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電王戦・2人の兄弟

2013-04-27 14:48:05 | 日記
とある村に2人の兄弟が住んでおりました。

兄の方は「将棋の才能がある」ということで、将棋の塾に通い始めました。

弟の方はあまりにも「へたっぴ」だったので、塾に入れてもらえませんでした。

しょうがないので弟は兄が家に持ち帰る先生の棋譜やら本やらを見ていました。


月日がたち村の将棋大会が開かれることになりました。

塾のなかでも兄はもうトップクラスで今回は模範対局の塾生代表です。

一方、一般参加で申し込んだ弟も定跡やら棋譜やらを一生懸命勉強した
甲斐があって大会で優勝してしまいました。


さて、優勝者と塾生代表の模範対局です。

兄弟対決になったので注目が集まります。

でも誰もが「兄の勝ちだ。」と思っておりました。

「あのへたっぴが独習したところで大したことはない。」という訳です。


さあ、対局がはじまりました。

兄の得意の相矢倉の勝負になりました。

序盤は定石通り。

中盤からは不思議な事に兄が押されているようにみえます。

そうしてどんどん戦況が兄に不利になっていきます。

103手目、とうとう兄が投了です。


するとどうした訳でしょう。

予想がはずれたせいでしょうか?

勝った弟はあまりほめてもらえません。

村人はどうやらみんな兄の味方のようです。


村人は「先生の顔に泥を塗った」と敵を見るような視線です。

そして「リベンジ戦だ!」

「もっと強いやつを出せ。」

村人はそう叫びます。


将棋のことはよくわかるのですが、村人が何で怒っているのかさっぱり
わからない弟でした。

「兄さんと同じように先生の棋譜やら本やらで一生懸命に勉強したのに。」

弟はちょっと残念ですこしだけ悲しくなりました。

弟からすれば塾には通わなかったものの、自分も先生の弟子のつもりでしたのでね。


あ、そうそう、兄のあだなは「みうみう」、弟は「GPS」と呼ばれておりましたとさ。

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