/x-(1.1512599022)+0.0512599022x^2=0より
ウルフラム入力文は
『2.1/x-(1.1512599022)+0.0512599022x^2の根』で
結果は
http://archive.fo/EWTt8
実行アドレス
根は3つあり全て実根です。
そしてプラスエリアの2つの根の内、値の小さな方に最初にぶつかり、そこでこの宇宙はH=0となります。
それでその時のスケール因子の値が2.73608という訳です。

注4
アインシュタインは開いた宇宙≒無限に体積があり物質が存在する宇宙を嫌った、という論点からまとめられた記事もあるようです。
・アインシュタインはなぜ宇宙項を導入したか?

『アインシュタインの問題意識は、空虚な無限空間を拒否するという点において、コペルニクス以来の天文学者のそれと共通する。
・・・・・
無限に拡がった空間に無限大の物質があると仮定すると、あらゆる地点に無限遠を含む周辺からの影響が及ぶため、重力場を一意的に決められなくなる31)。
「物質は空間に瀰漫しているが、その総量は有限である」という状況を現実的なモデルで表現しなければならない。
こうして彼が到達するのが、空間が一様な正の曲率を持ち、閉じた球面を構成しているというモデルである。
この場合、空間はどの部分もほぼ一定の密度で物質を含んでおり、全ての物質から遠く離れた宇宙の辺境はどこにも存在しない。
・・・・・』
個人的な感想としては「開いた宇宙=無限に体積があり無限に物質が存在する宇宙」というのは当方の想像力をこえており、そうであればアインシュタインの立場「プラスの曲率をもった宇宙」というアイデアに賛同するものであります。


・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧<--リンク


http://archive.fo/vSdQQ
http://archive.fo/uXTgG

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ダークマター・36・フリードマン方程式の解き方

2019-08-20 04:16:18 | 日記
フリードマン方程式の最終形式は「フリードマン-ルメートル方程式の導出」を参照とします。<--リンク
( http://archive.fo/J8wTb)
それで、このページの一番下にある式がスタートラインとなります。

^2=H0^2*(Ωγ/a^2+Ωm/a+(1-Ωγ-Ωm-ΩΛ)+ΩΛ*a^2)
という形をしていますが、物質優勢期以降を主に扱いますので
放射項はΩγ≒ゼロとすることになり、最終的には
^2=H0^2*(Ωm/a+(1-Ωm-ΩΛ)+ΩΛ*a^2)
という式を解く事になります。

H0は現在の宇宙のハッブルパラメータ
Ωmは今の宇宙の物質密度を臨界密度で割った値
ΩΛは今の宇宙の宇宙定数、あるいはダークエネルギー密度を臨界密度で割った値
そして
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)であり、それは宇宙の曲率を表し、
Ωk>0がマイナス曲率の宇宙
Ωk=0がフラットな宇宙
Ωk<0がプラス曲率の宇宙を示します。
注意:ここの所、Ωkの符号と宇宙の曲率の符号がひっくり返ります。
これは、先人がそのように決めましたので仕方ありませんね。)

実際には^2という2乗の形では微分方程式は解けませんので
=±H0*SQRT(Ωm/a+(1-Ωm-ΩΛ)+ΩΛ*a^2)
という形の微分方程式を解く、という事になります。

ここで+H0は宇宙が膨張過程にある時に相当し、-H0は収縮過程にある時を表します。
a=a(t)であって、時間によってaの値が増減する、それをフリードマン方程式は表しています。
そうして、ビッグバンというのはこの式から必然的に現れるのではなく、ある特定の初期条件を与えるとその様な解が得られる、そう考えるのがよさそうです。
つまりフリードマン方程式は時間とともに膨張する宇宙を表すだけでなく、収縮する宇宙もまた表すことができるのです。

初期条件としては
a(0)=1
H0=1、あるいはH0=-1を与え
それから
ΩmとΩΛの現在(t=0)での値を決める、
これはΩk=(1-Ωm-ΩΛ)の関係から結果的には現在の宇宙の曲率を決める事にもなります。

以上をフリードマン方程式に代入し、この微分方程式を解く事でスケール因子a(t)の挙動が分かる、という事になります。
つまりそれは「想定した宇宙の膨張、収縮の様子がわかる」という事です。


さてそれで、具体的にフリードマン方程式を解く方法ですが、もちろんここはwolfram alphaさんにがんばっていただくと、そういう話になります。

まずはウルフラムさんが理解できるように数式を表現します。
^2=H0^2*(Ωm/a+(1-Ωm-ΩΛ)+ΩΛ*a^2)

=±H0*SQRT(Ωm/a+(1-Ωm-ΩΛ)+ΩΛ*a^2)

『x’=-(2.1/x-(1.10001)+0.00001x^2)^0.5,x(0)=1』

初期条件
H0=-1、Ωm=2.1、ΩΛ=0.00001、a(0)=1を代入した場合はこんな風になります。
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(1-2.1-0.00001)=-1.0001です。

これを
『ルンゲ・クッタ法でx’=-(2.1/x-(1.10001)+0.00001x^2)^0.5,x(0)=1を-10.8から20.5まで解く, h = .005』
と書いてウルフラムに入力しリターンするとこうなります。

http://archive.fo/jznvI

上記計算実行のアドレス

ちなみにhは数値計算での最少刻み幅の設定の様です。
この値は細かい方がより精度は出ますが、計算範囲との兼ね合わせで計算時間が決まり、細かすぎると計算時間オーバーとなりますので、計算範囲を考えながら適切な値に決める必要があります。


以下「ダークマター・28・DMと宇宙論・フリードマン方程式とそのグラフ」からの引用です。

『さてこのa(t)をつかって宇宙の膨張の様子を示したグラフがあります。

宇宙の未来について(5)スケール因子の時間発展<--リンク(or http://archive.fo/Rmrex)

a(t)を求める式の形は以下のページを参照願います。

宇宙の未来について(6)スケール因子の時間発展をオイラー近似で解く<--リンク
式の導出については個別に勉強していただく事とし、今は結果のグラフのみに注目します。

(5)では一番左にある④の線(黄色)が、(6)では左から2番目の赤色の線が「同一の状況」を示しており、現状認められている「再加速あり」の宇宙の膨張曲線となります。
そしていずれのグラフも縦軸がa(t)の「スケール因子」となっています。
そうして横軸がリニアスケールでの宇宙の展開時間tでt=0が現時点、そこでのa(t)は上記説明のように1となっています。

同じグラフですが「Week3」の35ページにも載っています。<--リンク
少々色が見分けにくいのですが、緑色の線が現在の宇宙の状況、そうして青色の線が「ダークエネルギーがない場合(宇宙が再加速しない場合)の状況」となります。』

さてここで上記(6)で一番左側にあるグラフを描いてみましょう。

初期条件
H0=+1、Ωm=0.3、ΩΛ=1.7、a(0)=1
Ωk=(1-Ωm-ΩΛ)=(1-0.3-1.7)=-1
従って解くべき式は
『x’=(0.3/x-(1)+1.7x^2)^0.5,x(0)=1』
計算範囲はー3から0.6まで、刻み幅は0.005でいいでしょう。

そうするとウルフラムさんに入力する文章はこうなります。
『ルンゲ・クッタ法でx’=(0.3/x-(1)+1.7x^2)^0.5,x(0)=1を-3から0.6まで解く, h = .005』

http://archive.fo/rGTol

上記計算実行のアドレス

ここで得られたグラフは随分と過去に向かって間延びしているものです。

これは物質密度Ωm=1.0と設定した宇宙定数Λがゼロのフラットな宇宙(アインシュタイン・ドジッター 宇宙) では恒星の年齢の方が宇宙の年齢よりも古くなる、という矛盾があり、かつてはそれが問題でした。
そうして、それを解決する為の手法として「宇宙定数Λを導入する事で宇宙の年齢を調節する」というものです。
宇宙の加速膨張が検出される前はこうした目的で宇宙定数Λは議論され、その前はアインシュタインが「宇宙の動きを止める為」に宇宙定数Λを考えたのであります。


という訳で、あとはご自由にいろいろな初期条件で計算し、その結果を確認される事をお勧めいたします。

PS
4次ルンゲ・クッタ法を使ったフリードマン方程式らしいものを解いている資料を見つけました。
・宇宙論パラメータによる宇宙膨張則の比較ツールの作成

4次ルンゲ・クッタ法についての簡単な説明も13ページにありますので、ご参考までに。


・ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧<--リンク


http://archive.fo/vWTj3
http://archive.fo/f9j5b
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誤認逮捕された女子大学生の手記

2019-08-16 05:01:29 | 日記
・誤認逮捕された女子大学生の手記

本当に「傲慢さ」と言う点ではNHKも警察も似た様なものであります。

・誤認逮捕 取り調べに愛媛県警本部長「ただちにアウトではない」

「悪い事をした」とは思っておらず「これからも繰り返す」と、そういう事ですね、本部長さん。

PS
・愛媛・女子大生誤認逮捕 手記公開で分かったずさん捜査の中身

『「誠に申し訳なく、心よりおわび申し上げます」

 8月6日、愛媛県議会の委員会で、松下整(まつした・ひとし)県警本部長が頭を下げた。』

この方はいったい誰に向かって頭を下げているのでしょうか?
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