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ダークマター探索の新たな実験開始…サウスダコタ州の地下にある最大の検出器で相互作用を監視

2023-09-26 14:38:08 | 日記

Jul. 18, 2022, 03:00 PM | サイエンス

https://archive.md/5Yj65

『・・・この実験は「LUX-ZEPLIN(LZ)」と呼ばれている。10トンの純度が高い液体キセノンが入った槽に取り付けられた検出器を用いて、ダークマターがキセノンの原子核に衝突したときに生じる極めて微弱なエネルギーの閃光を捉えようとするものだ。研究者らは新たな素粒子を探索する準備が整ったと2022年7月7日に述べている。
250人の科学者から成るLZチームの広報を担当するヒュー・リッピンコット(Hugh Lippincott)は、「今もダークマターは、素粒子物理学における最大の謎の1つだ」とライブ配信されたプレゼンテーションで述べている。

8年間の準備期間の後、LZ検出器のテスト運転を63日かけて行ったところ、期待通りに動作したと研究者らは述べている。テスト結果は7月7日にウェブサイトで公開された。

今年の夏の終わりか秋の初めごろに開始する最大1000日間の実験を行うための準備が現在進められている。2023年頃には最初の結果が得られるだろう。観測は最長で5年間続く可能性がある。


ダークマターを探すために液体キセノンを利用した装置はこれまでにもあったが、LZ検出器は最も大きく、感度も最もよいものだ。新たなデータによってダークマターの質量の範囲が絞り込まれ、探索する質量が小さくなったが、それでも十分な感度を有している。

もし新たな粒子が発見されれば、1970年代以来、我々の宇宙に対する理解を規定してきた「標準模型」を超える、より精密な新しい物理学につながる可能性がある。ダークマターが発見されれば、我々の宇宙に対する最も基本的な理解に革命が起こるだろう。
「誰もが『標準模型を超える物理』的な何らかの証拠を見つけようとしている。その最も確かな証拠となるのがダークマターだろう」とプロジェクトの物理学コーディネーターであるアーロン・マナレイセイ(Aaron Manalaysay)はInsiderに語っている。
「しかしそれが何であるのか、本当に分かっていない」

弱相互作用質量粒子(WIMP)は、ダークマターの候補とされる理論上の素粒子で、「弱い相互作用」だけに関与し、ごくまれに目に見える物質の素粒子と衝突することがあると考えられている。これは有力な理論とされているが、WIMPはまだ検出されたことがない。LZプロジェクトでは主にこれを探そうとしている。


ただし、WIMPが空間を突き進んだとしても、相互作用が発生することはまれで、何かと衝突するのは、1000万光年の厚さの鉛にWIMPを打ち込んだとしても1回程度だと、リッピンコットは述べている。


それでもWIMPがもし存在するのであれば、それらの多くは常に我々を通り抜けているだろう。10トンの液体キセノンを入れた槽の中では、定期的にキセノンの原子核と衝突するはずだ。この実験では、WIMPのかすかで捉えにくい信号がバックグラウンド(ダークマター以外の事象)に埋もれてしまわないように、ノイズを徹底的に排除する必要がある。

「我々の仕事は、素粒子の観点から極めてクリーンで静かな物質の塊を用意し、その中で素粒子の相互作用があったときにそれを検出できるような装置を作ることだ」とマナレイセイは言う。

そのためLZ検出器は、地下約1.6キロの地点にある古い金鉱を利用したサンフォード地下研究施設に設置された。ここではバックグラウンドのノイズが発生しにくい。さらに静かな環境にするために、キセノンは2つのチタン製タンクの中に入っている。

LZのダークマター探索は消去方式だ。ほとんどのセンサーは、既知の粒子間相互作用に一致する信号を識別するように設計されている。これらがダークマターでないことは明らかだ。


「ダークマター探索の分野で最も重要なことは、大きな検出器を使って、バックグラウンドの信号をできるだけ少なくすること」とマナレイセイは言う。

LZ検出器は、これまでで最大の液体キセノンタンクを備え、ノイズも少ない場所にあるため、世界で最も感度がよいとされている。

中国では「パンダX」と呼ばれる4トンのキセノンを用いた実験が行われ、2021年12月に最初の結果が発表された。

イタリアで行われた「XENON1T」と呼ばれる同様の実験では、予想外の過剰な電子散乱事象が検出されていたことが、2020年に発表された。

いずれの実験結果でもダークマターが検出されたようには見えないが、別の新しい素粒子の存在を示している可能性がある。

LZ検出器のテスト運転から得られたデータによって、これらの事象が何であるのかの手がかりが得られるだろうとマナレイセイは言う。

XENON1T、LZチーム、そしてヨーロッパのダークマター研究者グループDARWINは、何百人もの科学者から成る巨大なコンソーシアムを形成している。

いずれは大規模なダークマター実験を共同で行う予定だ。

それについてリッピンコットは「すべてを支配するもうひとつのキセノン実験」と言い表しているが、そのスケジュールは今のところ決まっていない。』

この『大規模なダークマター実験を共同で行う』が終わらないとパラダイムシフト=CDMは素粒子ではない が起こらないのでしょうか?

 

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